abc
渡米したばかりの頃、地元新聞に掲載される'Then & Now'コラムを毎週楽しみにしていた。市内の一か所を取り上げ、当時の写真と同じ位置から撮影した現在の写真を掲載し、歴史家が街の変遷について語るといった内容だった。昔の写真は50年ぐらい前のものだ…
"Country Road ABC: An Illustrated Journey Through America's Farmland"は、AからZまで26字のアルファベットを追いながら、米国の農場風景を楽しむ絵本。実在する農場、農村から資料を集め、まとめた大作だ。 個人的に内陸部の保守文化は敬遠したい傾…
ハロウィン前に記しておくべきだった。"AlphaOops: H Is for Halloween"では、おちゃめで、ズッコケのアルファベットたちがハロウィンの舞台に立つ。ふつうであればAから始まるところだけれど、今日はハロウィンだから、はじまりはH。こうして、ゾンビのZ…
"Ballroom Bonanza: A Hidden Pictures ABC Book"は、動物たちがABC順に、いろいろなダンスを紹介する絵本と思っていたところ、実は探し物絵本だった。 毎年10月になるとダンス競技会に参加するため、世界中の動物たちがブラックプールの街に集まってく…
ここに戻ってくるとほっとする……と実感しながら、この春わたしをほろりとしあわせにしてくれた絵本を一冊ご紹介。 個人的に「豆を煮る」行為と時間にたまらなくしあわせを感じるのだけれど、"LMNO Peas (The Peas Series)"を開いている間もちょうどそれと同…
ブロードウェイのすべてを語るabc絵本がこちら"Lights On Broadway"。これは、ミュージカルに燃えている子たちへのプレゼントにぴったりだ。 単なるブロードウェイの紹介だけでなく、有名スターたちの舞台での心境をつづる言葉が各ページ寄せられていて興味…
息子が赤ちゃんの頃に話題となったコルデコット賞オナー絵本"Alphabet City (Caldecott Honor Book)"は、彼のお気に入りABC絵本だった。リアリスティックな水彩画は子どもの目にわかりやすく、何度もページを眺めては自分の身のまわりにもどこかにABCの文字…
『We're All in the Same Boat』は、ノアさんの作った箱舟に動物たちが乗り込んで、彼らの名称と行動を織り込みながら愉快な頭韻でABCを紹介する絵本です。でも、小さな子ども向けというよりも、就学以上の子どもたちにこそ向く内容かもしれません。そこには…
『M Is for Mischief: An A to Z of Naughty Children』は、なかなか傑作でした。個性的な性格の子どもたちが、アルファベット順に紹介されています。どのくらい「個性的」なのかと言えば、「本書には不愉快にさせられる子どもも登場します。そのあたりを承…
スーパーヒーローの活躍を描く絵本『Traction Man Is Here! (Boston Globe-Horn Book Awards (Awards))』(邦訳『カッチョマンがやってきた!』)の第2弾『Traction Man Meets Turbodog』が今秋、日米同時発売とのこと。で、その記事中に、同じ趣向でスーパー…
『M Is for Music』は、イラストに打ちのめされ何年か前(初版2003年なので、たぶん2003年でしょう)に購入した絵本です。最初は暖炉の上に飾ったりしていましたが、そのうち本棚の友になってしまい……。結果、年に一度、小学校やチャリティー団体に寄付する…
『The Alphabet from A to Y With Bonus Letter Z!』は、頭韻法で冗談交じりの状況を笑い飛ばす、どちらかと言えば10代向きのABC絵本。たとえば、「B」なら―― Bad Baby Bubbleducks beat up his bed With bashed-up bananas and old moldy bread. という具合…
『B is for Bethlehem』は、このクリスマスの娘へのプレゼントだった。いつのクリスマスだっただろう。クレヴェンのクリスマス・カードを見つけて、その繊細でちまちまと書き込まれたり貼られたりしたコラージュに大感動したのだっけ。そのカードのイラスト…
『Bad Kitty: Cat-nipped Edition』*1の続編が『Poor Puppy (Bad Kitty)』。今度は「行き」がABCを数字で絡め、「帰り」はさらにABCの頭韻で笑いを誘うという趣向だった。やっぱり前回と同様、笑っちゃう。 黒ネコちゃんと遊びたいのに遊んでもらえないワン…
春節を前に、心惹かれる絵本に出会う。中国正月を紹介する絵本は多くあるけれど、どれも米国に輸入された(中国系米国人の)お祝いの雰囲気が漂い、中国本土らしい〜と感じるイラスト絵本が少ないなあと感じていた。ノンフィクション写真絵本は、なんとなく…
写真で見る動物にも惹かれるけれど、デフォルメされ黒や赤一色で表される姿も美しい。ABCのアルファベット二十六文字が、絶滅寸前の動物たちの一部あるいは全体像となり紹介される『Gone Wild (Caldecott Honor Book)』――。ここには動物たちをかたどった究極…
音楽、スポーツ、買い物……と慌しく過ぎた日に開いた絵本は、『Alphabet Explosion!: Search and Count from Alien to Zebra』。エンタテイメント性たっぷりで、盛り上がる一冊なのだ。ページごと絵の中に描かれた(ときに隠された)「A」から「Z」までの言葉…
『Tangerines and Tea, My Grandparents and Me: An Alphabet Book』は、冬に読み記録をし忘れていた絵本。おじいちゃん、おばあちゃんと過ごす楽しいひとときが、ABCの頭韻で軽やかに詩的に歌われる。ユミ・ヘオの明るい中間色のイラストに魅せられて借りて…
表紙を見て気にかけていたけれど、実際に手にとって見て感嘆。『Jazz ABZ: An A to Z Collection of Jazz Portraits』は、画家ポール・ロジャーズの呼びかけで生まれたジャズのABC絵本*1、*2である。クラシック&ジャズ両分野にわたる国際的なトランペット奏…
26の言葉や文章でテーマやお話を語るabc絵本の中でも『Bad Kitty』は、ちょっぴり異色である。この黒猫ちゃん、タイトルには「いたずらねこ」とあるが、実は根はいい子。どうしていたずらになっちゃったのかといえば、それにはこんなわけがあった。 「あら、…
新刊棚にローベルの最新刊『Animal Antics: A to Z』があったので読んでみた。彼女のabc絵本って、数えてみれば何冊目だろう。『ABCのおかいもの』(『On Market Street』)、『アリスンの百日草』(『Alison's Zinnia』)、『ABC旅の絵本』(『Away from Ho…
お兄ちゃんが喜びそう、と娘が息子に選んだ絵本が『Dog from Arf! Arf! to Zzzzzz Board Book, The』。魚眼レンズで撮ったというユニークな犬たちのポートフォリオはよく見かけていたが、日本発とは知らなかった。 この絵本にもかわいいワンちゃんが26匹ご登…
「赤」は自分にとり、特別な色。小さな頃は、名前の「あすか」と色の「あか」が無意識のうちに重なり合っていた。赤ずきんちゃんなど自分のことと思っていたほどなので、色の与えるイメージの強さには舌を巻く。 その「赤」のイメージは、大人になっても変わ…
『For The Love Of Nascar: An A-to-z Primer For Nascar Fans Of All Ages』のようなABC絵本を手にすると、これも米国だなあ〜と思う。取り扱われている内容がNASCARだから当然なのだが、何でもテーマ別でABC絵本に仕上げてしまう発想もそうなのだ。これを…
たくさんの色、いろいろな形、甘い香りがしてミツバチや蝶々となかよし――子どもが好きにならないはずがない「花」。春になり、たんぽぽ、クロッカス、すみれ、水仙、チューリップ、さくら、椿、はなみずき、今はあやめ……、たくさんの花を目にしていた娘に、…