視点の違い あり3部作(3)

 『Hey, Little Ant』は、父娘のバンドコンビが作詞・作曲した歌絵本。きっと道端で見かけたありを話題にして、お父さんと盛り上がりながら作った歌なんだろうなあ。小学生ならではの視点が生きている。お話は、ありを踏みつぶそうとする男の子とつぶされまいとするありの会話で進められる。「人間と虫」という置かれた状況の違いをおもしろおかしく歌い上げていて、子どもが喜びそう。どちらにも共感できてしまう!? ありが自分の家庭事情を説明するところなど、ちょっともの哀しくもあるけれど。うちでは息子が小さな頃、よくいっしょに歌った。
 こういう視点の違いを描く作品は「教材として最適」と裏表紙に記されていた。確かに。特に高学年から中学生ぐらいの授業で、何かエッセイを書けばいろいろな視点に気付けると思う。ディベートにしたら白熱しそう、人間チーム対ありチーム! 別の状況に置き換えてみると結構重いテーマになり、大人でも考えさせられる。クラスで利用してみたいと主人も言っていた。(asukab)

Hey, Little Ant

Hey, Little Ant