2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧
『Tip Tip Dig Dig』は一見、「男の子の好きそうな働く自動車の絵本」と理解したが、全然そうじゃなかった。心和むすてきなメッセージを伝えてくれる理由は、最後のページ。ここが、普通の自動車絵本と一線を画している。 ごみ山の一角を見て、働く自動車が…
子どもが成長すると幼児向けの絵本にはなかなか手が伸びなくなってしまうのだけれど、それにも拘らず『Maybe a Bear Ate It!』はすごくよかった。なぜだろう。お気に入りの本を無くしてしまい、ああだ、こうだと想像を巡らせるシマシマ小猫の姿に何かしら共…
『Do Unto Otters: A Book About Manners』はコミカルでカラフルなイラストとわかりやすい展開に魅せられて、娘が喜んで読んでいた絵本です。 ある日、森に引っ越してきたラッコ一家とうさぎが出会い、自他関係の「ゴールデン・ルール」について考え始めます…
『Hello, Bumblebee Bat』は、なかなか賢いノンフィクション絵本。「こんにちは、小さなこうもりさん。あなたのお名前は、なんていうの?」「わたしは、みつばちこうもり。ハチのように、小さいからね」――。こうしてこうもりと読者の一問一答がどんどん続い…
『Pink』というタイトルからルンルン、女の子の「夢見るピンク」を思い浮かべたけれど、絵本に描かれるピンクにまつわるお話は、現実を絡めたちょっとほろ苦い内容だった。それは表紙に見える主人公ヴィヴィの表情にも表れている。ピンク色の可愛い品々に囲…
ねこはコタツで丸くなる――と、ならないのが『A Kitten Tale』の猫たち。でも、4匹目の猫を除いて、みんな「雪はきらいだよね」と申し合わせていたのが、いざ雪が降ってみると話が変わってくる。4匹目の猫は、最初から雪を心待ちにしていた。 巡る四季の美し…
昨日と同じ画家の絵本。『1-2-3: A Child's First Counting Book』というタイトルから、赤ちゃん向けだろうからうちには向かないかな……と思っていたら、とんでもない! 誰もが子ども時代を振り返りたくなる、すてきな数の絵本だった。おとぎ話が好きな人に限…
耳を澄まして――で始まり、草むら、海辺、秋の森、収穫の畑、雪降る夜など、四季のさまざまな場面で聴こえてくる「音」を捉えた絵本が『Listen, Listen!』である。出版の目的が「アートと物語を称える」とあり、非常に興味をそそられた。イラストは確かに絵本…
うちでは水曜日を「クレイジーデー」と呼んでいる。娘が聖歌隊学校、息子がバイオリン。こういう日に、娘が晩祷で歌い、例えば今日のように息子の学校行事が入ると、もうテンヤワンヤ。友人にカープールを頼んだりするのだが、友人宅でも行事が重なっていた…
顕現節なので、『We Three Kings』の紹介もまだ間に合うかな。「われらは ひがしの〜」で始まる聖歌を絵本化した一冊は、とにかくイラストレーションが豪華。3人の賢者は各自、馬、らくだ、象に乗り、眩い星に導かれながらベツレヘムを目指す。 歌詞を見開き…
◆をクリックすると、レビューに飛びます。今年のバレンタイン絵本リストには、先日(1月4日)記した『フィアボ―おはなしのすきなまっかなさかな』*1が新しく仲間入りしています。 ◆ちっちゃくたっておっきな愛 (世界の絵本コレクション)作者: ジーンウイリス…
id:TinkerBellさん、id:staples54さん、id:YuzuPONさん:ハープ協奏曲へのコメント、どうもありがとうございました。ヘンデル*1にあやかって息子の音楽大好きが一生続いてくれたらいいな……と思います。 id:toughさん:科学フェアへのコメント、どうもありが…
シリーズ絵本で2冊クリスマス絵本が出るというのも特異なことなのではないか。『Toot & Puddle: Let It Snow』のページをめくり、これだけ続いていたらネタにも困るのでは……なんて感じていたが、それはとんでもなく余計なお世話だった。そんな心配はおかまい…
昨年の10月、娘のハロウィン・コスチューム*1を作ったことがきっかけで、「イエはてな」(id:ie-ha-te-naさん)に夢中になり始めました。(正確にはそれ以前の夏頃、庭の風景を短くコメントしたことからでしたが、本格的に楽しませていただくのは秋以降です…
『The Alphabet from A to Y With Bonus Letter Z!』は、頭韻法で冗談交じりの状況を笑い飛ばす、どちらかと言えば10代向きのABC絵本。たとえば、「B」なら―― Bad Baby Bubbleducks beat up his bed With bashed-up bananas and old moldy bread. という具合…
少年が空き缶とコルク、布切れで作ったおもちゃの船。ある日、浜辺で遊んでいたら波にさらわれてしまった。どんどん沖へと流されて、小船は大海で冒険を重ねることになる。大きな船、レースをするヨットの群れ……先々で出会う船にはみな表情があり、気取り屋…
『しんせつなともだち』『ゆきのひのおくりもの (パロル舎選「ペール・カストール」シリーズ)』で知られる中国の「ぐるぐる話」に、もう一冊『Rabbit's Gift』が加わりました。 うさぎ→ロバ→羊→……友だち思いの心優しい動物たちが、食べ物の少ない冬にカブを…
『Not a Box』(邦訳『はこははこ?』)*1から一年後、今度は棒を見立て遊びに使うブタさんの絵本が出ました。その名も『Not a Stick』。箱の素材感に「赤」を効かせた一冊目の雰囲気をそのままに、二冊目は棒=木の温もりと「青」を生かしています。 子ども…
最近家で読んだばかりの絵本*1を、昨日は学校で読む機会を与えられた。題名は『Kids』(原書『こども』)。 わたしを含め計4人の少人数で、輪になっての読書。最初の見開きを全員で読み、次に順番に2ページずつ輪読することにした。Tちゃん、Vちゃんは2年生…
来週月曜日のキング牧師記念日を前に、今週は同牧師の働きを再度確認する授業が多いようだ。友だちの誕生プレゼントを買いに本屋さんに出かけ、娘は自分用にとキング牧師のノンフィクション写真絵本を購入した。帰ってきてから真剣に読んでいるので、ならば…
タイトルに「少女向き」と書いた理由は、『The Nutcracker』の画風が一昔前の少女漫画のように見えたから。とても評判の高いくるみ割り人形の絵本だったので、ツヴェルガー*1やセンダックの作品を思い起こしながら手にして、確かに子ども向けとしては最高の…
『ひとすじに』は、日本から届いたクリスマスプレゼントの一冊。ピーターラビット・シリーズぐらいの、子どもの手に収まるサイズの詩集で、中には12編の詩が収められている。手紙の追伸にこうあった。 P.S. きれいで可愛いものみつけたので きれいで可愛いひ…
ねずみ年だからねずみの絵本を……と思い『ねずみとくじら (評論社の児童図書館・絵本の部屋)』(原書『Amos & Boris』)を選んだ。 独学で航海術を学び船を作ったねずみのエーモスは、憧れの大海原に出航した。「かじり号」で進む船の旅は、何もかもが夢のよ…
『N is for Navidad』は、12月16日に始まり1月6日に終る南米のNavidad(=クリスマス)を紹介するABC絵本。行事はマリアとヨセフに扮した2人を先頭にロウソクを灯して行進し、彼らがたどったベツレヘムへの旅路を再現するというもので、24日のクリスマス・イ…
こぶたって、なぜこんなに恋物語に似合っちゃうのかな。ふんわりやさしいピンク色が恋の色ってことなのか……なんて思いながら『Bloom: A Little Book About Finding Love』を読んだ。砂糖菓子をまぶしたように甘い、それはそれは可愛らしい小さな恋の物語。 …
クリスマス絵本といえば、降誕物語かリアル・ライフが舞台のお話がほとんどで、『ふたりはクリスマスで (ふたりはなかよしシリーズ)』(原書『Musgrove and Father Christmas』)に描かれるような「夢」がいっぱいの絵本にここのところ出会っていなかった。…
『B is for Bethlehem』は、このクリスマスの娘へのプレゼントだった。いつのクリスマスだっただろう。クレヴェンのクリスマス・カードを見つけて、その繊細でちまちまと書き込まれたり貼られたりしたコラージュに大感動したのだっけ。そのカードのイラスト…
『シーソー』という題名や帯の「哲学絵本」という響きから、「人間の生き方」とか「コミュニケーションのあり方」みたいな指南が書かれている絵本かなというイメージを持った。あながち間違いではなかったけれど、物語の過程で起こるそれぞれのエピソードに…
クリスマスの12日目 クリスマスのお祝いも今日で終わりです。お正月と合わせ、2日*1のできごとを除いて、ゆったりと心の和むよい休暇が過ごせました。そのクリスマス最後の日に、可愛らしい動物のアドベント・カレンダー絵本をご紹介します。毎年クリスマス…
クリスマスの11日目 お正月3日目。子どもたちが、小猫のギャビを予防接種に連れて行った際、金魚2匹とかたつむり1匹を買ってきた。よって夕の食卓にはお重の隣りに、我が家に仲間入りしたばかりの金魚とかたつむりの入った水槽が並ぶ。新しい環境で、何だか…