歯の妖精の国

 くすくすと笑える、かわいらしい絵本。オードリー・ウッド作の歯の妖精(tooth fairy)をテーマにした『Tooth Fairy (Child's Play Library)』だ。米国には(みんながそうだというわけではなく、知らない子どもたちもいるのだろうが)、抜けた歯を枕の下に置いて眠りにつくと夜中に歯の妖精がやって来て、宝物や25セントや1ドルなどのお金と歯を取り替えてくれるという、何やら楽しい迷信がある。子どもの歯が抜けて、「大きくなったんだね、おめでとう」という親の気持ちの表れがこんな風習になったのかな……などと想像を巡らせてしまうけれど、実際のところどうなんだろう。小さな子どもは、これを信じることになり、妖精からお金をもらいたい息子は歯が早く抜けるようにと真剣にお願いしていたっけ。まわりの友だちには妖精がやってきたというのに、ぼくのところにはまだこない……なんてぼやいていた。歯は無理にぐらぐらさせずに、自然にしておくのがいいんだよ。分かっていても触ってしまうのは、ママも同じだったけどね。
 この絵本でも、先に歯の抜けたマシュウをうらやむジェシカが登場する。彼女は、なんと!とうもろこしの粒に細工をこらして「歯」にしてしまい、歯の妖精の国を訪ねるのだけれども……。笑える場面がいっぱいで、息子が大好きだった絵本。今度は娘の番かなあ〜と、スタンバイしている。(asukab)

Tooth Fairy (Child's Play Library)

Tooth Fairy (Child's Play Library)