真夏に読めば納涼になるのかな。原書"A Penguin Story"について以前書いたと思っていたところ、なぜか探し出せない。デビュー作シリーズに比べて今ひとつ……の印象が残ったのだっけ。出だしは興味をそそられたけれど、おしまいに近づくにつれてクエスチョンマ…

本日は教会のホームカミング。まったく、夏休み中に礼拝に出席しないなんて、昔を思うと考えられないのだが、何だか米国的な夏季休暇モードにズルズルとはまっていた。夏の礼拝堂こそ、一年中でもっとも鮮やかな花が供えられ、静かな風の渡る、清らかな場所…

自分の知る昔話とは、ほとんどが仏教やキリスト教の教えが根底に流れているものばかりだった。人間の営みが細々と続けられる前近代が舞台である。ところがオーストラリア先住民族に伝わるお話集"Stories from the Billabong"を読み、すべてに圧倒されてしま…

この夏の思い出は、秘密の花園で草むしりの手伝いをしたことである。 近所に住むベルギー人のおじいさんは、小川の流れる敷地に住んでいる。並んだ二軒の豪勢な邸宅で、美しいビーグル犬と太っちょとおちびの猫二匹と日々を共にし、まるで洋画の中に居を構え…

"Little Chick"のような、純粋無垢で可愛らしい絵本には随分ご無沙汰している。淡い水彩画が、なんだかくすぐったい。中表紙は、薄い抹茶色のギンガムチェック。この模様の存在自体ふんわりと、遠い昔の温もりを放っている。 絵本には、お話が３話、語られて…