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Ducking for Apples かわいいあひるちゃんたちの秋

自転車で秋風を切るあひるちゃんたちの姿がかわいい! りんごを家に持ち帰り、みんなでおいしいリンゴパイを焼くところがほかほかしていて、今の季節にぴったり。それぞれの表情がユーモラスで、押韻のリズムとともに、子どもは一瞬にしてあひるちゃんたちの…

公爵夫人のふわふわケーキ

ふだんケーキなど焼いたことのない公爵夫人がケーキを焼くと……。「わたしは 今から、ふんわり ふわふわ、あまーいケーキを やきますからね」。教授を申し出た料理番の言うことも耳にせず、公爵夫人ははりきって作業にとりかかる。そうしてできあがったケーキ…

The Apple Pie that Papa Baked パパがやいたアップルパイ

甘酸っぱい香りのアップルパイは、大地の恵みとパパの愛情がたっぷり焼き込まれた一品。自然のいつくしみに感謝しながら、ひとくち、ふたくち。りんごの果肉色のような表紙の色調を目にするだけで、すでにアップルパイが食べたくなっているのだから、ページ…

Bring Me Some Apples and I'll Make You a Pie: A Story About Edna Lewis 果樹園と畑に囲まれた楽園

自然の恵みを収穫し、旬の野菜・果物を食卓に運ぶ「食」の原点を語り続けた料理家エドナ・ルイス(1916-1992)。絵本『Bring Me Some Apples and I'll Make You a Pie: A Story About Edna Lewis』で、少女期の暮らしぶりを知り、ひたむきな食へのこだわりに心…

Wild Boars Cook ロソフのいのしし絵本2冊目

ロソフのいのしし絵本2冊目。ワイルドな4匹が戻ってきた。前回はとっても「悪」な絵本*1という印象で個人的に馴染めなかったのだが、今回の『Wild Boars Cook』はすごくいい。食べ物の話なので、子どもが大いに喜びそう。おなかをすかせたボリス、モリス、ホ…

リスとお月さま

先週、お気に入りのチーズクラッカーがセール品になっていた。多めに買込みほくそ笑んだのだが、今週はすで元の値段に戻っていて、「もう少し多く買っておけばよかった」と毎度の後悔。チーズって、美味しいから。ヨーロッパ人のようにたくさんの種類は知ら…

ぐりとぐら

絵本『ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)』から春を感じる一番の理由は、「たまご」にあります。復活祭を想起させるたまごの形と、そのたまごで甘い香りのカステラを焼きみんなでいただく場面――。ここに春の到来を心からお祝いする喜びが…

Duck Soup スープのすきなあひるくん

野菜の滋養と水分がいっしょに取れるスープ、わたしは大好きです。『Duck Soup (Max the Duck)』の主人公は、そんなスープの魅力を知るあひるくん。とびきり美味しいスープを作ろうと奮闘する姿が描かれます。 「隠し味はハーブにあり」。あひるくんがハーブ…

The Great Doughnut Parade ドーナッツの誘惑

突然、無性に食べたくなるもの――。ドーナッツは必ずその一つに入ります。特に最初の一口が格別で、うっすらと砂糖衣のかかった儚い甘さに胸躍らせながら、パクリと一口かじりたくなるのです。娘といっしょに『Great Doughnut Parade』を読み、ここにはそんな…

The Moon Might Be Milk おつきさまはミルク?

娘が好きそうなお話だったので『The Moon Might Be Milk』を勧めたところ、「これ、だ〜いすきい!」と絵本を抱きしめて飛び跳ねてきました。「ママ、ムーン・クッキー焼かなくちゃね!」――。 まろやかな光を放つ満月を見て、女の子がネコに問いました。「お…

Sausages 3つの願いがかなうとしたら……

『Sausages!』は、人間の浅はかさをユーモアで絡めた民話です。ストーリーラインは、岩波書店から出ている『みっつのねがいごと (岩波の子どもの本)』と同じでした。 小人を助けてあげた貧しいきこりは、お礼に3つの願いをかなえてあげようと言われます。家…

How to Bake an American Pie 米国の理想を詰め込んだ絵本

『How to Bake an American Pie』は、米国建国の理想をパイ作りに込めた絵本です。いちごとブルーベリーを盛り付け星条旗をあしらったパイは米国7月4日の風物詩ですが、絵本の中で猫ちゃんと犬くんの焼くパイはこういった普通のパイではありません。北米の…

The Cheese チーズいただき大作戦

『The Cheese』は、ねずみとチーズの宿命が、童謡"The Farmer in the Dell"を伏線に語られるお話。歌の最後に出てくる"The cheese stands alone"という下りが、このお話では「絶対的なおきて」として存在していて、美味しそうなチェダーチーズが、なぜ野原の…

Mouse Cookies & More: A Treasury ねずみクッキー シリーズ愛蔵版

クリスマスの頃に見かけ、かわいいなあと思っていた『Mouse Cookies & More: A Treasury (If You Give...)』を再度手にした。あのぐるぐる話シリーズ*1,*2から四話『If You Give a Mouse a Cookie (If You Give...)』『If You Take a Mouse to School (If Yo…

Fast Food おやさい くだもの しゅっぱつしんこう!

野菜や果物でオブジェを作るシリーズ第六弾『Fast Food』を読む。本作ではきのこさんと長ネギさんが、たくさんの乗り物をご紹介。船、トラック、列車、ヨット、三輪車、気球、潜水艦……スキーやスケート、ソリに乗ったサンタさんも出てくるので、時節も意識し…

さつまいものあめ炊き(もどき)

過去、あめ炊きを目指し、甘煮で終わっていることから、再度挑戦。しかし、黄金色の誘惑は甘煮となる時点でやってくる。今回もまた……。 収穫は、子どもたちが過程を楽しんでくれたこと。水あめのように砂糖が糸を引き始めてところで終わりにした。本来ならこ…

The Red Lemon あかいレモン

「赤いレモンって、本当にあるのー?」――。『The Red Lemon (Deluxe Golden Book)』の表紙を見て娘がつぶやいた。それで一気に真っ赤なレモンの存在が気になりだす。 ぷくぷくまるまる元気な農夫マクフィーさんのレモン畑は、柑橘の香りがそよぐご自慢の畑。…

The Shivers in the Fridge 冷蔵庫の中のブルブール一家

このユニークなお話の設定は、いったいどうやって生まれたのだろう。『The Shivers in the Fridge』の舞台は、とある冷蔵庫の中である。ここにやってきて以来、ブルブール一家は毎日ぶるぶる震えながらの生活を送っている。白い息を吐く表紙の一家を見ただけ…

アルバートの感謝祭

この秋最初のパンプキンパイを焼く。子どもたちの帰宅を待って、三人でおやつに食べた。しっとり甘くて美味しいね。シナモンやジンジャー、クローヴの香りが、深まる秋をあらためて教えてくれた。こうして収穫感謝の準備に取りかかり、あっという間にホリデ…

がんばれ じゃがいも

煮物・煮豆の季節到来。寒い季節、ぐつぐつ鍋の立てる音と湯気の匂いは、ほっと心の和みになる。選ぶ絵本も、やっぱり食べ物テーマの絵本が多い。 待ってましたと言わんばかりにお出ましなのが『がんばれ じゃがいも (世界の絵本)』(原書『Brave Potatoes (…

The Runaway Dinner ごちそう にげた 

子どもは、食べ物のお話が大好きである。ストーリーは平坦でも、食事風景や好きな食べ物が出てくるだけで何だか夢中になっている。「食べたくなっちゃった」とか言いながら。ご多分にもれず、『The Runaway Dinner』もそうだった。 男の子が食べようとした夕…

Pancakes for Supper! みんなでホットケーキ!

『Pancakes for Supper』は、ヘレン・バナマン作『Little Black Sambo (Wee Books for Wee Folk)』(邦訳『ちびくろさんぼのおはなし』)を北米ニューイングランドの風土に合わせてアレンジしたお話だ。差別用語「サンボ」を使用せず、お話のおもしろさをそ…

Pizza Kittens ピザねこ

『Pizza Kittens』は、娘が初めて自分の図書カードで借りた絵本。学校の図書館と違い、「お財布に入る」「自分だけの」「小さな」「大人っぽい」カードが持てるとあり、申し込み用紙とカードにサインをするときなどとても興奮していた。息子のときはキンダー…

The Gingerbread Man はしれ! しょうがパンぼうや

おとぎ話や民話の魅力は、とてもひとことで言い尽くせない。長い歳月にわたり愛された物語には、誰が何をしたって到底かなわない言葉と心の躍動がつまっている。世界中どこでもそうなのだから、子どもと親、家族の関係と同様、お話と人の関係も時代や場所が…

ちゃんと たべなさい

デイジーのお豆ぎらいを、お母さんがどう対処したか。親の知恵を描く「好き嫌い絵本」が多い中、『ちゃんとたべなさい (世界の絵本コレクション)』(原書『Eat Your Peas (Daisy Books)』)は視点がとてもユニークだ。「おまめ、だいきらい!」と主張するデ…

COOKIES: Bite-Size Life Lessons 一口食べて 人生のお勉強

子どもの大好きなものを用いて、大切なことをわかりやすく伝え、大人もいっしょに楽しめる絵本。『Cookies: Bite-Size Life Lessons』を読み、作者*1にまた一本やられたーと思った。おいしいクッキー作りを介して、社会生活を送るに当たり忘れてはならないこ…

THELONIUS MONSTER'S SKY-HIGH FLY PIE

気持ち悪くておどろおどろしいけれど、かわいくて愉快。主人といっしょに『Thelonius Monster's Sky-High Fly-Pie』を読み、子どもに受ける!と互いに相づちを打った。怪物セロニウスが、ハエパイを作るお話である。 食したハエの味が忘れられず、ハエパイを…

まめぼうやのリトル・ピー

『Little Pea』の邦訳『まめぼうやのリトル・ピー』が出ていた。さっそく注文。あっさりデフォルメされたイラストがそれとなく日本風なので、描かれる状況に違和感がないと思う。わたしが感想*1を書いたのは、去年の秋だ。この夏帰って来る娘に、今度は日本…

それは ひ・み・つ

『それは ひ・み・つ (世界の絵本(新))』の主人公は、小さなねずみくんです。ある日、きれいな、真っ赤なりんごを見つけ、「ぼくだけの ひみつに しようっと……」と、こっそり土の中に埋めました。そこに次々と動物たちがやってきて、何を隠したのか尋ねます…

おしゃべりなたまごやき

子ども時代を振り返るとき、忘れられない絵本があります。『おしゃべりなたまごやき (日本傑作絵本シリーズ)』は弟の愛読絵本でしたが、読んでもらうときは小学生のわたしもいつもいっしょでした。 何百、何千というにわとりの大群と子どものような王さまの…