絵本手帖だより

いろいろペンギン

真夏に読めば納涼になるのかな。原書"A Penguin Story"について以前書いたと思っていたところ、なぜか探し出せない。デビュー作シリーズに比べて今ひとつ……の印象が残ったのだっけ。出だしは興味をそそられたけれど、おしまいに近づくにつれてクエスチョンマ…

とりとわたし

ケビン・ヘンキースの"Birds"が『とりとわたし』として出たようです。この絵本、すてきだったなあ。ことりへの想いがとても詩的に描かれていました。素直で美しい視点に引き付けられました。 邦訳は書影がないので、とりあえず原書で。(日本語版の書影に変…

きんぎょ

"The Little Red Fish"の邦訳『きんぎょ』が出ました。日本の抒情に通じる摩訶不思議な世界が描かれるので、原書より日本語のほうがしっくりくるのではと感じています。 わたしはスイミーに出てくるような「ちいさなあかいさかな」のイメージを抱いていまし…

This Is Where We Live

絵本から登場人物たちが飛び出してきたら、どんなにすてきなことでしょう。英国出版大手ハーパー・コリンズ社に属する4th Estateの25周年を記念したビデオを観て、ふとイメージを浮かべました。 →Book Reviews, Bestselling Books & Publishing Business New…

はなおとこ

『はなおとこ』の原書"The Adventures of a Nose"は、息子が小学生のときにおもしろがっていた絵本だ。ものめずらしそうにページをめくっていた記憶がある。確か「鼻」が自分の居場所を探す展開だったか。各ページにいろいろな顔が登場して、ちょっとシュー…

おとうさんのちず

大好きな絵本"How I Learned Geography"の邦訳『おとうさんのちず』(あすなろ書房)が出たようです。苦難から自分を解放した、作者の少年期を描く渾身の作品。もし多感な成長期に自分も同じように戦禍に見舞われていたら、果たしてこのような生き方ができた…

ツヴェルガーの『白鳥の湖』

アマゾン・カートに入れたり、出したり。ひっきりなしに出入りを繰り返す絵本群があります。それらはたいてい「できるのであれば、すべてコレクションしたい」とほのかに願っている人気作家の絵本であり、わたしの場合、ここ最近バーナデット・ワッツやリス…

ニャゴマロくんとチイヒゲちゃん

わあ、何てかわいらしいタイトルでしょう。このたび邦訳の出た『ニャゴマロくんとチイヒゲちゃん―もうひとつのあいのものがたり (児童図書館・絵本の部屋)』は、うちのデューク、ギャビコンビに似ている2匹のお話なので原書シリーズから大ファンでした。実は…

にんじんケーキ

"にんじんケーキ (児童図書館・絵本の部屋)"は、息子が小さかった頃、出会った絵本です。結婚のお祝いに向く絵本……と、ほのかな印象を抱いた記憶がありました。うさぎの若夫婦が「実際に他人と暮らし始めてみると思い通りに進まない現実」を示してくれ、西洋…

ないしょのおともだち

マリアとねずみさんの視点がおもしろかった"Mary and the Mouse, The Mouse and Mary"の邦訳が出たようです。タイトルは『ないしょのおともだち』。こういう絵本、子どもは大好きですね。読後は充足感でいっぱい。 アマゾンにはまだ出ていず、書影もないので…

本のフェスティバル@UCLA はらぺこあおむしの生い立ち

「どこでもドア」があれば、ロスアンゼルスで今週末開催されている「本のフェスティバル」に即駆けつけたいのに……と、LAタイムズのお知らせページを見て思いました。 下方に見えてくる「はらぺこあおむし」の枠をクリックしてみてください。"The Very Hungry…

魔法のしろくま

文字なし絵本"Wonder Bear"が『魔法のしろくま』として日本でもお目見えしていたようです。こちらは大判絵本なので、イマジネーション豊かな不思議な世界が包み込むように迫ってきます。うちでは、去年のクリスマスに、娘に贈った絵本でした。 →Wonder Bear …

こんにちは あかちゃん

史上最強コンビによる絵本とご紹介した"Ten Little Fingers and Ten Little Toes"の日本語版が出たようです。タイトルは、ずばり『こんにちは あかちゃん (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)』。懐かしのメロディとともに口ずさみたくなるのは、結構…

ファーディのはる

秋冬のファーディを描いた『ファーディとおちば』のお次は、『ファーディのはる』。早くファーディと再会したいなあ。 →Fletcher and the Falling Leaves こぎつねフレッチャーとおちば - 絵本手帖 ファーディのはる作者: ジュリアローリンソン,ティファニー…

っぽい

"Ish (Creatrilogy)"の日本語訳が出ました。その名も『っぽい』。うわあ、みごとな訳ですね。原書を読んだとき、これは日本語でどう表現したらいいのだろうと頭をひねりましたが、このようにぴたりと来ることばはもちろん浮かびませんでした。 出版社も訳者…

あなたが生まれた夜に

『On the Night You Were Born』の邦訳『あなたが生まれた夜に』が出たようです。日本語で読むと、またじんときそう。3年前には、こんな風に書いていました。 →On the Night You Were Born あなたのうまれた夜に - 絵本手帖 あなたが生まれた夜に作者: ナン…

ねえ、ほんよんで!

昨日レビューを書いた『Hurry Up and Slow Down』*1の邦訳『ねえ、ほんよんで!』が出ていました。日本語版は、もっとも読者を引きつける最後のシーンを表紙とタイトルに持ってきた模様です。この場面、心がすうっと休まり、ぴか一すてきです。ねえ、ほんよん…

邦訳された新刊絵本リスト

絵本手帖でご紹介した絵本が何冊か邦訳出版されていました。◆印をクリックすると、レビューに飛びます。 ドーナツだいこうしん◆ ドーナツだいこうしん作者: レベッカボンド,Rebecca Bond,さくまゆみこ出版社/メーカー: 偕成社発売日: 2009/01メディア: 大型…

よぞらを みあげて

『At Night』*1の邦訳『よぞらをみあげて』が出ていました。都会の夏の夜を描いたこの絵本、けっこうお気に入りだったので日本語にも非常に興味が湧きます。 →At Night 都会の夜に吹く風は…… - 絵本手帖 amazon:Jonathan Bean よぞらをみあげて作者: ジョナ…

baby mammoth 一番寒い月の絵本(2月)

baby mammoth8号でご紹介した絵本7冊*1が、「絵本ブロガーがリレーで選ぶ秋冬のブックガイド:一番寒い月の絵本(2月)」として同サイトに掲載されています。 小さな読者たちのことを想いながら、あれにしよう、これにしよう……と絵本のリストアップに思考回…

2009年米国コルデコット賞受賞作品

今月23日から29日までコロラド州デンバーで開催されていた全米図書協会冬季大会にて、2009年度コルデコット賞の発表がありました。タイトルを調べてみたところ、すべてレビューが揃っているので、ここにご紹介します。◆をクリックすると、レビューに飛びます…

ゴリオとヒメちゃん

先日ご紹介した『Little Beauty』*1の邦訳がさっそく出たようです。その名も『ゴリオとヒメちゃん (児童図書館・絵本の部屋)』。タイトルからして誘ってくれますね。どのような美女と野獣ワールドが日本語で展開されるのでしょう。ワクワクしてきます。 レビ…

ボクの穴、彼の穴。

『ボクの穴、彼の穴。』は、先日ご紹介した反戦絵本『The Enemy』*1の邦訳ではないでしょうか。米国発売は4月なので、日本語で一足お先に読めるというのは幸せです。 ガザからイスラエル軍が撤退しましたが、今回パレスチナの地に残された深い傷はそうたやす…

ティリーとおともだちブック シリーズ

『Hello, Tilly: A Tilly and Friends Books』*1をご紹介した、その一週間後に邦訳出版のニュースを知りました。こちらのシリーズは、無垢な可愛いらしさにかけたら右に出るものなしと断言したいほど、子どもの喜びを素直に描く作品です。わたしもぜひ、日本…