2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

1, 2, Buckle My Shoe アップリケで歌う童謡絵本

アップリケというと手縫いの印象がありますが、『1, 2, Buckle My Shoe』を飾るキルト・アップリケはミシン縫い。実はわたしもジグザグミシン使いが好きで、そんなところで共感した作品でした。 ミシン縫いのよさは、スピードとその後の耐久度です。目が詰っ…

Thumbelina: Tiny Runaway Bride おやゆびひめの横顔

『Thumbelina: Tiny Runaway Bride』は娘用と思ったのですが、自分のほうが夢中になっていました。まず本の表紙をご覧になってください。瑞々しい若草色を背景に、鮮やかな青緑色のシルエットと、白い手描きの文字が洒落ていると思いませんか。わたしの場合…

Market Day ちょっとした謎解き絵本

海の見渡せるリンゴの果樹園、浜から漁に向かう漁船の先に朝日が上ります。今日は市場の日。リンゴ農家のベンソン一家も露店を出すので、朝からみんな大忙しです。お話は主にマーケットでの準備の光景を描きますが、そこで何者かが悪意無く準備の邪魔をして…

初めての歯科検診におすすめの歯の絵本

リクエストをお受けして、初めての歯科検診前に読むといいかな……と思った英語絵本3冊をご紹介。この順番で読んでいただくと、さらに楽しめると思います。 Clarabella's Teeth わらって! ワニのクララベラ - 絵本手帖 明るいイラストでまず愉快な気持ちにさ…

The Pout-Pout Fish 恋する季節

『The Pout-Pout Fish (Pout-Pout Fish Adventure)』は、誰がどんなアドバイスをしても……自分は生まれつきふくれっ面だから……と聞き入れず不機嫌そうな態度を変えなかった魚が、あることがきっかけで明るく生まれ変わったお話。さて、「あること」とは、何で…

bk1の店頭で思ったこと

以下は、bk1のトップページから。 ちびくろサンボ【オリジナルイラスト5点収録】 『ちびくろサンボ』 1927年にアメリカのマクミラン社より刊行された「LITTLE BLACK SAMBO」を基に、ドビアスの絵をできるだけ忠実に再現。日本版でカッ…

Fine As We Are あるカエル親子の物語

おかあさんと一緒に楽しい毎日が続いていたのに、弟、妹たちが生まれてから、カエル君の生活は180度の大転換。弟、妹たちがうるさいよー、おかあさんが恋しいよー……の気持ちを素直に表した絵本が『Fine As We Are』。四つ子の弟、妹がいたという作者の体験を…

On the Farm 農場の動物たち

『On the Farm』は、のどかな農場の光景を動物の詩で表した絵本です。どの詩も簡潔でリズムがあり、低学年の詩の授業にぴったりだと思いました。 しかしながら、詩の学習はこの絵本に限らず、さらなる五感にしみこんだスキーマがないと味わえません。ご多分…

How I Learned Geography 画家シュルヴィッツの軌跡

異国へのロマンを誘う地図――。広げて六つの大陸と七つの海を見渡す開放感は、わたしも子どもの頃に味わった。目に入るへんてこな地形、カタカナを一文字ずつ追わないと読めない地名、海と山の色の濃さに映る地球の表情。地図は悠久の時間と結びついているよ…

Grumpy Cat うちのデュークにそっくりな猫

これは大きな絵本(縦横32センチ×25センチ)です。そこにこの「ムッ」とした表情。色と形もうちのデュークにそっくりで、表紙を見ただけで「デュークだー」と盛り上がりました。(ただ娘曰く「デュークは眉間にMの字の模様がある」ということでした。よく見…

Oink, Oink, Benny どこんこぶたきょうだい

『Oink, Oink, Benny』は、ベニーシリーズの何冊目になるのでしょう。泥遊びだけはやめてね……ってお母さんから言われていたのに、本能に負けて泥だらけになってしまったベニーと小さな弟。ところが、したいことを好きなだけして、最後はお目玉をいただかない…

Planting the Trees of Kenya ノーベル平和賞マータイさんの働きを描く絵本

『Planting the Trees of Kenya: The Story of Wangari Maathai (Frances Foster Books)』は、2004年ノーベル平和賞受賞ワンガリ・マータイさんの働きを描く絵本である。 その昔、緑豊かな土地だったケニヤは、森林伐採で荒廃し始めていた。緑地をプランテー…

ターシャ・チューダーさん逝去 92歳

Tasha Tudor, Children’s Book Illustrator, Dies at 92 20日付けニューヨーク・タイムズ紙で知りました。享年92歳。100年前の生活を伝える素朴で美しい絵を描いた画家ですが、同紙には「ベアトリクス・ポターの画風に似ている」とか、確固とした昔ながらの…

わたしたちの のはら

見わたす限り広がる野原の気持ちのいいことと言ったらありません。わたしは田舎育ちなので、空が大きく見える野原はいつもまわりにありました。特にお気に入りだったのが、千曲川の土手に広がる広々とした畑の光景です。夏を舞台に、草の香と、黄金色の太陽…

Clarabella's Teeth わらって! ワニのクララベラ

みんなで歯磨き!が楽しく紹介された絵本『Clarabella's Teeth』。もともとの英国版は『Smile, Crocodile, Smile』というタイトルです。歯といえば、ワニかサメが思い浮かぶのですが、主人公はやはり、そのうちの一匹、ワニでした。 朝起きて、うさぎのルビ…

Brush Up Your Teeth! はじめての はみがき絵本

『Brush Your Teeth, Please』は歯医者さんで見かけ、ほほ〜と感心したポップアップ・仕掛け絵本です。付属の歯ブラシで、動物たちの歯磨きがお手伝いできるハンズ・オンが楽しい。コミカルな彼らの表情も子どもに受けると思います。ライオン、サメに人気が…

Maisy, Charley, and the Wobbly Tooth ぐらぐらの歯

ぐらぐらの歯が心配なチャーリー。メイシー、タルーラ、エディ、シリルは、いっしょに歯医者さんに付き添います。 メイシー・シリーズの一冊『Maisy, Charley, and the Wobbly Tooth: A Maisy First Experience Book』は、大きな回転椅子など歯医者さんの様…

フィリッパ・ラズベリーのうた

北欧に遊びたければ『フィリッパ・ラズベリーのうた』を開いてみましょう。小人や妖精、動物たちが、豊かな自然に囲まれた日々を紹介してくれます。 ジャケット折り返しには、こんな風に記されています。…「このえほんを ひらいたら もりや のはらに すんで…

のいちごそうは どこにある?

さわやかな初夏にぴったりの絵本に出会いました。『のいちごそうはどこにある?』は、ホップさんという「ちいさなひと」と森の動物たちが繰り広げる愉快なお話です。北欧の自然を背景に、親しみのある美しい日本語が語りかけます。 ホップさんはシュスリング…

ちいさなヒッポ

生きるスキルを子どもに伝えるお母さんカバと懸命に学ぼうとするヒッポ。『ちいさなヒッポ (世界の絵本)』に描かれるカバ母子の姿は、幼児の自立を助ける絵本として長きにわたり愛読されてきました。 今あらためてヒッポの冒険を振り返ってみると……、これは…

ママ、笑って!

「ママ、笑って!」――。最近、娘から言われっぱなしです。わかっています、自分から笑顔が遠のいてしまっていることぐらい。お手伝いしている小学校にて、やはりここの子どもたちとの文化が合わないのですね。嫌なことばかりが目についてしまい、自分でも嫌…

Book Reports Don't Have to be Flat!

普通のブックレポート 3D ダイオラマ パネルブック フリップブック ウォレットブック アコーディオンブック ボックスブック レターブック アーティファクトボックス ハンガープレゼンテーション

Sally and the Purple Socks サリーとむらさきのくつした

娘と本屋さんへ。例によって友だちの誕生プレゼント探しです。『Sally and the Purple Socks』を読んで娘と大受けしました。ちょっと評判の絵本でしたが、あまり期待せずページを開いて、わっはっはーと大笑い。娘がこれをプレゼントにしたいと言い出して、…

出版不況と言うけれど……

米国の場合、売上は減ってはいないみたい。パブリッシャー・ウィークリー誌で「○○四半期は売上増」とかの見出しをよく目にするし、深刻な雰囲気はあまり感じられない。あくまでも個人的な感触だけれども。 日本の場合、出版は商売という印象が強いけれど、こ…

Room105 うるさい教室

主人の担任するクラスについて、いつか記しておきたいと思っていた。まったく不思議なクラスなのである。たぶん学校一、騒がしくて、うるさくて、まとまっていないクラス。ところがその反面、学校一、学力成果*1が上がっているクラスでもある。 学校一まとま…

Meerkat Mail イエっていいなあが実感できる絵本

『Meerkat Mail』は、大家族で暮らすミーアキャットのサニーが主人公。砂漠の地で家族との距離が近い生活を送っていたサニー。生活するのにもっといい場所があるのではないかと、思い切って旅に出た。絵本には旅先から家族に当てた絵葉書が、めくりの仕掛け…

わたしを巡るキーワード

ふと記録しておきたくなったので。 海、絵、歌、色、ここまではすんなり出てきたけれど、このあとから思考回路で道草。裏庭、時間、運動、教会。10にしようと思うとあと2つ、森、実。

Grump Groan Growl 感情は抑制しないほうがいいよという絵本

扱われている感情は、怒り、不平不満。熱く怒りに満ちた気持ちは胸の内に秘めるよりも、そっと外に出してあげたほうがいい――言葉のリズムに乗ってそんなアドバイスをする絵本が『Grump Groan Growl』です。 絵手紙風のイラストに色が付けられ、ページ狭しと…

娘の小箱

3日前に読んだ『The Apple-Pip Princess』の小箱を真似て、娘が自分用の小箱を作っていました。苺の入っていた箱にベージュのコールテンを貼り付け、中にはセレニティが母親から授かったものと同じものを何とか工夫して詰め込もうとしているようでした。 ち…