2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

すごいジャズ絵本

表紙を見て気にかけていたけれど、実際に手にとって見て感嘆。『Jazz ABZ: An A to Z Collection of Jazz Portraits』は、画家ポール・ロジャーズの呼びかけで生まれたジャズのABC絵本*1、*2である。クラシック&ジャズ両分野にわたる国際的なトランペット奏…

ぶん ぶん ぶるるん

日本滞在中は、もちろん日本語の絵本ばかり。「ええー! イングリッシュ(の絵本のほう)がいい」という娘の反応は最近のお決まりなので、1学期の体験入学でそれがどう変わっていくか見守りたい。昨年ぐらいまでは、日英どちらでも構わないという感じだった…

みるなのくら

春らしい日が続いたかと思ったら、今朝は雪。磨りガラスの向こうで斜めに舞う雪片を目にし、唖然としてしまった。なんという寒い朝。春の縁側から一気に冬の小部屋に逆戻りだった。思い起こしたのは、この作品! こたつで丸くなりながら、娘、母といっしょに…

カングル・ワングルのぼうし

ヘレン・オクセンバリー初期の画風が楽しめる『カングル・ワングルのぼうし』を読んだ。あまり見かけない絵本なので、衣料品店内の書店で見つけたときは大感激。この本屋さん、駅前の大型書店よりもずっと品揃えがいい。親子連れの多い立地条件なので、必然…

いつかは きっと

うららかな春の1日、娘の成長祈願で善光寺大本願に赴く。七五三をこちらで祝えないことから、そのお祝いの意味もあった。わたし、娘、妹、姪、みんな母から着物を着付けてもらう。着物って、気持ちが落ち着いていいな。訪問着も帯も、辻が花を選んだ。幻想…

おねえさんになるひ

4歳下の姪っ子との生活が始まり、娘は突然姉妹のような状況に置かれることになった。今までは妹ということで息子が我慢する役目だったのが、今度は自分が我慢を学ばなければならない。これがなかなか難しくて、すんなり身につけられる技ではないようだ。そ…

おじいさんの小さな庭

わくわくの書店訪問。手にとり書棚の前で読みふける悦びは、3年ぶりになる。本当なら児童書専門店に足を運びたいのだけど、残念ながらそのような時間的余裕はない。というわけで、このあたりではちょっと歴史のある大型書店へ行ってみた。以前はもっと絵本…

いいな いいな イヌって いいな

ネコ続きで『いいないいなイヌっていいな (児童図書館・絵本の部屋)』を読む。表紙には、くるんとした青い瞳のネコが1匹。このオレンジ色のトラ猫は、イヌがうらやましくて仕方ない。「イヌって いいな。たのしいこと いっぱい」――。公園で遊んだり、遠吠え…

マーサのいぬまに

お気に入りのぬいぐるみ(マジェンタ・ピンクがキュートな犬のアフィー)を家に忘れてきた娘。この小さなマスコット人形がいっしょだったら、飛行機の中、どれだけ退屈せずに済んだだろう。ちゃんとかばんに入れておいたのに、出掛けに出して遊び、それきり…

愛を探して

飛行機の中で、ディカミロの最新作『The Miraculous Journey of Edward Tulane』(邦訳『愛をみつけたうさぎ―エドワード・テュレインの奇跡の旅』)を読んだ。熱い涙がぽろぽろ。持ち主が変わるたび、さまざまな愛情のあり方を体験してゆく陶製うさぎの人形…

中世に旅する

『The Travels of Benjamin of Tudela: Through Three Continents in the Twelfth Century』は、12世紀に実在した北スペイン、トゥデイラ在住のユダヤ人ベンジャミンの旅行記を絵本化した作品である。マルコ・ポーロが現れる1世紀前、ヨーロッパから聖地エ…

アースマザーの1日

息子のアフリカ・プロジェクトに合わせて『Earth Mother』を読んでいた。 アースマザーは、自然を司る母。彼女が大地を歩き、海で泳ぎ、山に登れば、自然の姿が眩しく輝き出す。そこに登場するのが、人間と蚊と蛙。三者はそれぞれ自分たちが暮らしやすいよう…

−30度Cでの休み時間

『Recess at 20 Below』は、アラスカ在住小学生たちの冬季の学校生活を紹介するノンフィクション写真絵本。同じ年代の子どもたちが朝、懐中電灯を持って登校する光景から娘はすでに魅せられた。 スキーに出かけるような防寒服を着ての休み時間は、お昼頃にあ…

悲しい本

息子が生まれ親になったばかりの頃、主人とよく確かめ合っていた。「子どもを失うことは最悪の事態。絶対に起きて欲しくない」――その悪夢を、1人の男が体験した。最愛の息子を失ったこと。この現実に直面し、彼は胸の痛みを包み隠さず言葉に表出した。『悲…

クマ クマ、クマがいっぱい!

1年生になってから娘の背丈が急に伸び、女の子から少女になった印象がある。あどけない表情はまだ残るけれど、もう幼い子どもでないことは確か。……一抹のさみしさがあったりして。何だか最近感じてしまうのである。子どもが成長したら、絵本と子どもとわた…

とべ、カエル、とべ!

本日は、娘の最後の授業日。9月までのお別れとして、昨晩焼いたチョコレートケーキ(彼女も手伝ってくれた)をクラスで振舞った。 読書の時間に教室を訪れると、娘が『Jump, Frog, Jump!』を読んでくれた。がまくんとかえるくんの影響なのか、合唱クラブで…

なにしてあそぶ?/ヒギンズさんととけい

『なにして あそぶ?』(原書『What Game Shall We Play?』)は、動物たちが「なにしてあそぶ?」と次々に尋ねて歩く、かくれんぼ絵本。ページの端に隠れている動物のヒントがあり、同時に繰り返し絵本でもあるから小さな子どもたちに向いている。隠れている…

英米絵本

最近、邦訳絵本はずっと英国圏(カナダ、オーストラリア、ニュージーランドを含む)の作品ばかり読んでいる。以前から同じ英語圏内の異文化比較に興味があったので、こうしたおかげで英米の違いがそれとなく実感できた気もする。 子どもの本は、社会経済的な…

チャボのオッカサン

心内にあれば色外にあらわる(大学)――。『チャボのオッカサン (評論社の児童図書館・絵本の部屋)』の表紙を見せたら、自分も子どもなのに「ええ〜、なんだか子どもっぽそう」という顔をした息子。ところがどっこい存外に楽しんだ絵本になる。ふっと引き込ま…

3Dアマゾン・ジャングル

3月最後のプロジェクトは、動物園で熱帯雨林について学習したことから、3Dでのジャングル作りになった。正方形のカードボードで立体を作るところまではよかったのに、その後、アマゾンを飾る1番楽しいところでつまずく。ティッシュ・ペーパーで背景を緑…

ふたりはいつも

上記と『Frog and Toad Together (I Can Read Book 2)』(邦訳『ふたりはいっしょ (ミセスこどもの本)』)は冬以来、娘の愛読書である。この5話(「よていひょう」「はやく めを だせ」「クッキー」「こわくないやい」「がまくんのゆめ」)でよく読むのは最…

ふたりはともだち

娘が毎日、『Frog and Toad Are Friends (I Can Read Book 2)』(邦訳『ふたりはともだち (ミセスこどもの本)』)を読んでくれる。読み始めた頃に比べると音読がだいぶ流暢になり、とても楽しそうだ。図書司書の先生指導による台本を読むお話サークルに入っ…

はたらきもののあひるどん

『はたらきもののあひるどん (児童図書館・絵本の部屋)』は、1羽のあひるどんを通して描く労働搾取の絵本である。 農夫ののらくらどんは、その名が語る怠け者。農場の仕事は何一つ手に付けず、していることといったら、ベッドに大きな図体を横たわらせ、新…

光をたたえる冬の詩 

季節外れの絵本レビュー、その4。 米国の冬は「光の祭典」として多様性をたたえる行事が多く紹介される季節でもある。子どもといっしょに親しんだ当地のチルドレンズ・ミュージアムでは毎年、インド・ディワリに始まり、メキシコ・ラス ポサダス、スウェー…

「きよしこのよる」が生まれた夜

季節外れのクリスマス絵本レビュー、その3。 聖歌「きよしこのよる」の由来を聞いたとき、これは心あたたまるお話だと感動した覚えがある。この冬、清らかな夜をたたえた物語を絵本『Silent Night, Holy Night』で味わい、心が洗われるようだった。史実を的…

The Elements of Style 視点を変えて眺めてみれば

昨秋の発行以来、主人の誕生プレゼント第一候補だった書籍『The Elements of Style Illustrated』は、学生・社会人必携の英語語法書『The Elements of Style, Fourth Edition』にイラストが添えられた異色のアートブックである。もちろん内容そのものは文法…

こっちにおいで デイジー!

『Come On, Daisy!』のデイジーは、息子が小さな頃からよく目にしていた。今『こっちにおいでデイジー! (評論社の児童図書館・絵本の部屋)』を読んでみて、長く親しまれる秘密の詰まった絵本だなと改めて納得した。身近な動物あひる、親子の姿、友だちとの戯…

北国の子どもたちに贈るクリスマス絵本

とっても遅ればせのレビューだが、書いておかないとどんどん遅れてしまうので。 『There Was No Snow on Christmas Eve』は、欧米思考の固定観念を取り除く当地向けの絵本。宗教は土着化されるのでクリスマスといえばホワイト・クリスマスといったイメージは…

芳しい夏の夕べをうたう

なんだか季節はずれなのだが、素敵な詩の絵本なので記しておく。『Summertime Waltz』は、芳しい夏の夕べをうたう詩の絵本である。夕といっても、こちら米国の夏は夜10時ぐらいまで明るいという事情。長いイブニングの楽しい集いは、草の匂いと笑い声に包ま…

レインフォレストの立体工作

娘のクラスのアート・プロジェクト。今週は動物園でレインフォレストの生態学習をしたこともあり、アマゾン熱帯雨林の立体工作にする。担任の先生と話し合い、さっそくサンプルを作ることになった。参考にした絵本は、もちろん『カポックの木―南米アマゾン・…