fall

すきっ

絵本『すきっ』*1と出会い、主人公の女の子と対面して、昔の自分を思い出したり、娘の将来と重ね合わせたりと、とっぷり心地よいひとときに浸った。ほっぺがまんまる、ショートカットの女の子はグレーのタビー猫と暮らしている。「ぽわーん」「ふわーん」と…

しあわせな ふくろう

しあわせそうなふくろうの夫婦を見て、食べて飲んでけんかばかりしている農場の鳥たちは不思議に思った。どうしてけんかもせず、いつもしあわせなのか。さっそく理由を聞きにいくと、夫婦は自然の恵みに感謝する四季の過ごし方を教えてくれた。 こんな風にし…

Library Lion としょかんライオン

『Library Lion』(邦訳『としょかんライオン (海外秀作絵本 17)』)を読み終え、しばし涙。「愛と感動の名作」とか「珠玉の名作」という形容がぴったりの絵本だった。これは、まるで小説か映画を味わった後のような読後感。 お話は、こんな風に始まる。「あ…

Fletcher and the Falling Leaves こぎつねフレッチャーとおちば

朝夕のひんやりした空気が、紅葉を連れてきた。大きく息をして、体全体を甘い香りにゆだねてみる。この季節だけの色と香りは、秋の魔法――。 人間の場合、赤ちゃんのときから何度も秋を体験し、そのたびに「きれいでしょー」と大人たちから語りかけられる。だ…

Dooby Dooby MOO 農場の動物たちがショーで大活躍

『Dooby Dooby Moo (A Click Clack Book)』は、カントリー・フェアの季節にぴったりの絵本。ブラウン農場の動物たちは、こっそり隠れてカントリー・フェアのかくし芸コンテストに出場しようと練習を重ねていた。納屋から聞こえる寝息は「デゥービー デゥービ…

きゃああああああああ クモだ!

「あ」の数がいくつあるのか数えてしまうほど迫力いっぱいのタイトルに魅せられて、『きゃああああああああ クモだ! (児童図書館・絵本の部屋)』(原書『Aaaarrgghh! Spider!』)を読んだ。秋から冬にかけてぴったりの絵本である。 主人公は、ひとりぼっちの…

First Grade Stinks! お勉強が始まる一年生

そろそろ新学期のことを意識してもいいんじゃないかなと思い、『First Grade Stinks!』を娘と読む。 義務教育が幼稚園(年長)から始まる米国で、Kinderと1st gradeの違いは確かにあるかもしれない。1年生の方が「お勉強」を意識した教室運営になるのだけれ…

Nuts ―Noten―

季節はずれなのだが、かわいらしい絵本に出会った。タイトルは、『Nuts』。オランダの絵本である。 木の実集めの秋を迎え、ねずみは大はりきり。さっそく首にスカーフを巻き、おっきなポケットのついた赤いコートを着て、畑と農場と草地を越えたところに立っ…

木版画が伝える聖フランシス

『The Song Of Francis And The Animals』は、動物と自然をこよなく愛した聖フランシスの人となりを語る絵本。ぬくもりいっぱいの木版画が聖人と動物たち――小鳥、羊、ぶた、やぎ、りす、犬、魚などなどたくさん――のふれあいを柔らかい土色を基調に描く。最後…

こしょうひとつまみ かぼちゃスープにね!

ハロウィン前の最後の週末を迎える。この3日間、ハロウィン関連行事はあちらこちらで盛りだくさんのようだ。娘は金曜日、クラスで農場のかぼちゃ畑に出かけ、くり抜き用かぼちゃを1個もらってきた。欲張って大きいのを選ぶと帰り道、重くて運べなくなって…

息子と読む『葉っぱのフレディ』

以前に読んだのは、息子が小学3年生ぐらいだった頃だろうか。読後の第一声が「長いお話だねえ」だったけれど、次の日の下校時、「フレディ、見つけたよ!」と黄色い葉っぱを2枚手渡してくれたんだった。紅葉が散り始めたから、『葉っぱのフレディ―いのちの…

スープといっしょにあたたまる うちのハロウィン絵本#10

『Pumpkin Soup Mini』(邦訳『かぼちゃスープ』)は、絶対ハロウィンの頃に読みたい絵本。おいしそう〜なかぼちゃのスープがあたたかい色合いで描かれるから、この季節に読まなければ味わいを逃してしまいそうだ。収穫感謝まで期間を延ばしてもいいけれど、…

「木」から受ける生命力と思いやり

ハリケーン・リタに備えた避難が始まっている。カトリーナ*1に追い討ちをかけて、今度のリタ。被災地では新学期が1か月延長されたが、これじゃあ10月に入っても難しいんじゃないか。当地では基地関連の住宅に避難民が入居し始めた。主人の小学校でも受け入…

子ども心をくすぐる秋の絵本の決定版『Leaf Man』

秋の深さがたっぷり味わえる絵本に『あかいはっぱきいろいはっぱ (かがくのほん)』*1がある。女の子が育てる砂糖かえでの1年を美しいコラージュで描く仕掛け絵本は、まるで魔法がかっている。ページを開くだけ、表紙を目にするだけで、しんと体に染み入る砂…

みんなの1年

「今年クラスでいっしょに読んだ本の中から、1冊を選びなさい。その本について、絵と文で教えてください」――これは、昨日娘が取り組んだ宿題の課題である。彼女は本を選ぶのに四苦八苦。その間わたしは、もう1年が終わるんだと実感した。あと10日ほどで夏…