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Thumbelina: Tiny Runaway Bride おやゆびひめの横顔

『Thumbelina: Tiny Runaway Bride』は娘用と思ったのですが、自分のほうが夢中になっていました。まず本の表紙をご覧になってください。瑞々しい若草色を背景に、鮮やかな青緑色のシルエットと、白い手描きの文字が洒落ていると思いませんか。わたしの場合…

The Ugly Duckling コラージュが美しい「みにくいあひるのこ」 

『The Ugly Duckling』を見てまず、ジョンソン&ファンチャー夫妻のミックス・メディアによるコラージュに目を見張りました。 表紙にはレース模様のあしらわれたあひるちゃんが、これまたレース模様の卵の殻からお目見えする場面が描かれています。自然の背…

The Tinderbox アンデルセンの「火口箱」

アンデルセンの『Tinderbox』を娘と読みました。「火口箱」というタイトルは、今まで聞いたことがありません。幻想的で不気味なイラストも合い重なり、まさに暗い森に足を踏み入れるような気持ちでページを開きました。 戦争からの帰路、ひとりの兵士が魔女…

すずの兵隊さん

アンデルセンのようによく知られたお話は、日本語で読むとじんと心に染みる。と言っても『すずの兵隊さん (児童図書館・絵本の部屋)』(原書『The Steadfast Tin Soldier』)は記憶がおぼろで、終幕のいきさつを忘れてしまっていた。母が好きでよく読んでも…

The Ugly Pumpkin みにくいかぼちゃのこ

『The Ugly Pumpkin』は、かぼちゃ版アンデルセン「みにくいあひるのこ」である。ハロウィンから収穫感謝まで、「みにくいかぼちゃ」のたどった軌跡が哀しくユーモラスに、でも最後は愉快に描かれる。 形が変わっているばかりに、ハロウィンの仲間に入れても…

季節はずれの「マッチうりの少女」

地元書店で『マッチうりの少女』を買いました。ずいぶん季節はずれの買い物です。でも、わたしの中には「アンデルセン童話=いわさきちひろ(繊細な哀しさ)、民話=赤羽末吉(素朴なおおらかさ)、グリム童話=バーナデット・ワッツ(多彩な温もり)」とい…