米国暮らしの絵本手帖〜評価の星の数〜

 アマゾンなどで見かけるように、書評には5つ星評価が一般的である。わたしの場合5つ星は親子で楽しめた絵本というレベルで、質・内容ともに最高級の絵本には6つ星を与えたい。4つ星は子どもは喜んだけれど親としては「?」が付くもの、あるいはその逆。3つ星はコレクションには入れなくてもいいかな……という絵本。これが自分の考え方だったから、『ホーンブック』の評価システムが6段階というのには大きく納得した。このシステムの基盤には、もちろん米国の教育を支える絵本・児童書の使命がある。

 この評価を通して見回すと、最高評価に当たる1の絵本にはそうそう出会えない。日本で邦訳されている作品は、ほとんどが3か4。1や2の作品が相対的に少ないのだから、それも当然だけど。芸術の宿命だが、売れる作品=質の高い作品と単純にならない点が、教育とビジネスの温度差、差異ということになる。
 別に指標に振り回されなくてもいいが、どんな社会でも指標が存在することには大きな意味がある。客観評価の求められる教育には必要である。(asukab)