グラファロの子どもとねずみちゃん

 子どもたちと『The Gruffalo's Child』を読む。これは彼らの大好きな『もりでいちばんつよいのは? (児童図書館・絵本の部屋)*1の続編で、怪物グラファロの子ども以外、登場キャラクターはすべて同じ面々というシリーズのような作品である。前作はイラストと韻を踏んだ文章のリズムが親しみやすく、賢いねずみくんの活躍に大笑いだったっけ。今度はグラファロの子どもが主人公だからか、文章は気持ち短めかな。こちらも同様に韻の生み出すリズムが、冬の森のできごとに引き込んでくれた。
 くすくす、第2弾もやっぱり笑えちゃうなあ。まず設定がユーモラス。お父さんのグラファロが娘に「森の奥深くにいっちゃだめ」と諭す理由が「そこには、おおきなわるいねずみが住んでいるから」で、(実はよく覚えていないらしいのだが)自分がその昔体験したできごとを振り返り、ねずみの様子を説明するのだった。ものすごく強くて、長い長いしっぽを持ち、目は燃え上がる火のようで、ひげは鉄のように硬いネズミ――語りのこの展開は1冊目を知っていたら笑わずにはいられないという、続編ならではの間テクスト性を持つ。
 息子も娘も、小さなねずみのキャラクターに魅せられた。彼がどうして上記のような怖いねずみになれるのか。それがこのお話のミソかな。今回も冴えた賢さに脱帽のお話だった。とくに、小さな子どもが喜びそう。
 書店からいただいたグラファロ人形を使い、娘はさっそくごっこ遊び。息子は詩作の課題があったからか、「この絵本は詩」と指摘してくれた。参考になったかな。中学生になっても絵本にお付き合いしてくれ、ママは感謝。いつまで家族いっしょの絵本タイムが続くのか、考えるとちょっぴり寂しくなってくる。(asukab)

The Gruffalo's Child

The Gruffalo's Child