『こどものとも』50周年記念ブログ 

 『こどものとも』は、わたしの生まれる何年も前に創刊された月刊誌である。子ども時代に出会った絵本の数々はこの月刊誌に導かれて生まれた絵本が多いので、その草創期を紹介するブログのことを知り心が躍った。
 さっそく訪ね、色彩豊かな表紙のイラストを堪能する。岩波と福音館の絵本で育った世代として、当時のイラストから感じられる「まごころ」に絵本本来の姿を見出すことができ気持ちが和んだ。何と言うか、時代性を感じさせてもさせなくても、少なくともその1枚1枚の表紙からは人の心が感じられるのだ。今の日本の絵本って正直なところ、欲しいなあ!と心を引きつける作品が少ないと感じてしまう……。
 絵本に限らず、世の中には「変わるもの」と「変わらないもの」があるけれど、変わってならないものは人を思う気持ちである。流行やスタイルの影響で表層的に変わるものは、子ども時代に出会う対象としては不適当なものだ。子どもの絵本は心を語り、心から言葉を発することが本質で、もしそうでなければそれは子どもを見つめる絵本ではない。絵本は深層に位置するもので、心を伝えるものである。(asukab)