スープといっしょにあたたまる うちのハロウィン絵本#10

 『Pumpkin Soup Mini』(邦訳『かぼちゃスープ』)は、絶対ハロウィンの頃に読みたい絵本。おいしそう〜なかぼちゃのスープがあたたかい色合いで描かれるから、この季節に読まなければ味わいを逃してしまいそうだ。収穫感謝まで期間を延ばしてもいいけれど、作中、キツネやオオカミ、魔女、クマの出てきそうな怖い森の場面があり、うちでは気持ち的に読みたいのはハロウィン前になるだろうか。(時期はあまり関係ない、といえば関係ないが。) 
 世界一おいしいかぼちゃスープを作るのは、ねこ、りす、あひるのなかよしトリオ。それぞれお決まりの役割があったけれどある朝、あひるが「ぼくがスープをかきまぜる」と、りすの仕事に手を出した。あらら、そこから思いもよらないけんかが始まってしまう。あれだけ、なかよしだったのに、どうしちゃったんだろう。けんかはおさまらず、とうとうあひるは家出をすることに。「そのうち戻ってくるよ」と楽観していたねことりすだったけれど、だんだん心配になってきた。かぼちゃスープはいっしょに作り、味わうからこそ、おいしいのにね……。
 トリオの性格、深まる秋の風景、料理を作り分け合って食べる意味などなど、心を温めてくれるきっかけがたくさん詰まった作品である。甘いキャンディよりも、わたしはこういうハロウィンがいいな。巻末にスープのレシピがあるので、ハロウィン当日の夕食はかぼちゃスープで決まりなのだ。(asukab)

かぼちゃスープ

かぼちゃスープ