くんちゃんの魅力は永遠

 今年もまた、楽しめた。『ジェインのもうふ―アメリカのどうわ*1と並んで、くんちゃんシリーズの『くんちゃんのはじめてのがっこう』は、子どもたちといつまで絵本を堪能できるかの指標のような存在になっている。この2冊に関しては11歳の息子と6歳の娘を同時にとりこにする作品なので、親のわたしにしてみれば極上の読み語りが実現できて満たされるのである。
 タイトルの通り、このくんちゃん絵本には、くんちゃんが初めて学校に行く日の様子が描かれる。くんちゃんは1年生なのだ。新しいカバンをもらい喜ぶくんちゃん、行く道々で動物たちに「ぼく、がっこうへいくんだよ」と誇らしげに話すくんちゃん、教室では緊張して小さく縮こまってしまうくんちゃん……。息子と娘はいろいろなくんちゃんの姿を見て、幸せそうな顔をしている。親から見ればくんちゃんの姿は愛おしさのかたまりである。同時にその姿は、子どもには共感の連続として映るんだろう。だからここには、至福のひとときが流れていく。
 息子は特に、くんちゃんが窓の外から言葉を学習を見つめる場面が好きで、ここになるといつもクスクス笑いを伴いながら、「くま、くるみ、くまんばち!」とくんちゃんになりきってくれる。永遠のくんちゃん、どうもありがとう。おかげでとても楽しい親子読書の時間になった。
 日本語版も英語版も、書影がなくて非常に残念。(asukab)