クリフォードの赤

 娘といっしょに『Clifford the Big Red Dog』を読む。クリフォードと聞くと、赤いからどうもおめでたい犬のイメージになってしまう。何年か前、娘へのクリスマス・プレゼントにクリフォードの大きなぬいぐるみがあり、わたしにとってこの「ビッグ・レッド・ドッグ」は「赤=クリスマスやバレンタイン」のイメージとしても定着していた。
 読んだ絵本は1963年版のペーバーバック。わら半紙のような黄ばんだページがわたしの年を物語り哀しくもあるけれど、だからこそ愛着の湧く一冊なのだ。黒のペン画に赤と薄いピンクだけで彩色されたイラストが、カラー版やテレビ・アニメでは出せない粋な雰囲気をかもし出す。最初のお話――エミリーが「I'm Emily Elizabeth, and I have a dog.」でクリフォードを紹介するエピソード――はシリーズの「ハート」を伝える意味もあるので、初版オリジナルで味わいたいところかな。今夜は娘に読んで欲しいなあ。エミリーの口調が、かわいい作品だから。
 昨日はフェルト、フリース、ボタン、毛色を素材にトムテ*1のぬいぐるみを制作。故意に縫い目や結びを表側に見せ、娘のステッチをアートの一部として表現してみた。素朴な仕上がりで、なかなか味わい深い。彼女も喜んで、ずっと持ち歩いている。本日は「トムテンちゃん」のお友だちを作る予定。冬の手芸って、針を動かした昔の女たちと気持ちが共有できそうで落ち着ける――時間がゆっくり止まる中。赤いクリフォードも作りたくなってきた、むずむずむず。(asukab)

  • こちらは日本語版

おおきいあかいクリフォード

おおきいあかいクリフォード