四季の絵本手帖『ジャムつきパンとフランシス』
- 秋の15ページ ジャムつきパンとフランシス
- 作者: Russell Hoban,Lillian Hoban
- 出版社/メーカー: HarperCollins
- 発売日: 1993/05/01
- メディア: ハードカバー
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アナグマのフランシスには、ジャムつきパンしか食べようとしない好き嫌いがありました。お母さんが新しいごちそうをこしらえても、結局いつも大好きなジャムつきパンしか食べようとしません。理由はジャムつきパンならよく知っていて安心だし、いつ食べても美味しいからというものでした。半熟卵が嫌いな理由は変なふうに黄身がたれたり、こぼれるから、いり卵はフォークにのせるとバラバラ下に落ちてころがるから、目玉焼きはお皿の上から変な目でじっとにらんでいるみたいだから……と、大人の視点から見ると取るに足らないことが理由となり、ほかの料理をまったく口に運ぼうとしませんでした。
そんなフランシスをあたたかく見守り、知恵を使って料理のおいしさに気づかせてくれるのがお母さんです。フランシスが自分からジャムつきパン以外の食事を取るようになった秘密の背景には、家族いっしょに食卓を囲み会話を弾ませる毎食の習慣があったことも見逃せないでしょう。(asukab)