2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Pictures from Our Vacation うちの夏休みに似ている

『Pictures from Our Vacation』に描かれる夏休みの光景は、うちのと似ているので親近感を抱く。つまり「家族を訪ね、自然を満喫する」系のバケーション。といっても大陸横断が必要なほど遠方に家族はなく、テキサス州を除けば皆ワシントン州内に住んでいる…

Donkey Donkey ロバの耳は長いのです

自分の長い耳が気になってしかたのないロバのドンキー・ドンキー。犬のヘクター、羊のファジー・ファジー、ブタのローザから「耳を下にたらしたら?」「横に伸ばせばいい」「前に寄せて日よけや雨よけにしてごらん」と、それぞれアドバイスを受けましたが、…

Lucky Jake ゴールドラッシュ時代の生活がしのばれる絵本

『Lucky Jake』には、カリフォルニア州の金鉱に暮らした父子の生活が描かれます。金塊を売ったお金で手に入れたこぶたをきっかけに、日々の暮らしが少しずつ好転していくのですが、この様子が「こりゃあ、ついてたな」のかけ声に象徴されながら語られていき…

Cowlick! ペロ〜ン!

『Cowlick! (Deluxe Golden Book)』のような絵本は、経験から生まれたものでしょう。そう思わずにはいられない、母親のあたたかいまなざしが感じられた一冊でした。 坊やたちが寝静まった頃、そうっと部屋にやってきたのは農場のメス乳牛。優しい目をした、…

Nini Here and There ねこのニニ

『Nini Here And There』に出てくる猫のニニは、うちのデュークにそっくり。たぶんデュークのほうが大きいと思うけれど、ぶすっとした仏頂面がタビ猫そのもので愛着を感じてしまった。 タビ猫って、ここでは「旅猫」とも表せるかも。絵本では、休暇に連れて…

The Legend of Lao Tzu and the Tao Te Ching 老子の教えを伝える絵本

道教の祖、老子を語る『The Legend of Lao Tzu and the Tao Te Ching』を息子と読んだ。伝記というよりタイトルどおり、まさに伝説という感じ。81年間胎児として母体に宿されていたので、紀元前604年9月14日、生まれたときにすでに白髪で歩けたというのだか…

A Father Like That そういうお父さんがいいな

『A Father Like That』は、父親を知らない少年が「もし父さんがいたら……」と父親像を思い描く絵本。ゲームをしたり、本をいっしょに読んだりと、憧れの日常を母親につぶやくのだった。 昨年度、主人の担任したクラスは半数以上がシングルファミリーで、父親…

Today at the Blue-Bird Cafe: A Branchful of Birds 本日のブルーバードカフェは……

『Today at the Bluebird Cafe』は、夏に読むのが最高の、鳥たちを主人公にした詩の絵本。タイトルを聴いただけで、すでににぎやかなさえずりが流れてきそう。本当に今の季節にお似合いだ。 登場するのは、「ブルーバード、アビ、カージナル、ワシ、キツツキ…

Penguin おしゃべりしないよペンギンくん

再び英国の絵本。『Dog Blue』(邦訳『あお』)*1や『Down the Back of the Chair』(邦訳『みーんないすのすきまから』)*2など前作でファンになったので、『Penguin』(邦訳『ペンギンさん』)にも注目。 ベンがもらったペンギンくん。「こんにちは」と話…

Cock-a-doodle-hooooooo! コッケホーホー!

『Cock-a-doodle-hooooooo!』は、農場のニワトリ小屋に迷い込んでしまったフクロウのお話。ニワトリたちは「コケコッコー」と鳴くオンドリを必要としていたので、フクロウにオンドリの役を担ってもらおうと訓練を始める。でも所詮フクロウはフクロウ。オンド…

and the train goes… のどかで華麗な汽車の旅

スタイルのある絵本っていいなあ――。『And The Train Goes...』(邦訳『さてさてきしゃははしります…』)を初めて読んだとき、そんな風に感じた。赤と緑が基調のペン画と、旅先で聞くさまざま音が、時代を超えて魅了する。今までに出会ったのことのない不思…

The OK Book 自然体のスタンスがいいよ

『The OK Book』に出てくるOKちゃんは、どこにでもいる子どもを象徴している。「O」が顔で、「K」が体。「OK」の形を90度右に回転させるとしっかり地に足をつけた人間になり、絵本の中で子どもの日常を示しているのだった。ペンでシンプルに描かれるOKちゃん…

A Day at the Market パイク・プレイス・マーケットの一日を描く絵本

『A Day at the Market』(作者サイトSara Anderson — Home)は本屋さんで見かけた一冊。今年100周年を迎えるパイク・プレイス・マーケットを紹介するため、目立つところに誇らしげに置かれていた。 ボードブックで韻を踏み、切り抜きの仕掛けがあるという仕…

Larry Gets Lost in Seattle シアトルの観光名所を訪ねる絵本

ニューヨークやサンフランシスコなど米主要都市を紹介する絵本はあるのに、地方都市に分類されるシアトルって絵本がない……。なんて思っていたら、ちゃんと地元作家が地元出版社から出していた。その名も『Larry Gets Lost in Seattle』(作者サイトLarry Get…

Every Year On Your Birthday 中国からやってきた女の子のお誕生日

お誕生日は特別な日。毎年子どものバースデーを迎えるたび、子どもたちがこの世に「やってきた」瞬間の喜びを思い出す。『Every Year on Your Birthday』は、中国から赤ちゃんを迎えた作者の体験とわが子に寄せる想いを歌った珠玉の絵本である。人種の異なる…

The Jolly Postman ゆかいなゆうびんやさん

ついに娘8歳のお誕生日を迎え、ずっとクロゼットの中にしまっておいた『The Jolly Postman』を贈りました。20周年記念レターセット付きの特別版です。今後、この絵本がお部屋で過ごすささやかなひとときをあたたかく見守ってくれますように。ほかにはマドレ…

しずかでにぎやかなほん "The Quiet Noisy Book"   「はてなダイアラー絵本百選」

小犬のマフィンが目を覚まし、耳にした静かな音って何だろう。アリが這う音? 蜂がびっくりしてる音? ゾウが階段をつま先立ちで下りてくる音? いやいや、どれも違う。じゃあ、この音は何? ちょっぴり謎めいた問いかけは、子どもの好奇心を続けざまに揺り…

Hickory Dickory Dock いっちく、たっちく、おうやおや

英国の童謡マザーグースの中でも息子がお気に入りだった、"Hickory dickory Dock"。これを地元絵本作家キース・ベイカーが可愛らしいおやすみ絵本に仕立てたのが『Hickory Dickory Dock』だ。オリジナルのねずみさんの歌を夜中の12時まで膨らませ、動物たち…

The 108th Sheep がんばれ ひつじくん108番

エマは寝付けず、困っていた。ホットミルクを飲んでも、本を読んでみても、なかなか眠くなってこない。それならとオーソドックスに羊を数えてみた。数を唱えるたび、ふわ〜んとエマの頭上を飛び越えていく羊たちだったけれど、あらあら107匹まで数えたところ…

Ready, Set, Skip! スキップできたよ!

『Ready, Set, Skip!』に描かれるのは、スキップができなくてしょんぼりしている女の子と、彼女をあたたかく見守り励ますお母さんです。口笛も上手に吹けるしローラースケートだって得意なのに、どうしてスキップができないのかな。女の子は沈みがち。年頃は…

Just Grace そのままグレース

娘のおすすめ『Just Grace (The Just Grace Series)』をご紹介*1。10代に突入する前の女の子たちって、キラキラしていて、とってもかわいいなと常々思っていました。そこに娘が太鼓判を押すこの一冊。女の子の無邪気で素直なキャラクターが、日々のできごと…

A Perfect Day こんなにいい日はないよ

レミー・シャーリップの最新作『A Perfect Day』がすてきです。紙の質感と水彩のやわらかい色合いが父子の何気ない一日を伝える絵本で、日々開いては陽だまりのようなぬくもりを確かめています。絵本には「何気ない」が必要条件として求められますが、そこが…

How to Bake an American Pie 米国の理想を詰め込んだ絵本

『How to Bake an American Pie』は、米国建国の理想をパイ作りに込めた絵本です。いちごとブルーベリーを盛り付け星条旗をあしらったパイは米国7月4日の風物詩ですが、絵本の中で猫ちゃんと犬くんの焼くパイはこういった普通のパイではありません。北米の…

Mrs. Spitzer's Garden さあ、園芸の季節だよ!

どこかでおすすめになっていたので、『Mrs. Spitzer's Garden: [Gift Edition]』を読みました。(偶然にも先日読んだ『Fred Stays With Me!』*1と同じ画家です。)夏休みを迎え、庭仕事にいそしむスピッツァー先生の姿が描かれます。ただそれだけですが、気…

A Seed is Sleepy たまごの次はタネの絵本

『An Egg Is Quiet』*1(邦訳『たまごのはなし―かしこくておしゃれでふしぎな、ちいさないのち』)に続く第2弾が『A Seed Is Sleepy』。繊細でエレガント、静謐なイメージのあった前者に比べ、後者は雄大な自然の小さな秘密を豊かに大胆に描くといった印象が…

The Story of Giraffe 恋人をさがしたキリンくんの話

探しものは何ですか、見つけにくいものですか――。絵本『The Story of Giraffe』で、キリンが探していたのは女の子のキリン。自分と同じように首が長く、模様をつけている女の子のキリン。 キリンくん、おおみずにおそわれる前に 女の子のキリンをさがし出し…