2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

けっこうおめでたい

『One Red Dot (Classic Collectible Pop-Up)』は、考えてみれば結構おめでたい、新年向きのポップアップ絵本かもしれない。 まず、仕掛けということで、箱や波、バスケットなどあの手この手で視覚を刺激する立体形が飛び出し、驚き、楽しさが味わえる。棒や…

冬のお茶会

待ちに待ったハースの新作絵本『Bess and Bella』*1を手にする。かわいい、絶対娘が喜ぶ……と感動し、鑑賞する間、時が止まっていた。 ブルーグレイを基調にミルク色のベールで包まれたようなイラストは、冬のお茶会を描く。主人公の女の子べスが、雪の中お人…

みんなで雪遊び

ダウンタウンの中央図書館に寄る機会があった。さすがにセレクションもディスプレイも、文句なしにすばらしい。ホリデー関連絵本はもちろんのこと、チルドレンズ・シアターの「ピーターとおおかみ」公演に合わせ、オオカミ関連の絵本がたくさん飾られていた…

「大人の絵本」とうたう絵本

まず絵本『Where's My Cow?』の元となる小説『Thud! (Discworld)』を読んでいないので、たぶん絵本鑑賞は半分ぐらいの味わい方しかできていない。それでも、英国屈指のストーリーテラー、プラチェットの描く絵本版ディスクワールド(=空想世界)には十分ひ…

スキーをするときに

『ウッレのスキーのたび』で、主人公の男の子ウッレは6歳のお誕生日に本物のスキーをもらう。「6歳」という年齢を知り、絶対6歳の冬に読んであげたいなと思っていたから、さっそく娘に。 クリスマスの2週間前に雪が降り、大喜びで森に出かけたウッレ。そ…

クリスマスがはじまった!

お気に入りクリスマス・キャロルの邦訳版とあり、『クリスマスの12にち (世界傑作絵本シリーズ)』には興味があった。あの早口言葉のような遊び歌をどうやって日本語にするのだろう。そう思いながら付属のCDに耳を傾けると、「!」――。これはすばらしい。ボー…

クリスマスにもっともふさわしい絵本

今年も午後4時の礼拝に出席。うちの教会は主教座聖堂ということもあり、イブ礼拝は午後2時、4時、7時半、11時の計4回もある。最初の2つは家族礼拝なので、かなりカジュアル。息子はバイオリン、主人はギターでバンドに加わり、聖歌や頌栄の伴奏をした…

親がしみじみとするクリスマス絵本

大人の手のひらサイズという小さな絵本『Santa's Last Present』は、ある家族の12月を背景にクリスマスのノスタルジーを描く秀作である。昨年のクリスマス前、ブレイクの軽やかなイラストとサイズの放つひっそり感に魅せられ購入した。書店で手にしたときか…

素朴な聖夜

今年出会ったクリスマス絵本の中で、心ひかれた作品がポップアップで聖夜を描く『The Nativity: Six Glorious Pop-up Scenes』。書店で手にして、しっくりくるのがわかった。このアーティストのことはまったく知らなかったので調べてみると、たくさんクリス…

クリスマス絵本は名作の宝庫(その2)

絵本制作に携わっていたら、クリスマス絵本っていつか手がけてみたい憧れじゃないかと思う。クリスマスやイースターといった宗教行事を描くことは、キリスト教徒であればアーティストとしての割礼のような気がするので。魂のこもった創造が要求されるから、…

気心の知れた仲間が勢ぞろい

静かで厳かな聖夜の後に、愉快で楽しい12日間。きっとそんな想いといっしょに制作された『ゆかいなゆうびんやさんのクリスマス』*1は、それこそ1冊あれば冬休みの楽しみが半分以上保証されそうなくらい凝った手紙仕掛け絵本である。シリーズ第1弾『ゆかい…

静かなひとときに

お昼ね(というよりお夕ね)から目覚めた娘と『ちいさな ろば (こどものとも傑作集)』*1を読む。これは、わたしのお気に入りクリスマス絵本。表紙の深紅に描かれたやさしげなろばを目にしたとき、清らかなクリスマスの心が謳われた作品であることはすぐにわ…

笑いと涙のババール・クリスマス絵本

ババールがサンタクロースを探しに出かける『ババールとサンタクロース (児童図書館・絵本の部屋―グランド・アルバム・ぞうのババール)』は、息子のお気に入りクリスマス絵本である。今年もいっしょに読み、大好きなページを確かめた。 まず、ババールが道中…

ビッグ・バスケット作り

ほとんどの子どもたちが、折り方を覚えていた。(サイズは、カラー・ブッチャー・ペーパー半折り、正方形)フラップの部分を利用して「変身バスケット」としてイラストを描く例が見られ感心。飾り付け(描く、貼る)の選択の幅を広くしたことはよかった。パ…

思い出のクリスマス絵本

『子うさぎましろのお話 (おはなし名作絵本 3)』は、幼少期の思い出がいっぱいのクリスマス絵本。おもちゃのなる白いクリスマスツリーを、何度も夢に描いた記憶がある。「種」は子ども心をくすぐる存在で――そこから何が出てくるか、わからないから――、ましろ…

ドキドキ、ワクワクなぞ解きクリスマス

『ぐりとぐらのおきゃくさま (ぐりとぐらの絵本)』は、『ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)』『ぐりとぐらの1ねんかん (ぐりとぐらの絵本)』と並び、わたしの中では「ぐりぐら3大絵本」になっている絵本。その魅力は、なぞ解きのときめき…

クリスマス・イブの魔法

クリスマス・イブのほんのひとときを描く『クリスマス・イブ』は、不思議な絵本である。イラストに使用される色がオレンジと黄で、個人的に抱くクリスマスのイメージからほど遠かった。雪降る夜のシーンが、オレンジ色? ところが、2色で彩色されるペン画と…

がまくんとかえるくんの1年

娘が昨夜、『Frog and Toad All Year (I Can Read Level 2)』(邦訳『ふたりはいつも (ミセスこどもの本)』)の中から「Christmas Eve」を読んでくれた。彼女はこのお話が大好き。暖炉を囲んで穏やかにクリスマス・イブを過ごす、がまくんとかえるくんの姿に…

くまのくんちゃん抜きでは始まらない

何気なくて家庭のぬくもりがたっぷりで、やっぱりクリスマスを迎えるにあたり、『くんちゃんとふゆのパーティー』*1は必ず読みたい絵本である。 雪が見たくて冬ごもりを伸ばしてもらったくんちゃんは、冬を迎え食べ物に困っている動物たちのことを知りすてき…

わたしの色

abc

「赤」は自分にとり、特別な色。小さな頃は、名前の「あすか」と色の「あか」が無意識のうちに重なり合っていた。赤ずきんちゃんなど自分のことと思っていたほどなので、色の与えるイメージの強さには舌を巻く。 その「赤」のイメージは、大人になっても変わ…

クランベリー&ホワイト・チョコチップの宝石クッキー

赤と白の映えるクリスマスらしいクッキー。重曹を入れるので、皮はガリガリ、中はふっくらの食感。かなり甘いので、ホワイト・チョコレートの分量、あるいは砂糖の量を調整するといい。いつも糖分少なめにして「ママのクッキーって、甘くない」と息子から言…

クリスマス絵本は名作の宝庫(その1)

アドベントのクリスマス絵本*1をリストアップしてみて、人気シリーズではどのくらいクリスマス絵本が出ているのか興味が湧いてきました。そこで、さっそくリスト作成。こういう作業は、ワクワクしてクリスマス期にぴったりです。ただ、手元にある絵本をもと…

小さな子どもたちに、南欧のクリスマス

クリスマスといえば絶対にはずせない『まりーちゃんのくりすます (岩波の子どもの本 (15))』。8日に記したアドベントのクリスマス絵本にも加えなおす。自分でリストを挙げたものの、なかなかゆっくり絵本が読めず、ちょっぴりどころかだいぶ落ち込み……とい…

ミシュカの決心

『ミシュカ』は、実家の母が息子に贈った最初のクリスマス絵本。約70年前におきたフランスの新教育運動から生まれた、ペール・カストール文庫の1冊である。包みを開けたとき、あまり見かけない表紙だなという印象だったけれど、それがかえって新鮮だった。…

タビー猫モグのクリスマス

あれ? 何だかいつもと様子がちがうよ。タビー猫モグが朝目覚めてみると、トーマスさん一家はみな忙しそう。部屋を飾ったり、お料理をしたり、贈り物を準備したり。ただならぬ雰囲気にモグは居心地が悪くて、ひっそり窓の外から家を見守ることにする。今日は…

フォトフレーム

ウィートのりで細かく切った色とりどりのアート・ティッシュを、木枠に貼り付けていく。常にのりで濡らし、色を重ねるときれい。ティッシュを丸めて、上からカバーしたり、小技も紹介した。3割1レイヤー、2割2レイヤー以上、5割丸めて付ける。30分で終…

テディベアのクリスマス

クレメント・ムーアの有名な詩――作者は別人という説も聞いたことがあるけれど――は、さまざまなアーティストが絵本化している。いろいろある中で結構リクエストされるのが、テディベアの写真絵本『あしたはたのしいクリスマス―The Teddy Bears’ NIGHT BEFORE …

アドベントのクリスマス絵本カレンダー

アドベント・シーズンに1日1冊という意味で「アドベントのクリスマス絵本カレンダー」を考えた。クリスマスまでの1日1話『シモンとクリスマスねこ―クリスマスまでの24のおはなし (福音館文庫 物語)』からアイデアを拝借した、個人的なアドベント・カレン…

チャトーとノビオ・ボーイ、クルーズに出かける

金魚模様のアロハをまとい、首にレイ、かたわらにトロピカル・カクテル。サングラスからのぞく笑顔が、「ねえ、君もどう?」とバケーションに誘っている。この表紙に応えて、「うん、凍てつく季節にクルーズなんていいじゃない」と思わず手を伸ばした作品が…

ワンワンサンタわん、キャンキャンクロースグルル

クリスマス・イブの夜は、何かしら魔法がかっている。それは世界中の子どもたちが遠い夜空の誰かに向かって、夢見心地の願いを放っているから? 不思議な気配を人一倍、いや犬一倍強く感じとったのは、1匹の小さな白い犬だった。『サイレントナイト』*1には…