息子といっしょに読むシェイクスピア

 シェイクスピア熱が高じて、息子といっしょに絵本作品を読み始めた。選書が悪かっただろうか、1冊目は何と『Shakespeare's Romeo and Juliet』。恋愛、悲劇……、どれも彼からしたらほど遠い世界だったかもしれない。でも、このジェーン・レイの可憐で上品なイラストとマイケル・ローゼンの的確で明瞭な文章を知ってしまったら、誰かに読まずにいられない衝動にかられた。中学生のシェイクスピア入門としては最適だと思うけれど。冒頭は、グローブ座と当時の社会背景の解説から始まる。
 ロメオとジュリエットは、誰もが結末を知る物語である。それでも多くの人が劇場に足を運ぶ。その理由は「何が起きたか」ではなく「どのように起きたか」を味わうためだ、とのことだった。大事なことは「what」じゃなくて「how」。
 本文には、要所に太字による原文が引用される。見開きの左端には用語解説が付き、息子はそこを確認しながら物語を追っているようだった。今は「つまんなーい」お話かもしれないけど、人生いろいろなことが起こるからね。人情の機微に触れるとき、シェイクスピアの宇宙的思考と洞察力に感動する日もあると思うよ。次は『Hamlet』の予定。これはハロウィンに合わせて読みたかったな。(asukab)

Shakespeare's Romeo and Juliet

Shakespeare's Romeo and Juliet