しゅくだい 日本語

 娘の衣類が遅ればせで日本から届く。中に絵本『しゅくだい (えほんのマーチ)』が入っていた。これ、「だっこ」が宿題に出るお話だ。
 めえこ先生が言いました。「きょうの しゅくだいは "だっこ"です」。これを聞いて生徒たちは「えー、うそー」「はずかしいよー」「どうしよー」と大騒ぎ。みんなの前で「やだ〜」と言っていたもぐらのもぐくんは、おうちでどんなひとときを過ごしたのかな。お母さんは小さな赤ちゃんに時間をとられ、なかなかもぐくんと遊んであげられなかったのだけれど……。
 ストーリーは知っていたけれど、実際ページを開くと涙が止まらなかった。小さな子どものやわらかさ、温もり、サイズ、においのリプレイは、親として人生で一番の瞬間なのだとあらためて思った。どんなに歳をとっても、この喜びだけは一生変わらない。
 帰宅した娘に聞くと、日本でお誕生会を開いたときに、お友だちの一人からいただいたのだそう。すてきな贈り物を、どうもありがとう。「この絵本、大好きなの。読んで、読んでー!」と即座のリクエストだった。
 日本滞在を経て、すっかり日本の女の子になって帰ってきた娘。2歳まで日本人で、それから英語になってしまい、7歳で再び日本人に戻ってくれた。「また母語で話せるようになり、親子の絆が深まったんじゃないの?」と主人から指摘された。そうだと思う。言葉は心だもの。もちろん子どもたちはこの地で米国人として生きていくのだけれど、少なくともわたしとは日本人としてお付き合いをしてくれることがうれしい。息子、娘と日本語で話せることに、心から感謝。彼らと時間を過ごしてくれた両親に、心から感謝。(asukab)
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  • ほんわか、あったか、忘れたくない気持ちがつまっている

しゅくだい (えほんのマーチ)

しゅくだい (えほんのマーチ)