森の声が聞こえるよ

 『ききみみずきん (岩波の子どもの本 (18))』は、わたしの大好きなお話だった。「動物って、何をしゃべっているのか」――これは子どもにとり永遠の興味の対象じゃないだろうか。写真絵本『Lost In The Woods: A Photographic Fantasy』では、ひとり残された子鹿を囲み、森の動物たちがおしゃべりしあう。
 森の緑が、とにかくきれいだ。森林浴をしているような気分になる。おしゃべりが続く臨場感もあり、森の息づかいがそのまま流れてくる。母鹿がなぜ生まれたばかりの子鹿をひとり置き去りにしたのか、自然界ならではのみごとな理由には、思わずうなってしまった。動物の単元でほ乳類を学んだばかりだったから、娘にはちょうどいいタイミングだった。動物たちのきょとんとした表情が愛敬たっぷりで、しゃべり方を演出すればまさに生きた森が再現できる。
 この絵本には冬版『Stranger in the Woods: A Photographic Fantasy (Nature)』があり、こちらがこの写真シリーズの第1弾。これは、子どもたちの教母からのクリスマス・ギフトだった。雪だるまを囲み動物たちがおしゃべりしあう絵本で、ため息が出るほど雪の森が美しい。(asukab)


ききみみずきん (岩波の子どもの本 (18))

ききみみずきん (岩波の子どもの本 (18))



Lost In The Woods: A Photographic Fantasy

Lost In The Woods: A Photographic Fantasy


Stranger in the Woods: A Photographic Fantasy (Nature)

Stranger in the Woods: A Photographic Fantasy (Nature)