humor
ことばとイマジネーションに遊ぶ、おもしろい絵本に出会った。"Supposing (The New York Review Children's Collection)"は、1960年初版の作品。突拍子もない仮定文にシンプルなペン画が添えられ、シュールな空想遊びにいざなってくれる。 たとえば表紙…
動物が人間の子どもをペットにしたら、どんなことが起こるだろう。子どもにとってワクワクしそうな視点の逆転を描いた"Children Make Terrible Pets (Starring Lucille Beatrice Bear)"は、作者が小さな頃、母親に問われたひとことから発想を得たらしい。森…
昨日に続き、書店の袋に入れっぱなしになっていた絵本。 レーン・スミスさんがまた、やってくれた! と喜び勇んで手にした"It's a Book"は、インターネット時代の幕開けを皮肉るに相応しい傑作である。情報革命はもちろん90年代中ごろに黎明期を迎えていた…
リトル・プリンセスの絵本は久しぶり! "I Want My Light On! (Little Princess)"を開きながら、娘が自分の体験を振り返っていた。暗闇が怖くて、やはりこの絵本のリトル・プリンセスと同じように「あかりをつけて〜」とお願いし通したんだよね。わたしも子…
世界の果てには何があるのか――。"The King of Quizzical Island"は、自分で確かめてみた王さまのお話。ティーバッグの木で作った船に乗り、いざ出発。さいしょにたどり着いたところは、ジグソーパズル島。次は縦の島で、なんでもかんでもすべてが縦向きにな…
"Wink: The Ninja Who Wanted to Be Noticed"の表紙でメガネをかけた忍者を見て、「これって、にんたま乱太郎に少なからず影響受けてるわけ?」の第一印象。自ら空手を習い日本文化に通じる作者らしいけれど、忍者学校の遠足でパンダのいる動物園に行ったり…
英国の絵本だろうなあと思いながら手にした"Sneaky Weasel"。わはは、案の定、ブラックユーモアがぴりりと効いていて面白かった。自他ともに認める意地悪で嫌味たっぷりのイタチがパーティを開くのだが、いつもいじめられている動物たちは誰も出かけなかった…
12のおぞましいできごとが紹介される絵本『Twelve Terrible Things』は、個人的なスキーマによりさまざまな反応を生む作品だ。アイスクリームをぼとんと落とした瞬間、歯医者さんがピカピカのかぎ針を携えこちらの顔をのぞきこむ光景……など、娘は幸か不幸か…
『Wiggle (Bccb Blue Ribbon Picture Book Awards (Awards))』も愉快な絵本だったけれど、ちょっとsilly(おふざけ)な部分がどうかしら?という印象だった。でも、今度の『Bounce』は100%どっぷり、犬くんと遊べるね。きっと春だから、冒頭のぴょんぴょん…
『ハエくん (ほんやくえほん)』ってどんな絵本なのだろうと思っていたら、偶然図書館で原書スペイン語の「La Mosca」を見かけた。スペイン語圏の生徒たちと読もうかなと軽い気持ちで借りてきたのだが、これが最高におもしろくて大正解! 家では絵を見てとこ…
このユニークなお話の設定は、いったいどうやって生まれたのだろう。『The Shivers in the Fridge』の舞台は、とある冷蔵庫の中である。ここにやってきて以来、ブルブール一家は毎日ぶるぶる震えながらの生活を送っている。白い息を吐く表紙の一家を見ただけ…
子どもは、食べ物のお話が大好きである。ストーリーは平坦でも、食事風景や好きな食べ物が出てくるだけで何だか夢中になっている。「食べたくなっちゃった」とか言いながら。ご多分にもれず、『The Runaway Dinner』もそうだった。 男の子が食べようとした夕…
ふだんはただの「モノ」でしかない物が、動物キャラクターに姿を変えて動き出した。言葉の魔術師プレラツキーの新しい詩集絵本『Behold the Bold Umbrellaphant: And Other Poems』は、動物化したモノが洒落た詩とコラージュで表現される楽しい作品である。…
「神さまって、どこにいるの?」「天国」―「天国って、どこにあるの?」「空の上かな」―「ふーん」。こんな会話が最近あったところに、娘が学校でのかわいいエピソードを報告してくれた。「先生がね、『雨ってどうして降るのか、みんな知ってる?』って聞い…
絵本の題名『Once Upon a Banana』を劇場の公演タイトルとかけ合わせ、ダウンタウンの一角に巻き起こる愉快なできごとを描く文章のない絵本。文章がないからと、侮ることなかれ。文字以上に絵と構成が、ストーリーを巧みに物語っている。 表紙には、大道芸人…
『The Ugly Pumpkin』は、かぼちゃ版アンデルセン「みにくいあひるのこ」である。ハロウィンから収穫感謝まで、「みにくいかぼちゃ」のたどった軌跡が哀しくユーモラスに、でも最後は愉快に描かれる。 形が変わっているばかりに、ハロウィンの仲間に入れても…
『The Extinct Files: My Science Project』――対象年齢が五歳から八歳でも、息子に大受けしそうな絵本だなあというのが第一印象。絵本まるごと一冊が、恐竜が絶滅していないことを、仮説を立てて証明しようとするウォリー少年の研究発表になっている。 いま…
今週は小学校のブックフェアもあり、意識的に図書館・本に関連した絵本を読む。本日は、娘の大好きなチャーリーとローラシリーズから遅ればせながら『Charlie and Lola: But Excuse Me That is My Book』。ここのところ、たくさんシリーズ作品が出ていてうれ…
書店で『Flat Stanley』に目が吸い寄せられた。うちには初版(『Flat Stanley』)の邦訳『ぺちゃんこスタンレー』しかないし、チャプターブックとしてシリーズ化されている作品は、みな大人の手のひらサイズ。このサイズに慣れていたから、どどーん!と目の…
サメじろうとザリガニえもんは、大の仲よし。ある日、サメじろうが実態を知りもしないのに、「トラが怖い」と言い出したところからへんてこりんな騒動が巻き起こる。「聞いたことがあるよ、とがった歯で歩いて、闇の中で光り、何でもガブリって食べちゃうん…
タイトル『Once Upon a Time, the End (Asleep in 60 Seconds)』を目にしたとき、思わず子どもたちの笑顔が浮かんだ。このフレーズ、息子、娘のお気に入りなのだ。娘は今でもおはこのジョークとして得意げに唱えてくれる。こうして興味を持った絵本の内容が…
昨日読んだ絵本『Animals Should Definitely Not Wear Clothing』(邦訳『どうぶつにふくをきせてはいけません』)*1の続きで、シリーズ第2弾となる『Animals Should Definitely Not Act Like People』を読む。人間のような生活を送るとこんなことになっち…
最近邦訳が出たし、3日前手帖に書き込んだ*1のでバレットの『Animals Should Definitely Not Wear Clothing』(邦訳『どうぶつにふくをきせてはいけません』)を読む。動物が洋服を着ると、こんな風になってしまいますよとユーモアたっぷりに教えてくれる絵…