おやゆび姫と花

 花の出てくるお話と思い、『おやゆびひめ』を読む。娘はおやゆびトムくん(おやゆびこぞう)のことに触れながら、小さなおやゆび姫のサイズを自分の親指と比べて、何度もイラストと確認。ちょうど、彼女の指の大きさぐらいに描かれているのだ。べスコフのものも読みたかったけれど、今日はオットーのイラスト。
 それにしても、冒頭のおやゆび姫のかわいらしいこと。くるみの殻がゆりかごで、青いスミレが敷き布団、バラのはなびらが掛け布団。小花で飾り水を張ったお皿で、白い馬の毛をオールがわりにしてチューリップの花びらのボートをこいで遊ぶとは……、想像するだけで妖精がふわりと飛び出してきそうな世界に浸れてしまう。造花の花びらで娘に妖精を作ってあげたけれど、これはおやゆび姫も作らなくちゃ……と創作意欲が湧いてきた。
 物語自体はおやゆび姫の冒険もので、怖いことや悲しいことも描かれる。ひとつひとつのできごとが何かの象徴のようで、わたしはアンデルセンの心の中を探ってしまった。
 長いことはわかっていたのでコガネムシ一家に置き去りにされたところまでで、今日はおしまい。娘は、その後のイラストをじっくり眺めていた。モグラやネズミ、ツバメさんが出てくるね。(asukab)

おやゆびひめ

おやゆびひめ