2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

四季の絵本手帖『はろるどとむらさきのくれよん』

秋の7ページ はろるどとむらさきのくれよん (ミセスこどもの本) Harold and the Purple Crayon作者: Crockett Johnson出版社/メーカー: Bloomsbury Publishing PLC発売日: 1996/11/28メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る ハロルドのク…

夏のひそかな楽しみとなる絵本#4 風にそよぐ畑の風船

青い空に浮かぶ、ピンク、オレンジ、紫、赤、青、黄色、緑の風船は、ピエロの顔だったり、カバだったり、ぶただったり、形はさまざま。ハーベイ・ポッターはそんな風船を畑で育てていた――。う〜ん、何という発想だろう。『ふうせんばたけのひみつ』も子ども…

『オリビア』のギフト用刺繍ハンカチーフ

昨日、書店でかわいらしい物を発見した。「To Thank You, Mom: (with Olivia's help)」は、母の日やお母さんのお誕生日にぴったりの刺繍ハンカチーフ+ミニ・ペーパーバックのギフト。これって、オリビア世代に受ける商品だと思うのだが、この世代はまだ子ど…

四季の絵本手帖『オリビア』

秋の6ページ オリビア オリビア作者: イアンファルコナー,Ian Falconer,谷川俊太郎出版社/メーカー: あすなろ書房発売日: 2001/11/01メディア: 大型本購入: 3人 クリック: 22回この商品を含むブログ (31件) を見る 脱ぎっぱなしのTシャツ、タイツ、ワンピ…

夏のひそかな楽しみとなる絵本#3 波との戯れ

息子がプレスクールの頃、原書絵本『My Life with the Wave』に出会う。とにかく、表紙に吸い寄せられた。その後はページを開いて、ため息の連続。想像の及ばない壮大な発想に感嘆し、それに負けることのない鮮やかで大胆なイラストにただただ見とれていた。…

四季の絵本手帖『きつねのとうさん ごちそうとった』

秋の5ページ きつねのとうさん ごちそうとった (児童図書館・絵本の部屋) The Fox Went Out on a Chilly Night (Dell Picture Yearling)作者: Peter Spier出版社/メーカー: Dragonfly Books発売日: 1994/07/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ…

大きなくまと小さなくま

『まーくんとくま』*1の原書『Where's My Teddy?』は、息子のバイブル的絵本。大きなくまと小さなくまの対照がおかしくて、毎晩毎晩、何度も繰り返し読んだ絵本だった。最近邦訳が出て大喜びしたのだが、う〜ん、あれだけ英語でなじんでしまうと、日本語にな…

夏のひそかな楽しみとなる絵本#2 いわしくんのスマイル

夏の絵本を何冊か積み上げた。ほとんどが翻訳か原書絵本だけど、その中に日本の創作絵本が一冊。『いわしくん』は、息子も娘もわたしも大好きな作品である。直に吟味できない日本の絵本を注文するには結構勇気がいる。というか、わたしはほとんど注文しない…

四季の絵本手帖『まーくんとくま』

秋の4ページ まーくんとくま まーくんとくま作者: ジェズ・オールバラ,野口絵美出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2004/09/22メディア: 大型本 クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見る 大切にしている物をなくしたときに味わう失望は、誰にとって…

夏のひそかな楽しみとなる絵本#1

夏に読みたいなあと思っていた絵本『はちうえはぼくにまかせて (世界こども図書館A)』を娘と読む。このタイトルは、主人公トミーの気持ちである。トミーは何がきっかけでこのアイデアを思いついたのだろう。夏休みの間、旅行に出かける近所の人たちの鉢植え…

四季の絵本手帖『きょうはみんなでクマがりだ』

秋の3ページ きょうはみんなでクマがりだ (評論社の児童図書館・絵本の部屋) きょうはみんなでクマがりだ (評論社の児童図書館・絵本の部屋)作者: マイケルローゼン,ヘレンオクセンバリー,Michael Rosen,Helen Oxenbury,山口文生出版社/メーカー: 評論社発…

大人だったら、さらに味わえる絵本#3 スースのきみの行く道

スース最後の作品が『Oh, the Places You'll Go! (Classic Seuss)』(邦訳は『きみの行く道』)。韻を踏んでいてもナンセンスな言葉遊びは意味がない――一部教育者からそんな指摘を受けながらも、英語を学び始める子どもたちには必須とされている『The Cat in…

『Vegan Virgin Valentine』by Carolyn Mackler 読書ノート

YA

『Vegan Virgin Valentine』を読む。 マラ・バレンタインは成績最優秀オールA、17歳の高校生。学生自治会など積極的に課外ボランティア活動も続け、すでにイェール大学への進学が決定している。最後に目ざすのは成績評価平均値によって決定される卒業総代の…

四季の絵本手帖『ロージーのおさんぽ』

秋の2ページ ロージーのおさんぽ (ハッチンスの絵本) ロージーのおさんぽ (ハッチンスの絵本)作者: パット=ハッチンス,わたなべしげお出版社/メーカー: 偕成社発売日: 1975/08/01メディア: 大型本 クリック: 4回この商品を含むブログ (25件) を見る ロージ…

バケーションは「ZOOM」

『Zoom (Viking Kestrel picture books)』(日本版は『ZOOM (fukkan.com)』)のページをめくり、時間を忘れることしばし。この絵本を開くと、時空を旅する不思議な感覚が体験できる。イメージは「夏」と「米国」。熱帯夜に冷たいグラスを傾けながら堪能した…

ボストン・レッドソックスのベースボール絵本

マリナーズの調子がいまひとつなので、注目するのは他チームである。個人的に昨年の覇者Boソックスは常に気になるところ。NYに次いでの金満チームだが、優等生のNYに対して各自個性丸出しのBoソックスには他にはない魅力を感じる。 歴史のあるチームや選手の…

四季の絵本手帖『おやすみなさいおつきさま』

秋の1ページ おやすみなさいおつきさま (評論社の児童図書館・絵本の部屋) おやすみなさいおつきさま (評論社の児童図書館・絵本の部屋)作者: マーガレット・ワイズ・ブラウン,クレメント・ハード,せたていじ出版社/メーカー: 評論社発売日: 1979/09メディ…

「ウエズレーの国って、いいね」

昨日、ちょうど絵本『ウエズレーの国』*1を出してブログに記していたら、「ウエズレーの国っていいね」と隣りで息子がつぶやいた。というわけで、リクエストを受けてさっそく読む。 自分だけの庭におもしろい植物を栽培して、そこからジュース・食料を取り、…

四季の絵本手帖『ウェズレーの国』

夏の30ページ ウエズレーの国 ウエズレーの国作者: ポール・フライシュマン,ケビン・ホークス,Paul Fleischman,Kevin Hauks,千葉茂樹出版社/メーカー: あすなろ書房発売日: 1999/07/01メディア: 大型本購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (31件) …

日本の田舎の清涼感

シアトルの夏は短い。当地は、緯度でいえば北海道の北、樺太、サハリンあたり。例年、7月に1週間ぐらい夏らしい日が続くけれど8月に入れば風はもう秋。今年の夏は何だか涼しくて、このまま暑い夏は来ず秋になってしまうのではないかとふと寂しい気持ちに…

四季の絵本手帖『エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする』

夏の29ページ エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする (大型絵本) エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする (大型絵本)作者: エリナーファージョン,シャーロットヴォーク,Eleanor Farjeon,Charlotte Voake,石井桃子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 20…

古代エジプトのおとぎ話

『Egyptology』というノンフィクション仕掛け絵本が人気である。英国の絵本で、エジプトの古墳発掘の様子や歴史が手紙や文書などの仕掛けを用いてふんだんに紹介されている。ニューヨーク・タイムズ紙の児童書トップ10入りも長い。息子の購読する雑誌は古代…

四季の絵本手帖『みどりの船』

夏の28ページ みどりの船 (あかねせかいの本) みどりの船 (あかねせかいの本)作者: クェンティンブレイク,Quentin Blake,千葉茂樹出版社/メーカー: あかね書房発売日: 1998/05/01メディア: 大型本 クリック: 2回この商品を含むブログ (10件) を見る 田舎で過…

永遠の少女に贈るお誕生日絵本

可憐さと気品に包まれたお誕生日絵本が『アリスの不思議なお店』。……絵本というより写真コラージュ&詩画集というべきかも知れない。作者が娘のために作ったものということだが、ヨーロッパの洒脱と時間の不思議が透明感を伴なって描かれる。 不思議なものを…

チョコレート工場の秘密は、あたたかい

『Charlie and the Chocolate Factory (Colour Edition)』(邦訳『チョコレート工場の秘密 (ロアルド・ダールコレクション 2)』)を読む。子どもの夢が詰まったお話は、時代を越えて今夏2度目の映画になった。 主人公チャーリー・バケットは、両親と4人の…

「Charlie and the Chocolate Factory」鑑賞ノート

ちょうど3週間ほど前、主人も子どもの頃楽しんだという昔の「Willy Wonka and the Chocolate Factory」(1971年)のビデオを見て、うちはチョコレートづいていた。これでジョニー・デップのウィリー・ウォンカも楽しめそうなムードになる。初公開の週末を避…

四季の絵本手帖『カポックの木―南米アマゾン・熱帯雨林のお話』

夏の27ページ カポックの木―南米アマゾン・熱帯雨林のお話 カポックの木―南米アマゾン・熱帯雨林のお話作者: リンチェリー,Lynne Cherry,みらいなな出版社/メーカー: 童話屋発売日: 1996/12メディア: 大型本 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る…

四季の絵本手帖『むぎばたけ』

夏の26ページ むぎばたけ (日本傑作絵本シリーズ) 青々と茂る自然をたたえるお話は、芳しい夏の夕べ、月の光に照らされる原っぱを舞台に幕が落とされます。月夜の散歩に繰り出す主人公はハリネズミで、途中、ノウサギのジャックじいさん、カワネズミが加わり…

センダック最新作の背景

新作『Bears』出版に際し、センダックとクラウス合作に至るいきさつが新聞*1に紹介されていた。両者の出会いは、センダックがまだ絵本について何も知らなかった50年前にさかのぼる。 当時20歳のセンダックは、米大手玩具店FAOシュワルツのショーウィンドウ飾…

大人だったら、さらに味わえる絵本#2 センダック・ファンに

巨匠の最新作『Bears』が出た。わずか27語で表されるナンセンスな言葉遊びはルース・クラウス*1作。この詩自体は1948年、フィリス・ローワンドのペン画によるイラストですでに発表されているものだ。「bears」と韻を踏む詩をセンダック流に解釈するとどうな…