四季の絵本手帖『おかあさんだいすき』
- 春の9ページ おかあさんだいすき (岩波の子どもの本 (5))
- 作者: マージョリー・フラック,大沢昌助,光吉夏弥
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1980/11
- メディア: 単行本
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お母さんの誕生日を迎え、ダニーは贈り物をしたいのですが、何にすればいいのかわかりません。贈り物を探す途中で出会う動物たちに何がいいか尋ねてみると、彼らは生活を支える心のこもったものを提案してくれました。めんどりは産みたてのたまご、がちょうは枕を作る羽、やぎはチーズを作る乳、ひつじは毛布を作る毛、めうしは牛乳――動物たちの申し出に、子どもの心はダニーと同じようにあたたまったことでしょう。でも、残念ながらそれらはすでに家にあるものばかりだったので、ダニーはくまに知恵を貸してもらおうとひとり森を訪ねることにします。テンポも雰囲気もガラリと変わるこのページ以降、子どもはダニーの行方を一心に見守ることになります。
くまの提案は、お金では買えないそれはすてきなものでした。愛する我が子から世界一の贈り物をされたお母さんは、世界で一番の幸せを味わいました。誰もが納得する一番の贈り物に、子どももダニーといっしょに幸福と安らぎに包まれます。作中の会話は子どもが何度も耳を傾けたくなるほどあたたかいやりとりに満ち、お母さんを思う気持ちが率直に表現されています。(asukab)