ウィリーのそりのものがたり

 雪から一夜明け、本日は雨。地面が顔を出しても子どもたちは雪の残る場所を目ざとく見つけ、雪合戦、雪だるま作りに興じる。すべて解けてしまう前に雪の絵本をと思い、『ウィリーのそりのものがたり』を娘と読んだ。
 原書タイトル『The Story of a Boy Named Will, Who Went Sledding Down the Hill』からもわかるように、本文は詩。の音や連用形でつながる邦訳が大胆な構図のイラストと阿吽の呼吸で、冬のお気に入りになっている。たとえば、冒頭はこんな感じ。そり遊びの喜びが、しっかり「うた」に込められる。

ウィリー そりが おきにいり
おかに どっさり ゆきが ふり
そりを ひっぱり かけあがり
しっかり のっかり おもいきり
しゅるり しゅるるり おかくだり

 途中、猟師や動物たちにぶつかってしまう場面の次ページに娘は引かれるよう。文字なし見開きに表現されたスローな瞬間が、雪まみれのおどけたそり遊びを活写する。ラドゥンスキーには『What Does Peace Feel Like?』でも魅せられたし、今後も注目。(asukab)

ウィリーのそりのものがたり

ウィリーのそりのものがたり

  • 作者: ダニイルハルムス,ウラジーミルラドゥンスキー,Daniil Kharms,Vladimir Radunsky,たかはしけいすけ
  • 出版社/メーカー: セーラー出版
  • 発売日: 1996/02
  • メディア: 大型本
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