四季の絵本手帖『しずくのぼうけん』
- 夏の14ページ しずくのぼうけん (世界傑作絵本シリーズ)
- 作者: マリア・テルリコフスカ,ボフダン・ブテンコ,うちだりさこ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1969/08/10
- メディア: 単行本
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まずは、村のおばさんのバケツから飛び出し、汚れた体をきれいにしてもらおうと病院を訪ね、ばい菌が付着しているので煮沸殺菌させられると聞き、再び外に逃げ出し……と場面はリズムのいい表現も手伝って、ページごとテンポよく進みます。
水一滴が、雲、雨、氷、川……と形を変えて登場する場面は、子どもの生活や毎日の気象に合わせて話題になりそうです。湯気、雨雲、氷水など、親しみにあふれるしずくの表情が会話を弾ませることでしょう。小川を流れ、魚に出会い、水道を通り、洗濯機の中で回り、干された下着にぶら下がしずくの姿は、すぐに日常でも探せそうなほど身近に感じられます。
「……それから きっと もういちど、ぼうけんの たびに でるだろう」――。最後の行を受けて終わりのない旅の続きを思い巡らせれば、しずくはたちまち生活の中で輝き始めます。(asukab)