妖精のコスチュームを求めて

 いよいよ10月に入り、ハロウィンが現実味を帯びてくる。主人は『The Hallo-wiener*1を教室で読むからと、絵本を持って行った。ハロウィンを絡めた授業は生徒の感情移入の仕方がまったく違うから、準備する側も気持ちが盛り上がるといっていた。特に作文に関しては、これほど創作欲を掻き立てる行事はないそうである。
 さて、わたしも少しずつ、娘のコスチュームのことを考え出した。お店には子ども用のコスチュームが並び出し、今日もプリンセスや妖精のデザインを見てきたばかり。かわいいなと思ったのは、普通は1枚はぎで作るスカートを、袋折りで二重にし、その中に造花の花びらや鈴、きらきら光る軽い小物などを入れるアイデア。冠やリボン、花の色や中に入れるものは、全部彼女に選んでもらおうと思う。
 さて、肝心のドレスのデザインは……ということで『A Deluxe Book of Flower Fairies』を取り出してみる。妖精図鑑ともいえるシシリー・マリー・バーカーの妖精四季シリーズは、ファンにはおなじみだろう。うちにあるのは各4冊を1冊に収めたギフト版で、四季折々の花、木の妖精たちの姿が1年の流れの中で紹介される。厚さは、3センチぐらい。可憐な花の世界を描く画集としても楽しめるが、主人は詩もいいと言っていた。でもわたしに言わせれば、この作品の一番のよさは妖精の可愛らしさに加え、英国の豊かな自然が味わえることじゃないか。花鳥を知るナチュラリストに憧れるわたしは、自分もいつか博識になれたら……と願いながらページをめくる。
 前庭にある低木の葉が、マジェンタ・ピンクに近いみごとな深紅を見せている。最近娘は紅葉の観察を日課にしているようで、静かになったなと思い居間をのぞくと、窓から低木を眺めている。「あの葉っぱの色が大好き」と教えてくれたので、母親としてはここで木の名前を伝えたいのだが、残念無念、わからない! 妖精図鑑を眺めハロウィン・コスチュームのデザインと色を決めながら、英国と同様に北米でも見られるであろう花と木の名前を覚えていこうと思った。(asukab)

A Deluxe Book of Flower Fairies

A Deluxe Book of Flower Fairies