2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

Brownie Groundhog and the February Fox グラウンドホッグ・デーのものがたり

春待つ米国人がけっこう気にしている「グラウンドホッグ・デー」。わたしは渡米するまでこの子どものおまじないのような「ならわし」のことを知らず、春を待つ占いについてほほえましく思ったものだった。リーダーズ英和辞典には、次のように定義されている…

2011年イースター絵本のリストを作りました

今年の復活祭は4月24日。数は少ないのですが、リストをあげてみました。虫干し的な意味もあり、埋もれていた絵本を引っ張り出してきました。 小見出し、あるいは◆をクリックすると、レビューに飛びます。good egg かわいいたまごの絵本 - 絵本手帖たまご…

カップケーキのバニラくん

"Cupcake"の邦訳『カップケーキのバニラくん』。 今レビューを読みかえしてみると、バレンタインにもいいと書いていたので、あわててバレンタイン絵本リストに加える。 この色合いを見ると、いつもアッパー・ミドルの女の子ワールドを連想する。何というか、…

ジェイムズ・メイヒューの名画紹介「ケイティ・シリーズ」

子どもたちが小さなころ馴染んだジェイムズ・メイヒュー絵本の翻訳が出た。ケイティといっしょに名画探訪ができるこのシリーズは、アーンホルトによる一連の名画シリーズとあわせておおいに魅せられた。お話の中に入り込み、名画と交わるなんて最高。これか…

Me, Frida カーロ・フリーダの旅立ち

メキシコの女性画家カーロ・フリーダを語るノンフィクション絵本。代表作の一つ「フリーダとディエゴ・リヴェラ」の生まれた背景を描く。 若く無名だったフリーダは1930年11月、夫であり、すでに名声を得ていた画家ディエゴ・リヴェラとともにサンフラ…

Bedtime for Bear 男の子の習性

冬眠しようとしているところに、アライグマの友だちが遊びにきた。断るにもかかわらず、遊ぼう、遊ぼうとひきさがらない。「ねようとしているところなんだよ、くまはねるんだ!」と言い終わったところに、雪の玉がポーンと顔に命中。怒ったくまは雪の中に転…

Poem in Your Pocket for Young Poets 中高生のための新しいポエム・ブック

誕生日プレゼントに"Poem in Your Pocket for Young Poets"を買った。ここにはディキンソンやフロストらを含めた古典からモダンまで、100編の詩が紹介されている。 この詩集がユニークなところは、「本」ではないという点。体裁はまるで、ハードカバーに…

Out of Sight 大きくて楽しい、かくれんぼのあてっこ絵本

art

"Out of Sight"を手にして、驚愕。大きい。楽しい。アート感覚、遊び心にあふれている。こういうしかけ絵本を見てしまうと、「さすがフランスの絵本だ!」と誰が賛辞を述べずにいられよう。 基調はモノクロ。窓のようにめぐらされためくりを開くと、そこに動…

Pocketful of Posies このハンド・クラフトを見よ

"Pocketful of Posies: A Treasury of Nursery Rhymes"はマザーグースの童謡をまとめた絵本なのだけれど、とにかくそのハンド・クラフトに目がくぎづけ。素材は自然着色の羊毛フェルト、刺繍糸、木の球、小石などなど。丹精な刺繍がほどこされ、登場人物たち…

Snow Rabbit, Spring Rabbit 卯年の立春に読む絵本

"Snow Rabbit, Spring Rabbit: A Book of Changing Seasons"は、卯年の立春に読むのが最高〜と思っていたのに、ずっと忘れていた。冬から春へのうつりかわりを独特の手法で表現した絵は、ふくろうさんのおやすみ絵本と同様に繊細でうつくしい。 →A book of S…

卒業生に贈る絵本

卒業生に贈ったらすてきだろうな……と思った絵本をまとめてみました。幼少時代の姿や成長を描く絵本、人生を指南する絵本、心のビタミン剤になりそうな絵本etc.を並べています。 すべてではありませんが、◆をクリックするとレビューに飛びます。 子どもの成長…

April and Esme Tooth Fairies リアルな妖精たち

"April and Esme Tooth Fairies"は、非常にボブ・グラハムらしい絵本だった。妖精のおとぎ話を美化せず、日本的に表現すれば「主人公を下町の人情あふれる情景とともに描く」いつもの手法が冴えていた。 主人公は歯の妖精エイプリルとエスミの姉妹。この歯の…

Underground: Finding the Light to Freedom こどもたちに語るどれい制度

"Underground"は、単純明快に奴隷制度の背景を語った絵本だ。自由を求めて逃亡した人々の息づかいを、わかりやすい言葉と絵で伝える。たとえば冒頭はこんな感じ。 The darkness. ページをめくった次の見開きで、 The escape. さらにページをめくると、 We ar…

Crow からすくん

真っ黒で、大きくて。たのしそうにおしゃべりすることりたちの仲間に入りたいけれど、からすくんはその身なりから恐れられている。友だちになりたいな、でも、だめみたい。真っ黒だからいけないんだ。もっとちがう姿だったらよかったのに。そうだ! 体中に色…

まちのいぬといなかのかえる

大好きなモーさん絵本の翻訳が出ました。『まちのいぬといなかのかえる (大型絵本)』は、季節のめぐりをとおして犬と蛙の交流を描くやさしくて、うつくしいストーリー。今年のコルデコット賞にオナーぐらいで入選するかなとも思った作品でした。 →City Dog, …

Slowpoke のんびりいこうよという本

まるで自分のことのように読んだ"Slowpoke"がおもしろかった。 フィオーナはのんびりやさん。お風呂はゆっくり、朝の身支度にも時間をかける。歯みがきは1本につき32回のブラッシング。着替えは58回。父親の「バスが出ちゃうよ〜」のひとことも気にせず…

Counting on Snow さむい国の数の絵本

"Counting on Snow"は、極寒の土地で暮らす動物たちの数の絵本。カリブー、野ウサギ、オオカミ、シロクマ、ムース……。ページにはたんに動物たちが現れて、その数が10からのカウント・ダウンで示されるのみだけれど、おしまいに向かうにつれて雪が舞いはじ…

岩波ジュニア新書144 和歌の読みかた

バレンタインを前に、恋の歌は「古今集」という竹西寛子さんのことばを思い出した。和歌の恋は、苦しい恋ばかりだけど。 恋歌もたくさん載っている『和歌の読みかた (岩波ジュニア新書)』は中高生におすすめの本。いや、中高生だけでなく大人にも、もちろん…

The Secret River ひみつの川のものがたり

"The Secret River"は、1956年ニューベリー賞オナーの絵本版。同作はピューリッツァー賞作家が唯一、子どもに書いた物語という。ただしこの絵本版は、原作を少し短くしたようだ。 主人公は女の子カルピューニア。森の苦しい暮らしを救おうと、賢者のおば…

Best Valentine Book: ABC Adventures くまさんのバレンタイン

幼稚園の教室で読んでもらった絵本がかわいらしかったのでご紹介。 みんなハッピーなバレンタインなのに、くまさんだけハッピーじゃない。だれもバレンタイン・カードを贈ってくれないから……。 設定はよくあるバレンタインのひとりぼっち物語で、ハッピーエ…

A Dazzling Display of Dogs コンクリート・ポエトリーでつづる犬の個性

'concrete poetry'とは「文字や単語や記号の絵画的配列によって作者の意図を表わそうとする詩」(リーダーズ英和)のこと。視覚にうったえるこの表現方法は子どもたちの間で人気があり、好きな子は詩よりもアートに重きを置いて作品を制作したりする。娘も夢…

Clancy & Millie and the Very Fine House 箱から生まれるイマジネーション

なにげない日常を描きながら、イマジネーションの広がりが奥深い魅力となる絵本。それが"Clancy and Millie and the Very Fine House"だった。 住み慣れた家を離れて都会に引っ越してきた男の子クランシー。お父さんとお母さんは新しい居住環境に大満足だけ…

Gotta Keep Reading - Ocoee Middle School 読書推進のかっこいい〜ビデオ

本日、幼稚園のクラスで見せてもらったビデオに感動。子どもたちはリーディングの前にこのビデオを見て、「本って、楽しいんだよ!」のノリノリ気分で読書に入った。 そのビデオはこちら。 うちはテレビを見ないので、けっこう有名なビデオにもかかわらず全…

Remenbering Crystal さよならのあとで

喪失を描く絵本。原書はドイツ語。 年老いたカメのクリスタルと心やさしいグースのゼルダの物語。 漉き紙、染み入りの紙、褪せた紙など、背景に使われたほんのり飴色がかった紙の質感が、哀しくも心あたたまるお話を味わい深く演出する。登場キャラクターた…

Dust Devil こちらはSwamp Angelの続編

"Swamp Angel (Caldecott Honor Book)"(『せかいいち大きな女の子のものがたり』)の続編が"Dust Devil"。テネシー州からモンタナ州へと舞台を移し、無法者「さかさのバート」の一団と闘う姿が描かれる。 冒頭では、巨人のエンジェルらしからぬ光景も。ただ…

はてなバレンタイン企画

バレンタインチョコ欲しい! 欲しいプレゼントは…セイコーインスツル 電子辞書 PASORAMA 英語モデル SR-G10001 セイコーインスツル 電子辞書 PASORAMA 英語モデル SR-G10001出版社/メーカー: セイコーインスツル発売日: 2009/03/28メディア: Personal Comput…

愛書家のお話、おもしろいです!

→ほぼ日刊イトイ新聞 - 目眩く愛書家の世界 こちらの記事がおもしろくて、続編を楽しみにしています。「本のある時間」を企画・運営する希代本古書店、雄松堂書店さんの名前も出てきます。 →Time with Books 本のある時間 - 絵本手帖

ユース・ミュージック・フェスティバル

カソリック教区主教座聖堂である聖ジェームス・カテドラルで本日、教会ユース・クワイアを集めたフェスティバルがあった。以前、うちの大聖堂でも教区内の子どもクワイアを集めた行事を催していたけれど、国教会の教会のみ。今回は超教派の催しということで…

She Loved Baseball: The Effa Manley Story 女性初、アメリカ野球殿堂入りを果たしたエファ・マンリーの物語

2006年、女性で初めてアメリカ野球殿堂入りを果たしたエファ・マンリーの伝記絵本。殿堂入りは、夫のエイヴとともにブルックリン・イーグルス(のちにニューアーク・イーグルス)のオーナーとして黒人野球リーグ(ニグロ・リーグ)の発展に貢献し、選手…

Ounce Dice Trice 英語の語感を味わおう

"Supposing (The New York Review Children's Collection)"が愉しかったので、"Ounce Dice Trice (New York Review Children's Collection)"も読んでみる。 こちらは、英語の語感を紹介する詩の絵本とでも言えようか。まえがきには「本書はことばと名前の一…