ジェイムズ・メイヒューの名画紹介「ケイティ・シリーズ」

 子どもたちが小さなころ馴染んだジェイムズ・メイヒュー絵本の翻訳が出た。ケイティといっしょに名画探訪ができるこのシリーズは、アーンホルトによる一連の名画シリーズとあわせておおいに魅せられた。お話の中に入り込み、名画と交わるなんて最高。これから全シリーズが日本語で楽しめるのだろう。現在のところは、イタリア・ルネサンス派、印象派、ポスト印象派までのよう。
 ゴッホは多くのアーティストが絵本にしているように、物語が「絵」になる。美化してはいけないけれど、彼の厳しい生きざまは後世の誰の胸をも打つ強さを秘めている。
ゴッホとひまわりの少年 モネのまほうのにわ レオナルドと空をとんだ少年 - 絵本手帖

ケイティと花たばのプレゼント (ケイティのふしぎ美術館)

ケイティと花たばのプレゼント (ケイティのふしぎ美術館)

ケイティとひまわりのたね (ケイティのふしぎ美術館)

ケイティとひまわりのたね (ケイティのふしぎ美術館)

  • 作者: ジェイムズ・メイヒュー,結城昌子,西村秀一
  • 出版社/メーカー: サイエンティスト社
  • 発売日: 2011/02/25
  • メディア: ハードカバー
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ケイティとモナリザのひみつ (ケイティのふしぎ美術館)

ケイティとモナリザのひみつ (ケイティのふしぎ美術館)

Me, Frida カーロ・フリーダの旅立ち

 メキシコの女性画家カーロ・フリーダを語るノンフィクション絵本。代表作の一つ「フリーダとディエゴ・リヴェラ」の生まれた背景を描く。
 若く無名だったフリーダは1930年11月、夫であり、すでに名声を得ていた画家ディエゴ・リヴェラとともにサンフランシスコに滞在した。夫が市の壁画制作をする間、フリーダは初めての海外体験に馴染めず戸惑う。しかし祖国への誇り、情熱を確かめながら異文化に触れ、自分を見つめ直した日々は、彼女に大きな実りをもたらした。
 表紙が、お釈迦様のように神々しい。ドイツ家系への誇りから'Frieda'とつづられる場合もあるが、ここでは'Frida'とのこと。

Me, Frida

Me, Frida

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Bedtime for Bear 男の子の習性

 冬眠しようとしているところに、アライグマの友だちが遊びにきた。断るにもかかわらず、遊ぼう、遊ぼうとひきさがらない。「ねようとしているところなんだよ、くまはねるんだ!」と言い終わったところに、雪の玉がポーンと顔に命中。怒ったくまは雪の中に転がり落ちて……。
 そこには子どもの本能が描かれていて、往々にしてそれは男の子のものだろうと経験上、断定してしまう。いや、別にこれは子どもに限ったことでもないか。要するに描かれているのは「ガイズ(野郎たち)」の子どもらしい遊び心だった。会話のテンポが、まさに「それ」である。
 スポーツ・マインドに満ちたお父さんたちに受けそうな絵本。イラストは、レモニー・スニケットの人。海賊の絵本があった。
9月19日は「海賊語で話そうデー」だった - 絵本手帖

Bedtime for Bear

Bedtime for Bear

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Poem in Your Pocket for Young Poets 中高生のための新しいポエム・ブック

 誕生日プレゼントに"Poem in Your Pocket for Young Poets"を買った。ここにはディキンソンやフロストらを含めた古典からモダンまで、100編の詩が紹介されている。
 この詩集がユニークなところは、「本」ではないという点。体裁はまるで、ハードカバーに覆われた日めくりカレンダーだ。お気に入りの詩を見つける。ページをやぶく。ポケットにしのばせる。時間のあるときに詩の紙切れを取り出してみる。バスの中でも、授業が始まる前でも、ランチの時間でも、いつでもどこでも、詩が読める。何か書き込みたければ、少しばかりの余白もある。
 2002年以来、毎年4月ニューヨーク市で行われる詩のイベント企画者らが、このスタイルを発案した。大人版は現代詩が多いようだけれど、こちらの中高生版には古典も含まれる。選者はニューヨーク、イースト・ハーレム中学校の国語教師。
 最後にページがなくなっちゃうのか……。思わず1ページあたりの単価を算出してしまった。でも、何も残らなくはないはずだ。きっと、ことばが残る。ことばから何かを感じ、何かが心に刻まれれば、このポエム・ブックは十分役割を果たすことになる。そんなことを願いながら、本を包んだ。"Beautiful Oops!"といっしょに贈る。
Beautiful Oops! 失敗から学ぶことこそクリエイティブ! - 絵本手帖

Poem in Your Pocket for Young Poets

Poem in Your Pocket for Young Poets

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Out of Sight 大きくて楽しい、かくれんぼのあてっこ絵本

 "Out of Sight"を手にして、驚愕。大きい。楽しい。アート感覚、遊び心にあふれている。こういうしかけ絵本を見てしまうと、「さすがフランスの絵本だ!」と誰が賛辞を述べずにいられよう。
 基調はモノクロ。窓のようにめぐらされためくりを開くと、そこに動物たちのカラフルな姿と短い解説がお目見えする。見開きごとに趣向は変わり、あるページは動物の模様であてっこ、あるページは足跡であてっこ。目だけをのぞかせたり、耳だけをのぞかせたり。あるページでは、動物たちのシルエットが美しくこちらに迫ってくる。
 単に全容を見せないだけのコンセプトなのに、こうも豊かにプレゼンテーションができるとは。作者たちの冴えたアート感覚に脱帽するしかない。
 手にしてみるしかないジャイアントなしかけ絵本。ペンギンの絵本と同じくらいのサイズ。
365 Penguins 365匹のぺんぎん - 絵本手帖

Out of Sight

Out of Sight

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Pocketful of Posies このハンド・クラフトを見よ

 "Pocketful of Posies: A Treasury of Nursery Rhymes"はマザーグースの童謡をまとめた絵本なのだけれど、とにかくそのハンド・クラフトに目がくぎづけ。素材は自然着色の羊毛フェルト、刺繍糸、木の球、小石などなど。丹精な刺繍がほどこされ、登場人物たちが小さな人形となって登場する。写真で見るより実際にさわって遊びたくなる絵本だ。この1冊分のフェルト・キャラクターたちがテーブルの上に置かれていたら、どんなにか豊かな時間が過ごせるだろう。
 手仕事にはどのくらいの時間をかけたのだろう。肩がこったりして、たいへんだったのでは。人形たちの目が写実っぽく描かれているので、ちょっと怖く見えたりする。でも、そこが民族風でまたよいのかもしれない。わたしや娘だったら、かわいい系の単なる丸い点にしてしまうところ。
 とにかく目で見るより、実物を触ってみたいなあ。手芸の好きな人への贈り物。
 アマゾンに素材の写真が出ている。
http://www.amazon.com/Pocketful-Posies-Treasury-Nursery-Rhymes/dp/0618737405

Pocketful of Posies: A Treasury of Nursery Rhymes

Pocketful of Posies: A Treasury of Nursery Rhymes

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Snow Rabbit, Spring Rabbit 卯年の立春に読む絵本

 "Snow Rabbit, Spring Rabbit: A Book of Changing Seasons"は、卯年の立春に読むのが最高〜と思っていたのに、ずっと忘れていた。冬から春へのうつりかわりを独特の手法で表現した絵は、ふくろうさんのおやすみ絵本と同様に繊細でうつくしい。
A book of Sleep ぐーぐーぐー―みんなおやすみ - 絵本手帖
 わたりどりが南へ立つと、くまはながいねむりにおち、りすたちは食べものさがしにおおわらわ。白うさぎはそんなどうぶつたちのすがたを、ちょこんと眺めている。みんな冬のじゅんびにいそがしい。
 森のどうぶつだけでなく、放牧地のひつじや南国のわにまで出てくるところがなにやらファンタジーめいていやしないか。でも、かえってそれが魅力かもしれない。無国籍風で少し謎めいたイラストのパワー、ここにあり。まるみをおびたどうぶつたちの体には唐草模様や花模様がうっすらとあしらわれ、アートとしても堪能できる視覚描写である。めりはりのある構図もいい。
 たとえば、ひっそりとした裏路地の、かくれ家のような雑貨屋さんでであえるような、そのようなアート志向だろうか。個人的に子ども部屋に飾りたい欲求にかられた。
 英国版"Brrrr: A Book of Winter"とは、すこし違った体裁。わたしは米国版のほうが好き。
 イースターにもいいかもしれない。春のきわやかな色調に、はっとさせられた。

Snow Rabbit, Spring Rabbit: A Book of Changing Seasons

Snow Rabbit, Spring Rabbit: A Book of Changing Seasons

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