お誕生日絵本カウントダウン#4
4日目は、『よかったねネッドくん』。主人公の男の子が息子ぐらいなので彼のためにと購入したものだったけれど、娘も大好きになった一冊。英文併記で、これはうちにはすごくよかった。わたしが日本語、息子が英語といった読み方ができ、いろいろ膨らませながら楽しめるのだ。
ある日、ネッドくんはびっくりパーティへの招待状を受け取るが、会場はなんと遠く離れたフロリダ……。友だちから飛行機を借りて旅は始まるが、道中は「よかったね!」と「でも、たいへん!」の好運と不運の連続で展開される。これってまさに、禍福はあざなえる縄の如し。「よかったね」のページはカラー、逆に「でも、たいへん」のページが白黒という演出が、どきどき、ひやひやスリル満点の冒険を最高潮に盛り上げて、1回のリクエストだけではとうていすまない。007も顔負けの大スペクタクル絵本なのだ。
今回娘といっしょに読んでみて、英文併記にあらためて感謝。なぜなら邦訳ではネッドくんがニューヨークにいることが訳出されていないから。英文では「……the party was in Florida and he was in New York.」と記されているので、それを付け加えて説明する。うちの場合、フロリダが遠いところにあるという漠然とした感覚よりも、ニューヨークとフロリダの間と具体的になることで娘はさらに作品にのめりこんでいった。「場所、距離、時間」の感覚というのだろうか。さっそく地図を持ち出し、ネッドくんの冒険を地図といっしょに追ったことが今回の収穫だった。たとえば、ニューヨークから飛び立った自家用飛行機はメリーランド沿岸の上空あたりで爆発し、ネッドくんはさめに追われて一気にジョージアあたりまで泳いで行ってしまう。すごーい。読むたびに、バージニアやら、バハマ諸島やら、「今、ここだよ」と彼女は違う地名を指さしながら展開を追うので、見ているほうも笑えてきた。「ええ〜! そんなところまでいっちゃうの〜?」なんて、わたしが叫びながら。邦訳だけだったら、こういう楽しみ方はできなかったなあ。
お誕生日絵本であることは、最後のページで明かされる。そうそう、ここでも「ママは、見ちゃだめ。Guess!」と隠しながら、娘はキャンドルの数を夢中になって数えていた。ネッドくんは大きい男の子なんだね。キャンドルは13本。(asukab)
- 作者: レミーチャーリップ,Remy Charlip,八木田宜子
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1997/11/01
- メディア: 単行本
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