スキーをするときに

 『ウッレのスキーのたび』で、主人公の男の子ウッレは6歳のお誕生日に本物のスキーをもらう。「6歳」という年齢を知り、絶対6歳の冬に読んであげたいなと思っていたから、さっそく娘に。
 クリスマスの2週間前に雪が降り、大喜びで森に出かけたウッレ。そこで、霜じいさん、雪どけばあさん、雪のお城では冬王さま、クリスマスのためにてぶくろを編む女の子たち、そりやスキーを作る男の子たちに出会い、楽しい冬の1日を過ごす。
 雪景色がきれいな冬のファンタジーは、読んでいると雪の結晶がキラキラ目の前に現れるかのよう。なかなか雪が降らなかったり、降ってもすぐに解けてしまったりといった自然環境が、霜じいさん、雪どけばあさんのしわざっていうのがおもしろかった。待ちに待った雪を迎えたウッレの喜びようは、自分も体験したことなのでよくわかる。「ベッドの上で三回もでんぐりがえりをしてしまうほど、よろこびました! それに、服だって、とくべつはやくきがえたので、きっと、どれかはうしろまえにきてしまったとおもいますよ」……の箇所など、特に雪国に住む親なら実感できるところかな。
 美しいイラストはべスコフファンにはたまらないのでは。冬の絵本としてコレクションに入れておくとクリスマス期に楽しめる。読む前に、「スキーって男の子だけがするの?」と聞かれたので、女の子もするよと話した。初めてスキーをするとき、きっとウッレのことを思い出すだろう。(asukab)

ウッレのスキーのたび

ウッレのスキーのたび