2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧
男の子ふたりが、サメと汽車で遊び始めた。どっちがすごくて、どっちが強くて、どっちがすぐれているのか。はたから見たらまさに"Silly!"で片付けられることでも、当事者たちにしてみたら真剣勝負。海の中ではもちろんサメがリード、しかし陸では汽車が幅を…
"Miss Brooks Loves Books (And I Don't)"には、情熱に満ちた若いライブラリアンの先生が描かれる。 子どもたちに本の素晴らしさを知ってもらおうと、図書司書のブルックス先生は本のテーマに合わせて仮装をする。たとえば……「ぼくにげちゃうよ」のうさぎ、…
この次、欲しいなと思っている詩集は、山村慕鳥の作品集。詩歌は、イラストのないまっさらなページで読みたい。 風景 純銀もざいく いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな い…
気がつくと週末で、来週はすでにホーリー・ウィーク。駆け足で過ぎていく時間にどう対処したらいいものか。ただただ流されているだけの春なので、いっそのことはやく夏休みにならないかと、残り2か月半をひとっ飛びしたい気分でもある。 今年も桜の季節を迎…
ひとつの絵が、あひるに見えたり、うさぎに見えたり。さあ、あなたはどうやって相手を説得するだろう。左手にいる人があひる派、右手にいる人がうさぎ派。ふたりはさかんに意見を主張し合う。両者がっぷり四つで後ろに引かないところは、人生のおりふしで目…
質感のある鮮やかな色合いで、おまけに四季が描かれている。きれいなイラストに引かれて手にした絵本だったが、フランスではすでに人気シリーズで、どうやら本作は2冊目らしい。こちら"Big Wolf and Little Wolf, The Little Leaf That Wouldn't Fall"のテ…
→http://www.intel.co.jp/jp/tomorrow/index.htm#/index どんなものだろうと、とりあえず作家登録をしてみた。もちろん、「作家」という現実味の薄い夢は抱いていない。ところが数日続けてみて、ここで味わう縦書きの魅力に取り付かれ、実のところ少しばかり…
トナカイの角、ブタの耳、ハリネズミの針、ワニの歯、オオハシの嘴、フラミンゴの首……さまざまな動物の一部を持ち合わせているワタシは誰? ヒントに挙がる動物は体の一部だけを見開きページにのぞかせて、ワタシの正体は最後まで明かされない。 その拡大さ…
"The Quiet Book"は小さな子ども向けの「おやすみ誘い絵本」なのだけれど、作品全体をおおう渋いトーンと個性豊かな動物たちの表情ゆえに、大人でも癒される人が多いのではないかと直感した絵本だ。 イラストは鉛筆とカラーインク使用のデジタル処理で、朽葉…
"Bag in the Wind"の「バッグ」とは、スーパーでもらう、あのプラスチック袋のことだ。荒涼とした冬景色にパサパサと音を立てながら舞っていく袋を追いながら、絵本は現代人の生み出した最大の功罪「(生物分解不可能な)ゴミ問題」について問いかける。 と…
"Tomas and the Library Lady"は昨年、娘の教科書で出会ったお話です。たまたま邦訳『トマスと図書館のおねえさん』が最近出たことを知り、昨年のことを振り返ってみようと思いました。 テキサス州に住むメキシコ移民の少年トマスは夏の間、季節労働として農…
主人のクラスが全校朝会で"Caps for Sale: A Tale of a Peddler, Some Monkeys and Their Monkey Business (Reading Rainbow Books)"(邦訳『おさるとぼうしうり (世界傑作絵本シリーズ)』)の劇をした。出演者たちは、55センチ四方のカラー・ブッチャーペ…
眠い、眠い、猫といっしょに寝ていたい春の日が続く。穏やかな陽射しが理由なのか、どうなのか。日中、睡魔がさしてしかたがない。ふりかえってみれば、寝不足ということもあるだろう。本を読んだり、インターネットをチェックしたりで、どうしても就寝が真…
田舎は旧暦なので、おひな祭りは4月3日。予定しているひしもち風ババロアをどう整えたらよいか、本日の歌会用にひとつ作ってみた。一番下が抹茶、真ん中がミルク、上が苺味で、見た目はまさに緑、白、ピンクの春色ひな祭り。3段すべてをババロアにしてし…
うさぎと青い鳥の友だち関係を描く"Forever Friends"は、春に読むのがぴったりの絵本である。春風が運んだかのように友情が育まれ、春夏秋冬と季節を巡り、ふたたび出会いの春を迎える物語。詩情豊かな自然描写が美しい。 このアーティストのコラージュは、…
引っ越したばかりで友だちがいない男の子は、野球の仲間に入りたいけれど勇気がなくて入れない。しかたなく、公園のベンチに座り沈んでいると、横に座っていた4人のおじさん、おじいさんたちが、同情してくれたみたい。4人は、老体に鞭打って男の子を遊び…
一人娘のタシャは、病気になった母親のかわりに茶摘みに出かけた。日頃から母親の茶摘みに同行していても、作業の経験はまったくなかったタシャ。農園の管理人からは子どもの茶摘みと罵倒され、大人に混じって一人だけ悲しい思いをする。木陰で泣き暮れてい…
なんと愉快で機知に飛んだ詩群だろう! ふつう詩は上の行から読んでいくものだけれども、それを下の行から読み始めたらどうなるのか。おとぎ話をテーマにした詩集絵本"Mirror Mirror: A Book of Reverso Poems"は、一見単純な、けれども斬新な発想を昇華させ…
好奇心の羽をはばたかせ、女の子は森羅万象、この世に存在するものすべてに目を見開き耳を傾けた。新しいことを発見するたびに胸が高鳴り、笑顔がはじける。けれども、ある日、大切な人がいなくなり状況が一転する。今まで伸びやかに反応していた幸せな心が…
→ジュンク堂書店さんに聞いてみた。「売れると思ったのになぜ売れぬ」の書籍リスト - プログラマになりたい 話題のリストから欲しいなと目をつけていた絵本を1冊。"お日さま お月さま お星さま"はクリスマスの時期を逃してしまったので、今もカートに入った…
→意識がダダ漏れになる恐怖: たけくまメモ Twitterに登録したのは、ブログのミニ版として話題に上がっていた2007年です。Tumblrといっしょにアカウントを開いたのですが、まったく利点がわからず放置状態でした。しかし、前者は今年に入り、ITと京都関連…
娘といっしょにイタリア民話"The Goat-faced Girl: A Classic Italian Folktale"を読んだ。 怠け者の娘イザベラが、王子さまと結婚することになった。今でも怠惰なのにお城へなどお嫁に行ったら、現状に輪をかけて怠け者になってしまう。危惧した母親は、魔…
ほのかな桜の香りに誘われて、送り迎えの散歩が楽しくなってきました。うす紫のクロッカス、黄色いタンポポ、桃色の梅、桜。シアトルの自然は、すっかり春のよそおいです。 春の絵本なので、レビューはぜったいに春と決めていたのが、こちらの絵本"ファーデ…
"Pink Me Up"を読んで、どうしてピンク色って、こうも特別な色なのか、ふたたび考えてしまった。米国の女の子文化を知る人であれば、たいていこのピンク人気を目の当たりにしているはずと言い切ってしまいたい。たとえば小さな女の子の場合なら、本人がそう…
→Tech Wave : 電子書籍は、デジタル化された本ではなく書籍化されたアプリ ペンギン、DKのインタアクティブな電子書籍を見て、想像していたとおりの印象を持った。たとえばビデオで「はらぺこあおむし」や「スイミー」が動いたりしている、あの場面に手を…
『イギリスの野の花えほん』は、手にするだけで、のどかな田園にたたずんでいるかのような気持ちになれる絵本です。主人公は、つつましく野に根を張り凛と存在感を示す野の花たち。英名から連想するイメージに浸り、まるで野の花といっしょに妖精がそこに棲…
「これ、ひみつにしておいて、ってことだよ」と娘にタイトル"Don't Spill the Beans!"の意味を教えてもらった。何を秘密にしておくのかな? もじもじ、ひそひそ、けんめいに「何か」を知らせまいと動物たちが作り顔。みんな真剣ね。そして最後に、ジャジャー…