2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

米国暮らしの絵本手帖〜米国絵本体験、はじめの一歩〜

娘の出産を終えた翌朝、帰宅する前に産院で受け取った一式には、赤ちゃん用毛布、たらい2つ、母親の水分補給用保温マグカップ、ペーパーバック絵本『Good Night, Moon(おやすみなさいおつきさま)』、そして「Read-To-Me (本、読んで)」とプリントされた…

四季の絵本手帖『まっくろネリノ』

春の6ページ まっくろネリノ (世界の絵本) まっくろネリノ (世界の絵本)作者: ヘルガ=ガルラー,やがわすみこ出版社/メーカー: 偕成社発売日: 1973/07メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (39件) を見る ネリノは体が黒い小鳥です…

小さな子どもたちと大きな子どもたちに

おとといの夜、子どもたちと読んだ『光の旅 かげの旅 (絵本の部屋―しかけ絵本の本棚)』は、本格的なアートの視点から描かれた白黒の逆さま絵本だ。イラストレーター、アン・ジョナスの力量にうなってしまった絵本でもある。(彼女の『あたらしいおふとん (あ…

小さな子どもたちに

小さな子ども向けの『おはよう・おやすみ』は2冊の絵本がひとつになった逆さま絵本。表紙から「おはよう」、裏表紙から「おやすみ」の様子が動物たちの生活を通して描かれる。「おはよう」のほうは、元気なオレンジ色の表紙がネコちゃんの朝をお出迎え。裏…

四季の絵本手帖『ぐんぐんぐん みどりのうた』

春の5ページ ぐんぐんぐん―みどりのうた (大型絵本) ぐんぐんぐん―みどりのうた (大型絵本)作者: デービッド・マレット,オラ・アイタン,脇明子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1998/07/08メディア: 大型本 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見…

視点の違い あり3部作(3)

『Hey, Little Ant』は、父娘のバンドコンビが作詞・作曲した歌絵本。きっと道端で見かけたありを話題にして、お父さんと盛り上がりながら作った歌なんだろうなあ。小学生ならではの視点が生きている。お話は、ありを踏みつぶそうとする男の子とつぶされまい…

すいかがおいしそうに描かれる あり3部作(2)

『ありとすいか (ポプラ社のよみきかせ大型絵本)』は最近出会ったありの絵本。一切れのすいかをありたちが巣に運び入れるまでを描く、コミカルでかわいいドキュメント風絵本である。クローズアップで一匹一匹のありの表情を楽しんでもいいし、全体を見て彼ら…

100匹に魅せられて あり3部作(1)

9月の新学期から数えて100日目に当たる日(2月中旬)に、「学校100日目のお祝い」として全校上げての学習行事があった。教案集の書籍がたくさん出ているから、とても人気のある行事で、たぶん多くの小学校でやっていることなんだろう。 幼稚園の生徒は単純…

四季の絵本手帖『もしゃもしゃマクレリーおさんぽにいく』

春の4ページ もしゃもしゃマクレリー おさんぽにゆく もしゃもしゃマクレリー おさんぽにゆく作者: リンリードッド,Lynley Stuart Dodd,たまのまさと出版社/メーカー: あづき発売日: 2004/04/20メディア: 大型本 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) …

四季の絵本手帖『はなをくんくん』

春の3ページ はなをくんくん (世界傑作絵本シリーズ) はなをくんくん (世界傑作絵本シリーズ)作者: ルース・クラウス,マーク・シーモント,きじまはじめ出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 1967/03/20メディア: 大型本 クリック: 16回この商品を含むブログ …

小さくて風流、雅の世界

おやゆびこぞう、おやゆび姫と小さな存在に魅せらている娘にぜひ読みたいなと思っていたのが日本昔話『いっすんぼうし (日本傑作絵本シリーズ)』。都の春が美しい日本画で描かれるので、桜の季節に読んでおきたかったけれど。とにかくイラストがすばらしい。…

爆笑、ある猫の悪たれぶり

久々に涙を流して笑ってしまった。『あくたれラルフ』である。息子のバイオリンの練習中に傍らでこの始末だったから、もちろん昨晩の彼のリクエストはこの絵本だった。ジャック・ガントスという名前は、米国の小学生であれば、あちらこちらでよく聞く名前だ…

四季の絵本手帖『さんびきのくま』

春の2ページ さんびきのくま The Three Bears作者: Byron Barton出版社/メーカー: Greenwillow Books発売日: 1991/11/01メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (3件) を見る はっきりした絵とわかりやすい言葉で、有名なロシア民話を語る絵本です。ス…

ぬいぐるみデー

金曜日は娘のクラスの「ぬいぐるみデー」。お知らせに「お気に入りのぬいぐるみを持って来てください」とあった。最初はピンクのユニコーンのぬいぐるみを指さした彼女だが、「やっぱり、くまちゃん!」と即座に思い直す。くまちゃんは赤ちゃんのときからい…

四季の絵本手帖『はらぺこあおむし』

春の1ページ はらぺこあおむし エリック=カール作 はらぺこあおむし エリック=カール作作者: エリック=カール,もりひさし出版社/メーカー: 偕成社発売日: 2010/08/23メディア: ハードカバー購入: 18人 クリック: 663回この商品を含むブログ (247件) を見る …

四季の絵本手帖〜春の風にさそわれて〜

モノトーンの描いた冬の風景に替わり、黄色や桃色、すみれ色、若草色が控えめに顔をのぞかせ、にわかにおしゃべりを始める春――。柔らかな日ざしと風の温度は、誰の心をも戸外に誘います。一年中外遊びの好きな子どもたちにしてみても、この季節の明るさや空…

女の子の成長物語

娘はよほどロビンが好きなのだろう。この鳥を庭で見かけるたび、報告しに来てくれる。赤いおなかが、お気に入りの原因らしい。木々に囲まれ暮らしていると、こうやっていろいろな鳥の存在に気付くことができて、わたしですらいつの間にか小鳥たちの声に耳を…

クールな動物ベースボール絵本

『ガボンバのバット (講談社の創作絵本)』は、とてもユニークな作品だ。動物+スポーツものの絵本ってあまり見たことがない。しかも、かわいい系じゃなくて、かっこいい系。野球じゃなくて、ベースボールという感じ。主人公たちは象である。人気、実力ともに…

イチロー・マジック

日曜日は、息子がリトル・リーグの友だちとマリナーズ観戦。チームは昨季に続きいまひとつの成績だけど、この日はピッチャーの好投でパドレスに勝つことができた。よかったね。まぶしい太陽の下、ボールの弾ける音とともに歓声が起こり、総立ちとなるベース…

リトル・リーグの季節

月曜日、初めて息子の野球の試合を見に行く。春は野球シーズン開幕の季節。秋のサッカー・フットボール、冬のバスケットボールに続き、スポーツシーズンのフィナーレともいうべき野球(ベースボール?)は、少年スポーツの中でも花形の感がある。いいのか、…

歯の妖精の国

くすくすと笑える、かわいらしい絵本。オードリー・ウッド作の歯の妖精(tooth fairy)をテーマにした『Tooth Fairy (Child's Play Library)』だ。米国には(みんながそうだというわけではなく、知らない子どもたちもいるのだろうが)、抜けた歯を枕の下に置い…

宇宙的な発想の地理+アート(仕掛け)+歯の絵本

米国で絵本『Madlenka』が発売されるや否や、新聞各紙、書評誌はピーター・シスがまたやってくれたと言わんばかりに、一斉に大絶賛。欲しいなあと思っているうちに、マドレンカシリーズ第2弾の邦訳『マドレンカのいぬ』まで出版され、結局うちでは犬のお話…

ワニさんと歯医者さんのかけあいシンクロ漫才

この絵本は、こちらの幼稚園・小学校教案集の雑誌を眺めていたとき、英語版『The Crocodile & the Dentist』で見たのが初めての出会いだった。絵を見て即座に、あ、五味太郎の絵本。その雑誌の特集では歯の単元を学ぶ目的でこの絵本を紹介し、授業案、工作案…

歯医者のねずみvs患者のきつね

息子とわたし、歯科検診を終える。6か月ごとの定期健診だが、この国の歯科衛生の発達ぶりには毎度のことながら感心させられる。ピッカピカのスマイルで異性を魅了するのに、まぶしい歯は切り札だものね。とりあえず2人とも検診のみで、治療にならずよかっ…

人間とは、運命とは?

『あかいくつ (いわさきちひろの絵本)』は大人になってから読み返し、アンデルセンの魅力を再発見した作品。憧れの赤い靴を履き踊る少女の姿を通して、人間の切なさを描いている。彼女は踊りを止めたいのに、靴が止めさせてくれない……これは運命なのか。アン…

靴と言えば、ガラスの靴

靴で思い出したのが、『ペンギンシンデレラ』。アニメフィルム製作に携わっていたというパールマンの作品で、色使いからお茶目なアニメらしさがたっぷり感じられる。残念ながら邦訳は品切れ状態だけど、『ペンギンはだかの王さま (こりゃあびっくり!ゆかいな…

リズムの楽しい靴の絵本

娘にテニスシューズとサンダルを買い、この絵本のことを思い出す。そうそう、これは夏らしくなってきたこれからの季節に読むのがぴったり。 『くつ くつどんなくつ?』は、たくさんの靴が登場する詩の絵本。ボタンでとめる靴、ひもの靴、竹馬、長靴、ローラー…

大きな野原での、小さなできごと

『おおきなのはら』は、1から10までの数を数える絵本。野原を舞台に、かめ、きつね、こまどり、しまりす、みつばち、ビーバー、かえる、ふくろう、くも、うさぎ……のお母さんたちが、自分の子ども(たち)に生活の術を教えようとやさしく手ほどきをする。初…

自然といっしょに遊ぶなら

子どもと野の自然――そんな絵本を探しているとしたら、わたしは断然『わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ)』をおすすめしたい。太陽のぬくもりいっぱいのクリーム色を基調に、素描のようなやわらかいイラストが小さな女の子と動物たちのふれあいをやさし…

ジャズ・バンドの思い出

『ベンのトランペット (あかねせかいの本 7)』は、ジャズ音楽の魅力を少年の心を通して伝える美しい絵本。トランペッターに憧れるベンの健気さが白と黒を巧みに操るモノクロの画面から痛いほど伝わる、喜びと悲しさが描かれた作品だ。貧しい街角の匂い、ジャ…