2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

The Longest Season カル・リプケンJrが振り返る88年オリオールズ開幕21連敗

今年の殿堂入り選手は、カル・リプケンJr(元オリオールズ)とトニー・グウィン(元パドレス)だ。2632試合連続出場のメジャー記録を持つ鉄人と、首位打者8回のナ・リーグタイ記録*1を持つ安打製造機には共通点が多い。共に選手生活を一球団で過ごし、2001年…

Out of the Ballpark アレックス・ロドリゲスの少年時代を描いた絵本

A・ロッドとケン・グリフィーJrの存在は、シアトル人にとって感慨深い。共にマリナーズ90年代後半の黄金期を支えたスーパースターで、オールラウンドプレイヤー。実績、人気、そして華やかさを合わせ持っていた。奇しくも弱小マリナーズがドラフト1巡目1位…

Fred Stays with Me! いつもフレッドといっしょ

絵本はたっぷり読んでいたのに、書いている時間がありませんでした。演奏会、発表会、オールスターゲーム……と子どもたちの行事続きで、気が付けば夏休みに突入して2回目の週末を迎えるところ。空いてしまった10日間はまた、つぶやきコーナーにでもしようか…

平和を語る絵本

◆をクリックすると、レビューに飛びます。書影がない場合、洋書絵本を載せています。 ◆せかいでいちばんつよい国作者: デビッドマッキー,David McKee,なかがわちひろ出版社/メーカー: 光村教育図書発売日: 2005/04/01メディア: 大型本 クリック: 10回この商…

娘のお気に入り読み物(低学年から中学年向き)

◆How to Save Your Tail*: *if you are a rat nabbed by cats who really like stories about magic spoons, wolves with snout-warts, big, hairy chimney trolls and cookies, too.作者: Mary Hanson出版社/メーカー: Schwartz & Wade発売日: 2007/04/10メ…

MIDSUMMER KNIGHT 真夏の夜の敵

『Boy, The Bear, The Baron, The Bard (New York Times Best Illustrated Books (Awards))』*1でテムズ川を下っていったベアが、『Midsummer Knight』では魔法の森に迷い込む。蜂の大群に追いかけられ逃げ惑ううちに、いつの間にか蜂のお城に入り込み……。 …

Who Likes Rain? 雨好きさんに

『Who Likes Rain?』に描かれるのは、アジア(というか、日本?)の雨。表紙の女の子からそんな印象を抱いてしまうのかもしれないけれど、そうでなくても絵本の中の雨は灰色で子どもの頃に抱いたイメージと重なっている。このあたり、雨の日も元気に外で遊ん…

A Sea-Wishing Day 海に出かけたいなあ

行水用プールで海に夢をはせて遊んでいるうちに、海賊やモンスターが現れた。『A Sea-Wishing Day』では、都会の片隅に住む男の子が広い大海原で大冒険を繰り替えす。 イラストの色重ねが魅力。登場キャラクターよりも、背景に描かれる海や波の「色」に魅せ…

Water Boy 水に魅せられた空想の旅

人間の体はほとんどが「水」でできている。学校でそう習った男の子は、「水」に対してさまざまな想像を働かせた。「雨の中だと、いっしょに水になって流れていっちゃうのかな」「雪だるまといっしょに凍っちゃうのかな」「猫にひっかかれたら、そこから水が…

Ginger and Petunia 華麗なる社交界にデビューした ブタのペチュニア

「装いは個性」を信条とするピアノの大家ジンジャーは、ブタのペチュニアを寵愛している。ある日、ロンドンで開かれる国際ピアニスト会議に招待され、喜び勇んで出かけて行った。ところが、頼んだはずのお手伝いさんはキャンセルされ、なんとペチュニア一匹…

「感情労働」時代の過酷……雑感

id:p_shirokumaさんの記事『感情をこき使って摩耗する現代人(感情炭坑労働・情報公害、とでも喩えたくなるような) - シロクマの屑籠』経由で、『http://www.asahi.com/job/special/TKY200706050068.html』を読んで。以下の記述に、トンネルを抜ける糸口が少…

How to Save Your Tail ねずみとねこの千一夜物語

昨日読み始め、今日読了したという『How to Save Your Tail*: *if you are a rat nabbed by cats who really like stories about magic spoons, wolves with snout-warts, big, hairy chimney trolls and cookies, too.』を抱きかかえ、「ママ、このお話もう…

Nancy Drew and the Clue Crew 娘が夢中「ナンシー・ドゥルー ミステリー・シリーズ」

1930年に生まれたナンシー・ドゥルーのミステリー・シリーズは、米国を代表するティーン向けミステリー・シリーズ。歴代に渡りゴーストライターが変わり、今までに200話近く執筆されている長寿シリーズでもある。映画*1やテレビシリーズになったから、観て比…

Ain't Nobody a Stranger to Me おじいちゃんの生きた時代

りんご果樹園に甘い香りが漂う中、おじいちゃんは孫娘に自分の体験を伝える。北部の自由州へと脱出を試み、途中名も知らないクエーカー教徒に助けられ、希望の地で自分だけの農園を持つ夢を実現させた話を。奴隷だったオーリンズ・フィンガーからの聞き取り…

Bad Dog, Marley! いたずらマーリー

子犬の頃はかわいかったのに、大きくなったら困ったことばかりしてしまう犬のマーリー。『Bad Dog, Marley!』は、愛犬家にはたまらない一冊では。イラストが説明的でビジュアルアートを堪能する絵本ではないのだけれど、マーリーの巻き起こす事件に共感が湧…

Because…… それはね……

憧れのバリシニコフと大好きなラドンスキーのコラボ絵本『Because . . .』を読んだ。アーティスト魂を揺さぶる一冊である。 主人公は、僕のおばあちゃん。ジャンプしたり、タップしたり、くるりと回ったかと思えば、ブレークダンスして、走って、スウィング…

The Story of Coffee コーヒーのお話

バイオリンの帰り、息子といっしょにスターバックスに立ち寄った。とてもいいレッスンだったので、ちょっと奮発。彼はマリオンベリー・マフィン、エッグ・ソーセージ・マフィンにデカフ・モカ、わたしはオレンジ・モカを頼んだ。もともとお茶党なのだけど、…

On Meadowview Street メドービュー・ストリートのおうち

一見、表紙から『On Meadowview Street』のよさはわからないだろうなあ……というのが第一印象。米国の画一的な宅地開発にさらりと触れて、小さな庭作りから広がった生態系を賛歌する秀作絵本だった。 新しい家に引っ越してきたキャロラインは、住所が「メドー…

I'd Really Like to Eat a Child はらぺこワニぼうや

毎日、朝食にバナナを食べているワニぼうやが突然、「きょうは、にんげんのこどもがたべたい!」と言い出した。ソーセージやチョコレートケーキを目の前に並べ、「それだけはやめようね」と言わんばかりにワニパパとワニママは必死になって引きとめようとす…

The Cheese チーズいただき大作戦

『The Cheese』は、ねずみとチーズの宿命が、童謡"The Farmer in the Dell"を伏線に語られるお話。歌の最後に出てくる"The cheese stands alone"という下りが、このお話では「絶対的なおきて」として存在していて、美味しそうなチェダーチーズが、なぜ野原の…

Winter Song ふゆのうた

『Winter Song』は、シェイクスピアのラブコメディー"Love's Labor's Lost"(「恋の骨折り損」)からの詩一編を絵本にした作品。エリザベス朝時代、人々がどんな風に冬を過ごしていたのかが情景豊かに伝わってくる。氷砂糖を溶かしたかのようなパステルとコ…

A Porc in New York モー、ブー、コッコ、メー ここはニューヨーク

『A Porc in New York』は、『A Spree in Paree』の第二弾。モンマトンおじさんの動物たちが、ニューヨークを訪れる。 畜舎から聞こえる怪しげな鳴き声は、動物たちが英会話を練習している声。パリでのお買い物に飽き足らず、今度はニューヨークに出かけよう…

「仕方ない」を知っている子育て

子育ての責任が母親へのしわ寄せになる記事「談合社会の崩壊の中で「お母さん」たちが担っているもの - アンカテ」を読んでの雑感。自分のまわりでは起きていない現象だと思いながら読んだ。というのは、ここは「子どもは父さん、母さん、家族みんなで育てる…

With You Always, Little Monday こうさぎの母さんさがし

『With You Always, Little Monday』も「月」がテーマの絵本です。透明感のある水彩とやさしい描線に魅了され、手に取りました。 いずれの文化でも「月曜日=Monday, Montag, Lundi, Lunes, Lunedi, Maandag……」は月に由来します。作者はそんな事実に興味を…

Catching the Moon お月さまとお茶を

夜な夜な桟橋に出かけては、釣りをしているおばあさん。チーズ好きのねずみに力を借りて、月を釣ろうとしていました。何しろ月のまろやかさは、しっとりチーズにそっくりですから。そんなおばあさんを見て、ある新月の夜、月がおばあさんを訪ねました。そう…