仲良し2羽のクリスマス
息子の関心ごと……ジャズ、イタリア車、女の子のこと……。あれほど女の子がらみの話題を嫌がっていた彼が、今では友だちと女の子の話題で盛り上がっている、へえ〜。じゃあ、ということでハービーとロッティーのクリスマス絵本『ハービーのないしょのサンタ (ロッティーとハービー)』を息子に読む。
あひるのハービーとにわとりのロッティーは、恋人同士。クリスマスムードでにぎわう街に繰り出し、ケーキ屋さんにも立ち寄ることに。ふとしたことからハービーは自分にそっくりな形のクッキーに魅せられ、思わず手を伸ばし、一口かじってしまい……。結果、罪の意識にさいなまれることになる。いけないとわかっていながらも食べてしまう瞬間、その後あやまろうと思っても実行できずに苦しむ経過を通して、展開はハービーの心理状態を追っていく。
おとぼけハービーと人のいいロッティー。ジャズバンド・ピアノ奏者の6年生に思いを寄せているという息子のために選んで読んだけど、母のもくろみは伝わっただろうか。
本シリーズは、おかしさとペーソスを伝えるイラストが1番の魅力かな。まだ息子が小さかった頃、手にしたブック・カタログのデザイン、イラストを担当していたのが作者マザーズだった。オレゴン州在住の地元作家ということで取り上げられ、ハービーずくめのカタログだったと思う。愛嬌たっぷりの姿がかわいくて「わたしはこういうイラストを描くのだ!」と誓い大切にとっておいたはずだったけれど、どうしただろう。トーンを落とした水彩のイラストと、ハービー、ロッティーの会話にご注目。(asukab)
- 作者: ペトラマザーズ,Petra Mathers,今江祥智,遠藤育枝
- 出版社/メーカー: BL出版
- 発売日: 2002/11
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (1件) を見る