2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ピップは画家、チュウチュウは音楽家。それぞれ芸術家としてのエゴに押しつぶされて、「自分のほうが、すごいんだ!」と自慢し合い、けんかばかりしていました。年に一度開くパーティでも2匹は自分のやりたいように飾り付けて料理の準備するので、大広間の左…
『Gizmo』には、永久に動き続ける仕掛け作りに奮闘するルドウィグ・ヴォン・グリンク博士一家の姿が描かれます。歯車、てこ、滑車、分子模型になぜか試験管、ビーカー……、物理嫌いのわたしでも小さな頃にこういう絵本に出会っていたら、少なくとも機械仕掛け…
引っ越しや、親友が引っ越してしまったという経験がなかったからか、哀しいかな、『Half a World Away』を読んでも他人の感傷ごととしか思えない自分がいました。エイミーが都会に引っ越してしまい寂しい思いをするルイス。どうしたら彼の気持ちが実感できる…
英国の童謡、マザーグースには、子どもたちが小さな頃からお世話になってきました。中でもハンプティ・ダンプティの歌はお気に入りです。卵の形と運命からわたしなりの「たまごキャラクター」が出来上がっていて、「たまご」が主人公になる絵本にはいつにも…
『The Three Swingin' Pigs』は、いかにも米国らしくジャズ音楽を背景にした3匹のこぶた物語です。サックスのサッチ、ベースのモー、そしてボーカルのエラ、3匹トリオが繰り出すスウィングジャズは、一世を風靡していました。そこにやってきたのが、嫌われ者…
おとぎ話の悪役おおかみは、不朽のキャラクターとして存在します。『The Scallywags』は、そんなおおかみの個性をもとにマナーについておもしろおかしく描く絵本です。ときに野蛮な海賊を示す言葉でもある"scallywags"(=やくざ者)というタイトルからして…
『Me and My Dad!』は、こぐまちゃんとくまのお父さんを描く絵本。冒険に満ちたパパとの一日が厚塗りのアクリル画で活写され、パパといっしょに遊びたい日にはもってこいの内容です。朝、起こしてもらうところから始まって、散歩に出かけて、追いかけっこし…
『Piglet and Papa』は、父の日あたりに書いておけばよかったなあと思った絵本。『Piglet and Mama』(邦訳『だいすき、ママ! (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)』)に続く作品です。前作には、ママといっしょでしあわせいっぱいのこぶたちゃんが描…
世界的に有名になったかばのオーウェンとかめのムゼイ。彼らの物語を美しいイラストで描いた絵本が『Mama for Owen (Rise and Shine)』です。ドキュメンタリーと違い、人間はまったく登場しません。純粋にオーウェンがムゼイを母親として慕う、哺乳類、爬虫…
かばの赤ちゃんオーウェンと130歳のかめムゼイ――。親子、あるいは親友同士のような彼らの仲良しぶりは『Owen & Mzee : the True Story of a Remarkable Friendship (Owen and Mzee)』で紹介されました。『Owen & Mzee: The Language of Friendship (Owen and…
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「Here, kitty-kitty-kitty!」という声かけは、猫を呼び寄せるときのお決まり表現です。のっけから飼い主の奥さんにこう呼ばれ、迷惑そうな顔をしているのが『The Secret Life of Walter Kitty』の主人公、トラ猫ウォルター。いたずら盛りで叱られてばかりな…
一人っ子のセシリアが猫を飼い始めます。その名も「ゴリラ」。グレイの太っちょ猫は、人懐っこくて、ちょっぴり嫉妬屋さん。初めてやってきたその日から、ゴリラはセシリアにとって、なくてはならない存在になりました。 『When Gorilla Goes Walking』は、…
『My Life as a Chicken』のような山あり谷ありの人生ものに、「詩」という芸術媒体はしっくりときます。ベストセラー・リストにランク入りしそうな大人向けのタイトルもお似合いで、絵本ではあるのですが、人生を知り尽くした年代層受けしそうなスタイルの…
娘が好きそうなお話だったので『The Moon Might Be Milk』を勧めたところ、「これ、だ〜いすきい!」と絵本を抱きしめて飛び跳ねてきました。「ママ、ムーン・クッキー焼かなくちゃね!」――。 まろやかな光を放つ満月を見て、女の子がネコに問いました。「お…
『Millie Waits for the Mail』の主人公、牛のミリーは郵便屋さんが待ち遠しくてしかたありません。手紙が待ち遠しいのかと思ったら大はずれ。郵便屋さんを脅かし追いかけることが、待ち遠しい理由と言います。毎朝ミルクをしぼってもらいながら、今日はどこ…
牧場の動物たちが、うれしそうに飛び跳ねています。それはめんどり母さんが「いそいで!…」とみんなに知らせを告げているからです。ヤギが「いま、いくよ!…」と走り出し、あひるの親子が「いいかしら?…」「いこう!…」と小川を飛び出して、牛の親子が「は…
『Bad Kitty: Cat-nipped Edition』*1の続編が『Poor Puppy (Bad Kitty)』。今度は「行き」がABCを数字で絡め、「帰り」はさらにABCの頭韻で笑いを誘うという趣向だった。やっぱり前回と同様、笑っちゃう。 黒ネコちゃんと遊びたいのに遊んでもらえないワン…
眠れない夜、甘い夜風に誘われて女の子は屋上に向かった。枕とブランケットを運び出し、まろやかな月光に包まれて椅子のベッドに寝そべれば、世界は安らぎに満ちていた。古いレンガ作りのその建物は、対岸に摩天楼を臨む港の一角にある。おかあさんといっし…
夏の終りに子どもたちといっしょに読んだ詩の絵本『Comets, Stars, the Moon, and Mars: Space Poems and Paintings』は、宇宙がテーマです。学校で習ったことがこんな風にイメージ豊かな詩になるとは、きっと彼らは想像しなかったことでしょう。最近除外さ…
今年の真夏日はいつだったっけ。さわやかなシアトルの夏に慣れてしまうと、『Heat Wave』で描かれるような猛暑がちょっと恋しくなったりする。うだる暑さを克服しようと、ぬれたハンカチを首に巻いたり、氷を片時も離さなかったり、夏ってこうやって過ごすも…
『Polo: The Runaway Book (Adventures of Polo)』は、盗まれてしまった大好きな本を取り戻そうとポロが冒険を繰り広げるお話です。いつになく、場面から場面への移行が独創的と感じてしまったのは、やっぱりイマジネーションを養う「本」がテーマだったから…
「ケイト&ココア」は、文章をひとりで読み始める子どもたちにぴったりのシリーズ。その最新刊が『Cowgirl Kate and Cocoa: School Days』です。秋の新学期が始まりケイトが遊んでくれず、淋しい思いをする馬のココア。でも、もちろんケイトはココアのことを…
祖父母宅の屋根裏部屋で見つけた、何千もの足型。新聞紙や便箋から切り抜かれた型には、色あせたインクで名前などが記されている。いったい何のためにこれだけの足型が取られたのだろう。大小さまざまな足型が語る秘密を知った作者は、第二次大戦後、荒廃し…
『Puppies! Puppies! Puppies!』の続編『Kittens! Kittens! Kittens!』には、子猫の魅力が詰まっています。しかも歌を歌うように猫ちゃんたちの日常を語ってくれるので、子どもは絵本に釘付けなのでした。 イラストのちょこんとした目がなんとなく日本人イラ…
アンデルセンの『Tinderbox』を娘と読みました。「火口箱」というタイトルは、今まで聞いたことがありません。幻想的で不気味なイラストも合い重なり、まさに暗い森に足を踏み入れるような気持ちでページを開きました。 戦争からの帰路、ひとりの兵士が魔女…
『The Wicked Big Toddlah』は、赤ちゃんの無邪気さがたっぷり詰まった絵本です。1歳のお誕生日を迎えるまでの成長ぶりを、巨大な赤ちゃんトディの姿を通して描きます。 このジャイアント・ベイビーは、もちろん誇張描写。でも小さな存在がこれだけ大きくな…
子どもたちが巣立っていくとき、わたしの中ではこの歌がBGMとして流れているんだろうなあと感じた絵本です。ピーター、ポール&マリーの人気フォークソングをそのまま、今度はピーター&彼の娘さんが歌いCD付きの絵本にしたのが『Puff, the Magic Dragon』で…
『Sausages!』は、人間の浅はかさをユーモアで絡めた民話です。ストーリーラインは、岩波書店から出ている『みっつのねがいごと (岩波の子どもの本)』と同じでした。 小人を助けてあげた貧しいきこりは、お礼に3つの願いをかなえてあげようと言われます。家…
id:RONSAmさんが快くバトンを受け取ってくださいました。どうもありがとうございます! これで50番目のレビューとなり、絵本百選はいよいよ後半に突入です。