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Slowpoke のんびりいこうよという本

まるで自分のことのように読んだ"Slowpoke"がおもしろかった。 フィオーナはのんびりやさん。お風呂はゆっくり、朝の身支度にも時間をかける。歯みがきは1本につき32回のブラッシング。着替えは58回。父親の「バスが出ちゃうよ〜」のひとことも気にせず…

The Boss Baby 赤ちゃんの本質

赤ちゃんはまるで自分がボスのように、パパとママに要求をする。昼も、夜も、相手のことなどおかまいなしに、いつ何時でも。 乳児期のお世話は、ほんとうにたいへんだ。でも同時に自分のことをふりかえってみて、懐かしくもあるのだけれど。息子はよく眠って…

Peacan Pie Baby 赤ちゃんを待つ

二人目の赤ちゃんが生まれるとき、お母さんたちはみな上の子どもに、こんなあたたかいことばをかけているのかな……。これ、わたしはできていなかった。"Pecan Pie Baby"を読んで、非常に反省したわけなのだけれど、こんな風に美しく赤ちゃんを迎えることがで…

Don't Want to Go! シャーリー・ヒューズの魅力

子どもをよく知る人であれば、シャーリー・ヒューズの絵本は、うなずきっぱなし、うなりっぱなしの絵本となる。"Don't Want to Go!"も、やはりそうだった。 お母さんが、流感で寝込んでしまった。仕事に出かける寸前のお父さんは、小さなリリーを友人のメラ…

Olivia Goes to Venice オリビア一家のベニス旅行記

"Olivia Goes to Venice"を読み、オリビアの家にもう一匹、赤ちゃんが生まれていたことに驚く。でも、彼女はデビュー作"Olivia"のオリビアのまま〜。あれは確か9年前。その後、たくさんのシリーズ絵本・商品が出て、数と種類の多さには驚くなあ。裏返せば、…

There's Going to be a Baby 不朽の名作絵本になるはず

ジョン・バーニンガムとヘレン・オクセンバリーという英国絵本界の最強コンビ(ご夫妻)が贈る"There's Going to Be a Baby"(邦訳『あかちゃんがやってくる (こどもプレス)』)を読んだ。本音を言えばバーニンガムの絵が見たかったのだけれど、読んでいるう…

Big Red Lollipop おねえちゃんになるということは……

"Big Red Lollipop"は、ひさびさに感動移入しながらストーリーを追った絵本だった。移民という異文化背景と小さな妹たちのいる家族構成――。この2つのおかげで主人公の少女は辛い現実に直面するのだけれど、同時に姉として心の成長も体験する。 友だちのお誕…

I Love My Dad おとうさんとのたいせつな時間

アナ・ウォーカーの名前をよく耳にするので、"I Love My Dad (I Love Ollie)"を手にしてみた。こちらは'I Love Ollie'シリーズの一冊。お父さんとのまじわりが、あたたかく描かれる。やさしい水彩で描くシマウマ一家の姿が、子どもの目には魅力的だ。 シリー…

Knuffle Bunny Free トリクシー&ナッフル・バニーさいごのお話

娘が前作"Knuffle Bunny Too: A Case of Mistaken Identity"のブックレポートをしたのが、かれこれ3年前。以来、トリクシーちゃんと娘は一心同体のような気がして、3部作となった最新作"Knuffle Bunny Free: An Unexpected Diversion (Knuffle Bunny Serie…

No Time for Monsters 子どもの好きそうなものがいっぱいつまった絵本

子どもの気持ちを素直に描いた"No Time for Monsters/ No hay tiempo para monstruos"に感心した。作者が自分の子どもたちといっしょに創作したと知って納得。イラストの印象から商業主義的な雰囲気が漂うのだけれど、スペイン語併記ということでラテン系の…

Sophie Peterman Tell the Truth! お姉ちゃんの気持ち

家に赤ちゃんがやってくると、今まで一人っ子だった環境ががらりと変わる。お姉ちゃん、お兄ちゃんになった子どもたちは母親、父親を奪われ、「失恋」の痛手と同じ心境を体験するそうだ。恋愛経験に乏しいわたしとしてはそれを耳にしたときにどうもピンとこ…

When Stella Was Very, Very Small こんな頃があったのね

日曜礼拝での聖劇で、息子が小さな子どもたちを見ては「かわいい」と言っていた。「見てあの子ども、赤い服着てサンタ……」――。天使や動物たちに混じって、まだ何も分かっていないよちよち歩きの幼児たちが飛び入りで劇に混じっていた。訳も分からず飛び跳ね…

Crow Call 失われた時間を求めて

第二次世界大戦に従軍していた父親が帰還した。少女リズはほとんど父親のことを知らない。互いに失われた時間を求めて、父娘が親子としての接点を探し始める。 この表紙。一瞬写真かとも思えて、しばし眺めていた。戦争体験のある人々にとって、"Crow Call"…

The Snow Day ゆきがやんだら

クリスマスの頃に読んでいた『The Snow Day』。原書は『ゆきがやんだら (学研おはなし絵本)』で、今から約3年前に出版されている。 雪の降る一日の描写は、静かで美しい。それゆえ英訳されたわけだけれど、わたしには孤独感の描かれた絵本という印象が強かっ…

How to Heal a Broken Wing ある家族のポートレート

ボブ・グラハムの絵本*1,*2には暮らしの風景が何気なく描かれており、そこから見て取れる人の生き方がしんみりと豊かな味わいを与えてくれます。『How to Heal a Broken Wing』(邦訳『きずついたつばさをなおすには (児童図書館・絵本の部屋)』)も、やはり…

Friday My Radio Flyer Flew 思いっきり遊ぶ

おもちゃの赤いワゴン車"Radio Flyer"で空を飛ぼうとする父子が主人公。イラストの構図が突拍子もなく大胆で、自分も赤ワゴンに乗り込む気分にさせられた。分厚い色使いで塗りたくられた親子の表情を見ているだけで、ぐい〜んと魔法がかってくるのだなあ。ほ…

Fine As We Are あるカエル親子の物語

おかあさんと一緒に楽しい毎日が続いていたのに、弟、妹たちが生まれてから、カエル君の生活は180度の大転換。弟、妹たちがうるさいよー、おかあさんが恋しいよー……の気持ちを素直に表した絵本が『Fine As We Are』。四つ子の弟、妹がいたという作者の体験を…

Meerkat Mail イエっていいなあが実感できる絵本

『Meerkat Mail』は、大家族で暮らすミーアキャットのサニーが主人公。砂漠の地で家族との距離が近い生活を送っていたサニー。生活するのにもっといい場所があるのではないかと、思い切って旅に出た。絵本には旅先から家族に当てた絵葉書が、めくりの仕掛け…

The Birthday Tree 親心がしみる

『The Birthday Tree』は、作者・画家コンビに惹かれて読んだ絵本。ハッピーエンドなのだが、親心に身が引き裂かれる思いをする絵本だった。 息子3人を海難事故で亡くした船乗りは、悲劇を忘れるために妻と共に海辺を離れた。潮風の吹かない地で男の子ジャッ…

Families 世界の国からコンニチハ――子どものいる家族風景を紹介する絵本

主人のクラスで見つけてしまった、すてきな写真絵本『Families: Around the World, One Kid at a Time』。一国を代表してある家族が紹介されるのだけど、文化風土とはこうも違うのかとため息がもれた。お隣同士の国でもさり気なく異なるし、興味深い。日本か…

Pink ピンク色の大好きな女の子へ

『Pink』というタイトルからルンルン、女の子の「夢見るピンク」を思い浮かべたけれど、絵本に描かれるピンクにまつわるお話は、現実を絡めたちょっとほろ苦い内容だった。それは表紙に見える主人公ヴィヴィの表情にも表れている。ピンク色の可愛い品々に囲…

One Saturday Evening クマさん一家のどようび

うちでは水曜日を「クレイジーデー」と呼んでいる。娘が聖歌隊学校、息子がバイオリン。こういう日に、娘が晩祷で歌い、例えば今日のように息子の学校行事が入ると、もうテンヤワンヤ。友人にカープールを頼んだりするのだが、友人宅でも行事が重なっていた…

バレンタイン絵本のリストを挙げてみました

◆をクリックすると、レビューに飛びます。今年のバレンタイン絵本リストには、先日(1月4日)記した『フィアボ―おはなしのすきなまっかなさかな』*1が新しく仲間入りしています。 ◆ちっちゃくたっておっきな愛 (世界の絵本コレクション)作者: ジーンウイリス…

ウィルフきをつけて!

クリスマスの9日目 『ウィルフきをつけて! (世界の絵本コレクション)』に描かれるねずみの坊やウィルフは、まるで息子のような性格をしている。夢中になると他のことに目がいかず、どんどんやり過ぎてしまい、結局痛い目を見るみたいな。「ウィルフったら! …

Fox こぎつねの成長物語

『Fox』は、春から秋にかけた自然を背景に子ぎつねの成長を描く絵本です。ひとり立ちを助ける父母ぎつねの姿にぬくもりがあふれ、ちょっとした子育て教本になっているかもしれません。 絵の具が厚く重ね塗られたおなじみのイラストは、きつね親子3匹の悠然と…

Chester チェスターの一人旅

ちょっとシュールでほんのり温かい絵本に出会いました。『Chester』は、寂しげな犬の姿を通して、現代社会の一面を投影させる哀愁帯びた絵本です。同時にアート心もくすぐり、画集として飾っておきたいような風貌も持ち合わせます。 家族のみんなは学校や会…

What Happens on Wednesdays わたしのだいじな水曜日

絶対水曜日に記録しておきたいと思ったのが、『What Happens on Wednesdays』です。タイトルの通り、おはようからおやすみまで、お父さん、お母さんと過ごす水曜日の一日を語るだけのお話なのですが、これが深まる秋頃に相応しく、しんみり子どもの時間を見…

A Mama for Owen オーウェンとムゼイのイラスト絵本

世界的に有名になったかばのオーウェンとかめのムゼイ。彼らの物語を美しいイラストで描いた絵本が『Mama for Owen (Rise and Shine)』です。ドキュメンタリーと違い、人間はまったく登場しません。純粋にオーウェンがムゼイを母親として慕う、哺乳類、爬虫…

A Father Like That そういうお父さんがいいな

『A Father Like That』は、父親を知らない少年が「もし父さんがいたら……」と父親像を思い描く絵本。ゲームをしたり、本をいっしょに読んだりと、憧れの日常を母親につぶやくのだった。 昨年度、主人の担任したクラスは半数以上がシングルファミリーで、父親…

Ready, Set, Skip! スキップできたよ!

『Ready, Set, Skip!』に描かれるのは、スキップができなくてしょんぼりしている女の子と、彼女をあたたかく見守り励ますお母さんです。口笛も上手に吹けるしローラースケートだって得意なのに、どうしてスキップができないのかな。女の子は沈みがち。年頃は…