summer
娘といっしょにケビン・ケンキーズの新作絵本"My Garden"を読んだ。やわらかな陽射しが気持ちよかった今日にぴったり。 お母さんの庭作りを手伝いながら、女の子は空想に耽る。もし、わたしの庭があったら……そこでは、花は枯れることなく咲き乱れ、願えばそ…
"Bear Flies High"には、子どもの頃に体験した夏が詰っている。青い空、白い雲、光る風、波しぶき。でも、この絵本の中では、くまさんもいっしょ。夏の始まりを再現しながらページをめくった。 浜辺を走り、空を見上げて「飛びたいなあ」とくまさんは夢を描…
表紙のこの入道雲、子どもの頃、夏になったら毎日見上げていた。気持ちよかった、何の束縛もない開放感。"All the World"でうたわれる世界は、自由で安心に満ちている。 描かれるのは建物の雰囲気からテキサスあたりの海岸風景。けれども、絵本に流れる空気…
大好きな文字なし絵本"Wave"が『なみ (講談社の翻訳絵本)』として出版されました。 表紙の「なみ」という手描きの流れが、さわやかな潮風になってこちらに渡ってきます。生涯、出会えてもっとも感動した絵本の一冊に入るかなあ。ああ、また開きたくなってき…
シャボン玉に入って、ぷかりぷかり。なんて可愛らしく、楽しい絵本だろう。"Bubble Trouble"(邦訳『しゃぼんだまぼうや』)は、ポリー・ダンバーとマーガレット・マーヒーのコンビということで、魅力的でないはずがない。淡い涼しげなイラストとリズム感あ…
新緑がまぶしく揺れ出す6月は、初夏のみずみずしさに包まれる。庭のさくらんぼが美味しそうに色づいてきて、小鳥のさえずりとともに夏のはじまりを告げるのだ。爽快に広がる空を見上げての、この開放感。夏だよー。今日で学校のチューターもおしまい。裏庭が…
個人的にカエルさんのほうが好きだけれど、こちら"Butterflies and Moths (Nic Bishop)"も息を呑むクローズアップ写真が満載だ。蝶々や蛾の表情までもが見えるような距離感に迫ると、自然界の魔力に包まれるというか。小さな息づかいが伝わる中、何とも不思…
お気に入り絵本の分類を考えてみた。(フィクションに限る) 圧倒的な絵の力がみなぎる絵本、アートが独特の世界を構築する絵本……「絵」に魅せられる絵本 深く静かなマジカルワールドに誘われる絵本……「ことば」と「お話」に魅力の秘密が宿る絵本 絵本といっ…
"Augustus And His Smile"を読んだときはあまりピンとこなかったのだけれど、今度の"Harris Finds His Feet"は、作者の研ぎ澄まされた感性にビビッときた。 洗練、繊細、エレガント――光と影、濃淡を巧みに操り、大胆な構図で流れていく各ページはアートの極…
いろいろなことが偶然に重なり、その意味からも今日は『わたしのメリーゴーランド』について記しておこうと思いました。まず、重なった事象とは――①一昨日、メリーゴーランドがテーマの絵本を紹介していたこと。②色の魔術師ブライアン・ワイルドスミスに師事…
"There are fairies at the bottom of the garden"('Fairies' by Rose Fyleman)……お庭の深みには妖精たちがすんでいるので、はっとするようなことがおきてもまったく不思議ではない……そうです、そうです。お庭には妖精たちが棲んでいます。春の目覚めに触れ…
自然や季節をたたえる詩は、数多くある。自然詠は基本中の基本テーマなので視点の瑞々しさが多々問われる中、『All in a Day』に強く惹かれた理由は、題材が当地の自然だったからだろうか。知らず知らずのうちに見入り、読み入り、太陽の温もりや土の湿りぐ…
『The Cardboard Piano』と聞いて、そういえばわたしもピアノを習い始めた頃、紙の鍵盤に指を置いてキーの名称を覚える練習をしたっけ……と思い出した。紙の存在はたとえ見立てであっても子ども心をくすぐり、自分が魅せられたのと同様に娘もさっそく作りたい…
『おたすけこびと』は、英語版『Who Made This Cake?』を通して出会った絵本です。小人たちが「働く自動車」に乗ってすてきな計画を実行する絵本と知り、即座にアマゾンのボタンをクリックしていました。 息子が小さな頃に出会っていたかった絵本でした。ク…
3人兄弟のまんなかは、『Martha in the Middle』のマーサのように何となく存在感が薄くなりがちなのかしら。大事にされるお姉ちゃんのクララと、可愛がられる末っ子ベンにはさまれて、誰も相手にしてくれないと感じたマーサは家出をしてしまいます。ところが…
『Horse Song: The Naadam of Mongolia (Adventures Around the World)』は、作者ルーウィン夫妻が夏のモンゴルを訪れ、伝統的な子ども競馬レースをルポした絵本。巻末に解説が付き、モンゴルの文化風習・生活も、もちろん同時に学べる。 夏のモンゴルかあ。…
『I'm the Biggest Thing in the Ocean!』*1の2冊目『I'm the Best Artist in the Ocean!』も面白かった。このイカした大イカさんの風貌だけでもうやられた!という感じ。最後はやっぱり駄洒落で幕が閉じられている。 作者はアパレルのブランドを持っている…
『Tweedle Dee Dee』は、巻末にピアノの楽譜が付いた歌絵本です。 ある日、葉の生い茂る夏の木立ちで見つけたのは鳥の巣です。中には青い卵が3つ。ロビンの卵でしょう。卵が返ればもちろん、元気な歌声が。さらりと描いた淡い水彩の、夏の面影がほんとうにさ…
青いお部屋でないと眠れないと言うアリス。母さんは紫ライラックと白百合、オレンジ色のお茶、緑のふかふか毛布、そして小さな鈴の飾りを順に運んできてくれますが、やはり青いお部屋の存在にはかなわないようです。でも電灯を消すと部屋は月の光に包まれて…
『Thumbelina: Tiny Runaway Bride』は娘用と思ったのですが、自分のほうが夢中になっていました。まず本の表紙をご覧になってください。瑞々しい若草色を背景に、鮮やかな青緑色のシルエットと、白い手描きの文字が洒落ていると思いませんか。わたしの場合…
海の見渡せるリンゴの果樹園、浜から漁に向かう漁船の先に朝日が上ります。今日は市場の日。リンゴ農家のベンソン一家も露店を出すので、朝からみんな大忙しです。お話は主にマーケットでの準備の光景を描きますが、そこで何者かが悪意無く準備の邪魔をして…
見わたす限り広がる野原の気持ちのいいことと言ったらありません。わたしは田舎育ちなので、空が大きく見える野原はいつもまわりにありました。特にお気に入りだったのが、千曲川の土手に広がる広々とした畑の光景です。夏を舞台に、草の香と、黄金色の太陽…
さわやかな初夏にぴったりの絵本に出会いました。『のいちごそうはどこにある?』は、ホップさんという「ちいさなひと」と森の動物たちが繰り広げる愉快なお話です。北欧の自然を背景に、親しみのある美しい日本語が語りかけます。 ホップさんはシュスリング…
これまた海の描写が美しい絵本*1。『Necks Out for Adventure: The True Story of Edwin Wiggleskin』は、蛤が主人公という珍しい絵本です。波しぶきをあげるエメラルド・グリーンを見ているだけで、ほれぼれとしてしまいました。きれい。北斎の波うらのよう…
2年生の教室で『Swimmy (Knopf Children's Paperbacks)』(邦訳『スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし』)を取り上げた。今月は、"inferring"と"big idea=theme"が学習課題。 読み終わった後、サブの先生が質問した。「このお話で、みんなが学んだこと…
一目ぼれにふさわしい出会いだった。白と水色がさわやかな横長の表紙。『Wave』(…感激して紹介しようと思ったら、まだアマゾン・ジャパンには出ていない様子。…入ったようなので、加えました…4/24)――もうこの時点で、この夏の運命の出会い。 木炭素描とア…
作者は絶対に男の子のお母さん。会話から、行動から…夏の男の子の日々が手に取るように浮かんできた絵本が『A Couple of Boys Have the Best Week Ever』である。 アイマンは親友ジェームスといっしょに、海辺に住むジェームスのおじいちゃん、おばあちゃん…
少年が空き缶とコルク、布切れで作ったおもちゃの船。ある日、浜辺で遊んでいたら波にさらわれてしまった。どんどん沖へと流されて、小船は大海で冒険を重ねることになる。大きな船、レースをするヨットの群れ……先々で出会う船にはみな表情があり、気取り屋…
クリスマスの10日目 笑う門には福来る、新春初笑い。『おしゃぶりだいすきニーナちゃん』を娘と読んで大笑いした。おしゃぶりをやめたがらないニーナちゃんにお母さんがいろいろ質問し、おしゃぶりをしゃぶったままのニーナちゃんが応える無邪気な会話が最高…
クリスマスの9日目 『ウィルフきをつけて! (世界の絵本コレクション)』に描かれるねずみの坊やウィルフは、まるで息子のような性格をしている。夢中になると他のことに目がいかず、どんどんやり過ぎてしまい、結局痛い目を見るみたいな。「ウィルフったら! …