2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

おちゃめな姉妹のバレンタイン・ストーリー

バレンタインにかわいい絵本に出会った。ドローレス・シリーズ6冊目の『Happy Valentine's Day, Dolores』である。 大好きなフェイおねえちゃんの部屋に忍び込み、遊びたいドローレス。入っちゃだめ!と言われているにもかかわらず、そうっと部屋をのぞくと…

帽子の中に広がる空間

以前から読んでみたいと思っていた『Milo's Hat Trick』を息子と読んだ。 ミロは落ちぶれた手品師。何をやっても失敗ばかりだった。劇場支配人のポポビッチ氏は、翌晩のショーで帽子からウサギを出せなかったら首だ!とがなり立てる。しょんぼり森にウサギを…

オーストラリアの光と風

おすすめになっていたので、娘と『Lizzie Nonsense (Bccb Blue Ribbon Picture Book Awards (Awards))』を読んだ。オーストラリアの開拓一家を描く絵本。水彩が美しく、南半球に広がる大地の光と風がそのまま渡ってくるようだった。生活は厳しいけれど、そこ…

にんじんのたね

娘が紙でにんじんを作り、パペットショーをしてくれた。その後に『The Carrot Seed Board Book』を読もうとすると、「自分で読む」ということで彼女が読み語ることに。 なんど読んでも笑える、おもしろい古典絵本。コミカルな間が生きていて、帰結がわかって…

スキーをはいたねこのヘンリー

寒中休みも、おしまい。スキーから帰ってきたばかりだったので、ここぞとばかりに子どもたちと『スキーをはいたねこのヘンリー』を読む。 シャム猫のヘンリーはちょっと変わっている。ハエを追っかけたのがきっかけで、後ろ足で立つことを覚えてしまったのだ…

くまのプーさん プー横丁にたった家

『ぼくとくまさん』のあとがきに、くまのプーさんのことが言及されていた。心が舞い上がる。出会ったのは小学5年生と遅かったけれど、『クマのプーさん プー横丁にたった家』はわたしにとり魔法の力を持つ1冊だ。クリストファー・ロビンとぬいぐるみ仲間が…

ぼくとくまさん

シュルヴィッツのデビュー作『ぼくとくまさん』を娘と読む。彼女はクラスで原書『The Moon in My Room』を読んだそうで、くまさんがどこに隠れているのかそうっと教えてくれた。 絵本に使用される色は、赤、緑、黒の3色のみ。でも、余白が生かされ着色がほ…

おどけた動物abc絵本

abc

新刊棚にローベルの最新刊『Animal Antics: A to Z』があったので読んでみた。彼女のabc絵本って、数えてみれば何冊目だろう。『ABCのおかいもの』(『On Market Street』)、『アリスンの百日草』(『Alison's Zinnia』)、『ABC旅の絵本』(『Away from Ho…

かわいいワンちゃんたちのabc

お兄ちゃんが喜びそう、と娘が息子に選んだ絵本が『Dog from Arf! Arf! to Zzzzzz Board Book, The』。魚眼レンズで撮ったというユニークな犬たちのポートフォリオはよく見かけていたが、日本発とは知らなかった。 この絵本にもかわいいワンちゃんが26匹ご登…

せかいでいちばんつよい国

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『せかいでいちばんつよい国』は、ずっと気になっていた絵本。『ぞうのエルマー〈1〉ぞうのエルマー (ぞうのエルマー (1))』シリーズの作者だし、邦訳タイトルが原書『The Conquerors』にはないインパクトを生み出していて興味をそそられた。 「むかし、大き…

はみだしっ子の羊

なんだか「絵」ばかりで選んでいるけれど、『Santa's Littlest Helper』で好きになったウィルソン*1の『Brave Charlotte (New York Times Best Illustrated Children's Books (Awards))』を読む。 子羊のシャーロットは、小さな頃から他の羊たちと違っていた…

赤ちゃんにはかなわない

『Granite Baby』は、The Granite State(花崗岩の州)の愛称を持つニューハンプシャー州を舞台に繰り広げられるほら吹き話。ホークスの絵が好きなので読んでみた。 ニューハンプシャー州に花崗岩の岩盤が見つかったその昔、巨人の5姉妹が採石場を開いた。…

一家に一冊、一クラスに一冊

『Mice, Morals, & Monkey Business』は、主人の誕生日に贈ろうかなと思いをめぐらせた絵本。別の作品にもう決めたのだが、これも捨てがたかった。 見事な木版画と美しい布装丁の絵本版イソップ物語は、一家に一冊、あるいは一クラスに一冊置いておきたい類…

ポテト・スープが大好きな猫

『ポテト・スープが大好きな猫』のページを開き、テキサスが舞台と知りうれしくなる。なぜなら、主人はテキサス州ダラス出身。親戚一同みなダラス-フォートワース-アーリントン周辺在住なので、作品から伝わる空気に親しみが湧いた。義理の伯父など動物に囲…

3匹のくまのクリスマス

英語クリスマス絵本のレビューが、かなり残っている。春がこないうちに記しておこう。 『The Three Bears' Christmas』は、3匹のくまクリスマス版。ゴールディロックスのかわりに誰がやってくるのか、すぐわかってもそれなりに楽しめる。ただ残念なのは、イ…

くまくんおきて!

金曜日のブック・ギビングで娘が春の絵本を探していた。最初に冬の絵本『Stella, Queen of the Snow (Stella Series)』(邦訳『ゆきのひのステラ』)を手にとり、「春の絵本がいいなあ」とつぶやきながら別の本を手にする。結局、家に持ってきたのはハトさん…

あかがいちばん

『あかがいちばん』――。こんなにも心に染み入る絵本に出会えるとは。娘と一読して、しばらくうっとりしていた。『Red Is Best』はカナダのロングセラー絵本ということだけど、図書館でも学校でも書店でも目にしたことがなかった。米国で流通していないのだろ…

絵本ことのは手帖

自分ならこうしたいという箇所を書き出してみた。 助詞の省略:「なにもかもに まほうが かかったみたい」「なにもかもが まほうに かかったみたい」――。1行目から「に」が続くので、省略したのかな。 擬態語リズムの統一:「さく さく さく」と合わせて「…

ふゆのまほうつかい

クロッカスがやわらかい紫の姿を見せたかと思ったら、思わぬ寒波におそわれ突然冬に逆戻り。でも、来週は寒中休みでスキーに行くし、まだ気分は半分以上冬に包まれているというところかな。それなら……と、届いたばかりの『ふゆのまほうつかい (世界の絵本コ…

歯の妖精って、ほんとうにいるの?

最近、歯がぐらぐらし始めて、歯のこととなると夢中に話してくれる娘。「トゥース・フェアリー」ってほんとうにいるの?――と尋ねられたので、『Tooth Fairy (Child's Play Library)』を読む。息子が大好きだった絵本は、タイトルからすでに彼女をとりこにし…

千一夜物語子ども版とソマリアの少年

『Mouse Soup (I Can Read Level 2)』(邦訳『おはなしばんざい (ミセスこどもの本)』)は、イタチに捕まりスープにさせられそうになるねずみが一計を案じて語るお話集。「お話をスープに入れるとおいしくなるよ」と4つのお話を語り始める。 かえるくんとが…

小さな恋の物語

『イザベルと天使』は、バレンタインにぴったりの絵本。英語版に一目ぼれをして購入した後、邦訳もあることを知り飛びついた。女の子の恋心を描いたちょっぴり切ないお話は、子どもに読むというよりは密かにひとりで楽しみたい種類の絵本かな。恋の舞台は美…

悪戦苦闘パパの語ったお話は……

タイトル『Once Upon a Time, the End (Asleep in 60 Seconds)』を目にしたとき、思わず子どもたちの笑顔が浮かんだ。このフレーズ、息子、娘のお気に入りなのだ。娘は今でもおはこのジョークとして得意げに唱えてくれる。こうして興味を持った絵本の内容が…

めぐる自然

雨続きの暖冬だったからか、例年に比べて1か月も早くクロッカスが薄紫色の姿を見せた。2月初旬から咲き始めるのは珍しく、うれしい贈り物をいただいた気分。鳥の声も心なしか澄んで聞こえるようになり、春の訪れがにわかに感じられる。なんだか心が弾み、…

本当にあったお話

『Hot Air: The (Mostly) True Story of the First Hot-Air Balloon Ride (Caldecott Honor Book)』は、しゃれたノンフィクション絵本。1783年9月19日ベルサイユ宮殿――ルイ16世、マリーアントワネット王妃ら宮廷人を含めた大観衆が見守る中、モンゴルフィエ…

愛がいっぱい、うさぎさん親子

子どもって、こういう絵本が大好き。うさぎのお母さんがうさぎのぼうやに「チュッ」とキスをする絵本『I Will Kiss You: Lots & Lots & Lots』は、毎夜のリクエストが保証されている絵本だ。コミックのような表紙だけど、ページを開くとこれがなかなかおとぼ…

バレンタイン花びらキャンディーポップ

2つ折りハートを切り抜けず、準備した紙が足りなくなった。赤、ピンク、オレンジに人気あり。紫も、先生のお気に入りの色なのでよかった。予想外に難しかった模様。先生には「チャレンジするアートもいいものよ」と慰められる。1人3本は避けるべきだった…

動物たちの気持ち

昨日読んだ絵本『Animals Should Definitely Not Wear Clothing』(邦訳『どうぶつにふくをきせてはいけません』)*1の続きで、シリーズ第2弾となる『Animals Should Definitely Not Act Like People』を読む。人間のような生活を送るとこんなことになっち…

動物と洋服の関係

最近邦訳が出たし、3日前手帖に書き込んだ*1のでバレットの『Animals Should Definitely Not Wear Clothing』(邦訳『どうぶつにふくをきせてはいけません』)を読む。動物が洋服を着ると、こんな風になってしまいますよとユーモアたっぷりに教えてくれる絵…

今季1番のクリスマス絵本

今季新しく出会ったクリスマス絵本の中で1番心引かれた絵本が『A Child's Christmas in Wales (New York Times Best Illustrated Children's Books (Awards))』。ディラン・トーマスの文章は『A Child's Christmas In Wales Illustrated Edition』(邦訳『…