四季の絵本手帖『あおい目のこねこ』
- 夏の17ページ あおい目のこねこ (世界傑作童話シリーズ)
- 作者: エゴン・マチーセン,せたていじ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1965/04/01
- メディア: 単行本
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金色の目を持つ5匹の猫たちと暮らす後半には青い目だからと意地悪をされますが、犬退治をしてねずみの国を発見したことで一気に尊敬のまなざしを浴びることになります。犬の背中に爪を立て落ちないようにしがみつきながら、山をいくつも登って下る場面はこの作品の山場でしょう。見開きごとに「山をのぼって……」「山をくだって……」が6場面も登場するのですから、子どもは愉快で仕方がありません。ねずみをたらふく食べ丸々と太って戻った子猫は、5匹の猫たちをねずみの国まで案内してあげることになりますが、ここでは、あっさりと一場面だけで山越えが済んでしまい、この差が対照的でユーモラスです。
「ふつうのいいねこは、きいろい目だまなんだよ」と心無いことを言われても自分の青い目が大好きだった子猫は、どんな苦境もおおらかに乗り越えました。子どもが子猫を慕う理由は、きっといつも自分らしく幸せでいるからでしょう。(asukab)