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Dog and Bear: Two's Company くまちゃん&いぬくんシリーズ待望の2冊目

『Dog and Bear』*1の第2弾『Dog and Bear: Two's Company』が出るようです。また、ほのぼのとお茶目な世界を展開するのでしょう。春にぴったりの2冊目となりそう。 娘は昨夏から4歳になる女の子と週1回、ご近所のお家で遊ばせてもらっているのですが、最近…

シーソー

『シーソー』という題名や帯の「哲学絵本」という響きから、「人間の生き方」とか「コミュニケーションのあり方」みたいな指南が書かれている絵本かなというイメージを持った。あながち間違いではなかったけれど、物語の過程で起こるそれぞれのエピソードに…

くまのテディちゃん

『くまのテディちゃん』は、子どもたちが小さな頃に出会っていたら夢中になっていた絵本でしょう。手のひらサイズの表紙に茶色いくまちゃんがスマイルする姿を見て、娘は「待って!」と間を入れて、自分のくまちゃんとナッフル・バニーを抱きしめ戻ってきま…

Thank You Bear くまくん、ありがとう ロングテール現象の絵本

『Thank You Bear』(邦訳『サンキュー ベア ありがとう 子ぐまくん』)を読んで最初に思ったこと――これは「ウェブ2.0、ロングテール現象を象徴する絵本」ではないか!――ちょっと大げさかもしれませんが。 ある日、くまくんは小さな箱を見つけました。「なん…

Leaves おちばとくまさん

初めての秋を迎えるくまさんは、木の葉が色づき散り始めたことが心配でなりません。落ち葉をかき集め何とか元に戻そうとしますが、そのうち眠くなってきて、結局集めた落ち葉を洞穴に詰めて冬眠に入りました。 紅葉の神秘を不思議に思う『Leaves』のくまさん…

Me and My Dad! くま親子のストーリー

『Me and My Dad!』は、こぐまちゃんとくまのお父さんを描く絵本。冒険に満ちたパパとの一日が厚塗りのアクリル画で活写され、パパといっしょに遊びたい日にはもってこいの内容です。朝、起こしてもらうところから始まって、散歩に出かけて、追いかけっこし…

Dog and Bear: two friends, three stories いぬくんとくまさんは なかよし

『Dog and Bear』に出てくるキャラクターは、ダックスフントのいぬくんとパッチワークがカラフルなぬいぐるみのくまさん2匹だけ。でも、三つの小さなお話*1を通して描かれる彼らの関係は、心があたたかくなる風景に、お茶目に可愛らしく収まっています。一…

Little Bear's Valentine こぐまのくまくんのバレンタイン

キング牧師記念日が過ぎ、学校行事はバレンタインへ向かう。雑誌をめくり、今年のバレンタインカードはどんなものにしようかと思案し始めた。うちらしさを出そうと思ったら、いつものように折り紙ハートかな……。 娘と読んだ絵本は、こぐまのくまくんのバレン…

Bear Dreams ゆめみるこぐま

どうしてみんな、そとであそんでるわけ? ぼくが ほらあなで ぐーすか ねむっているあいだに。冬眠に入れないこぐまが不満をもらす。そうだ、いいことをおもいついたぞ。こぐまは動物たちを呼び集め、彼の偉大なる夢を語り始めた。うさぎとかけっこして、ム…

Cold Paws, Warm Heart さみしがりのポーとおんなのこ

体が大きいばかりにほかの動物たちから怖がられ、いつもひとりぼっちの白くまポー。そんなポーの住む氷の世界に女の子ハナが訪ねてきた。今まで、いつも冷たい何かを感じていたポーだけど、ハナのおかげで少しずつ心があたたまってきたみたい。友だちって、…

Corduroy Lost and Found まいごになったコールテンくん

『Corduroy』(邦訳『くまのコールテンくん (フリーマンの絵本)』)のイメージをもとに制作された『Corduroy Lost and Found』がお目見えした。ほんのり月明かりの表紙が、初秋に似合いそう。 大好きなリサのお誕生日がやってくる。何かプレゼントしたいコー…

J. A. Teddy テディをすくえ!

ヤンチャ船長は、遊びのガキ大将。今日も元気に冒険を繰り広げる。でもね、いつもそばにいてくれた大切なぬいぐるみJAテディがいなくなっちゃった。肩を落とす船長をなぐさめようと、妖精や小人、小おにたちがやってきた。JAテディは、世界中の迷子のテ…

The Nothing King

『Nuts』*1に魅せられ、同じ画家の『The Nothing King』(邦訳『なにももたないくまの王さま (にいるぶっくす)』)を読んだ。 お話は表紙見返しから始まっている。任務に追われる日々にうんざりしたくま王さまはある日、荷物をまとめてお城を後にする。着い…

A Splendid Friend, Indeed 2006年オナー

『A Splendid Friend, Indeed (Goose and Bear Stories)』は、この部門唯一の絵本。性格の違うあひると白くまのやりとりが、いい味を出している。 本を読みたいしろくまくん、でもあひるくんはおしゃべりしたくて仕方がない。お話を書きたいしろくまくん、で…

Three Feet Small

マイケル・ローゼン*1の絵本だと思って借りた『Three Feet Small』。米国在住画家ヴァレリー・ゴルバチョフと組むのが不思議と思いながら読み始め、作者マイケル・J・ローゼンは別の作家だと知る。でも、かわいらしい作品だった。この画家のイラストには、…

ちいさなこぐまのちいさなボート

先日のジャズ・コンサートで、息子の成長ぶりを振り返り感慨に浸りました。あどけない表情で大きなバリトン・サックスを吹く姿に、幼な子と少年の両方を見た気がします。家でさっそく『ちいさなこぐまのちいさなボート (はじめてブックシリーズ)』を開き、帯…

子ども時代の「ちいくまくんとおおくまさん」

子どもたちの小さな頃に出会っておきたかった絵本がある。それはワッデル作「ちいくまくんとおおくまさん」シリーズ。ちいくまくんの1番新しい絵本(シリーズ5冊目)『Sleep Tight, Little Bear with DVD』(邦訳『ぐっすりおやすみ、ちいくまくん (児童図…

やさしくておいしい、はじめての詩

『Orange Pear Apple Bear』は、淡い水彩と4つの言葉がイメージ遊びの楽しさを教えてくれる絵本。表紙を目にしただけで、作品を包むやさしい透明感が伝わってくる。ふんわりと心地よい言葉遊びは、オレンジ(Orange)、なし(Pear)、りんご(Apple)、くま…

帽子の中に広がる空間

以前から読んでみたいと思っていた『Milo's Hat Trick』を息子と読んだ。 ミロは落ちぶれた手品師。何をやっても失敗ばかりだった。劇場支配人のポポビッチ氏は、翌晩のショーで帽子からウサギを出せなかったら首だ!とがなり立てる。しょんぼり森にウサギを…

くまのプーさん プー横丁にたった家

『ぼくとくまさん』のあとがきに、くまのプーさんのことが言及されていた。心が舞い上がる。出会ったのは小学5年生と遅かったけれど、『クマのプーさん プー横丁にたった家』はわたしにとり魔法の力を持つ1冊だ。クリストファー・ロビンとぬいぐるみ仲間が…

ぼくとくまさん

シュルヴィッツのデビュー作『ぼくとくまさん』を娘と読む。彼女はクラスで原書『The Moon in My Room』を読んだそうで、くまさんがどこに隠れているのかそうっと教えてくれた。 絵本に使用される色は、赤、緑、黒の3色のみ。でも、余白が生かされ着色がほ…

くまくんおきて!

金曜日のブック・ギビングで娘が春の絵本を探していた。最初に冬の絵本『Stella, Queen of the Snow (Stella Series)』(邦訳『ゆきのひのステラ』)を手にとり、「春の絵本がいいなあ」とつぶやきながら別の本を手にする。結局、家に持ってきたのはハトさん…

自分さがし

息子と『オレゴンの旅』を読む。ある夜、道化師のぼくは、オレゴンという名のくまといっしょにサーカス団を抜け出す。エゾ松の美しい森に帰りたいというオレゴンの願いをかなえてあげようと思ったのだ。鉄鋼の街ピッツバーグからシカゴまでバスに乗り、そこ…

くんちゃんの魅力は永遠

今年もまた、楽しめた。『ジェインのもうふ―アメリカのどうわ』*1と並んで、くんちゃんシリーズの『くんちゃんのはじめてのがっこう』は、子どもたちといつまで絵本を堪能できるかの指標のような存在になっている。この2冊に関しては11歳の息子と6歳の娘を…

移行期の相棒ブック『Little Bear』シリーズ

砂糖かえでの香りって、甘くてうっとりしてしまう。特に朝の散歩でこの甘さに包まれると、体がよみがえる感覚さえ抱く。今朝は、息子も娘も遅刻かとあせった。息子のスクールバスは午前7時5分発。朝食の雑炊スープが「熱すぎて食べられない!」――。時計の…

クイル賞ノミネート絵本を読む#2 禅ワールド

『Zen Shorts (Caldecott Honor Book)』(邦訳『パンダのシズカくん』)は、3つのお話を通して禅思想を伝えるという絵本。語り手であるジャイアント・パンダのスティルウォーターさん(静水さん?)は、江戸時代後期の臨済宗妙心寺派の禅僧、仙突豪`梵(せ…

大きなくまと小さなくま

『まーくんとくま』*1の原書『Where's My Teddy?』は、息子のバイブル的絵本。大きなくまと小さなくまの対照がおかしくて、毎晩毎晩、何度も繰り返し読んだ絵本だった。最近邦訳が出て大喜びしたのだが、う〜ん、あれだけ英語でなじんでしまうと、日本語にな…

大人だったら、さらに味わえる絵本#2 センダック・ファンに

巨匠の最新作『Bears』が出た。わずか27語で表されるナンセンスな言葉遊びはルース・クラウス*1作。この詩自体は1948年、フィリス・ローワンドのペン画によるイラストですでに発表されているものだ。「bears」と韻を踏む詩をセンダック流に解釈するとどうな…

名前、衣装がロシアそのもの

わたしが1番最初に求めた3匹の絵本はトルストイの『3びきのくま (世界傑作絵本シリーズ)』。彼の書いた文という点が興味深かった。ここではおとうさんぐまに「ミハイル・イワノビッチ」、おかあさんぐまに「ナスターシャ・ぺトローブナ」、ちいさなくまの…

金髪の女の子は、ブロードウェイからやってきた?

バートンの3匹を手に入れる前は、ずっとガルドンの『3びきのくま (海外秀作絵本)』を楽しんでいた。ここに登場する金髪の女の子は、ブロードウェイの舞台か、ハリウッド映画を抜け出してきたかのような衣装を身に付けている。TVコマーシャルにも出てきそ…