米国暮らしの絵本手帖〜米国絵本体験、はじめの一歩〜

 娘の出産を終えた翌朝、帰宅する前に産院で受け取った一式には、赤ちゃん用毛布、たらい2つ、母親の水分補給用保温マグカップ、ペーパーバック絵本『Good Night, Moon(おやすみなさいおつきさま)』、そして「Read-To-Me (本、読んで)」とプリントされたTシャツ、全5点が入ってました。Tシャツは赤ちゃん用のそれはそれは小さなサイズで、テディベアが「本、読んで」のメッセージを掲げています。
「成長していく子どものために大人ができることのひとつは、いっしょに本を開くこと」――絵本とTシャツが発するメッセージは、産院を後にする親たちの心に深く刻まれることもあれば、育児に追われ忘れられがちになることもあるでしょう。いずれにしても、子どもの文学が花開いた国々では、あるいはその文化・伝統を受けつぐ地域では、少なくともお誕生日のその日から社会全体が、「いっしょに本を読み、楽しみなさい」というメッセージを発信し続けている――テディベアの笑顔を見ながら、そんなことを再確認しました。(asukab)