これもお気に入り

 いろいろある「てぶくろ」絵本の中、米国でお気に入りになったのが『The Mitten』。最近、その邦訳『てぶくろ―ウクライナ民話』が出たということでうれしくなる。(しかも、「かえるくんとがまくん」の三木卓さん訳!)もちろんラチョフ作品は大好きだけれども、60年代という時代性を感じさせながらも垢抜けた線画で描く冬の森もなかなか魅力的だ。透明感があり、粉雪がキラキラと舞っているような感じである。米国でラチョフ版を目にしたことはなく、どの教室でも置かれているのはトレッセルト/ヤロスラーバかブレットの「てぶくろ」絵本。トレッセルトのお話は、最後に瞬間の魅力と力量のかわいらしさが驚きといっしょに現れる。久々に開き、このページに喜んだ小さな息子の姿を思い出した。
 昨日はモーツァルト生誕250周年の記念すべき日。家族4人でシアトル・シンフォニーの「Happy Birthday Mozart!」コンサートを聴きに行く。中世教会音楽からルネッサンスバロックにかけての音楽をダンスとともに紹介し、最後にモーツァルト作品3曲で締めるというプログラムだった。美しい宮廷衣装をまとった人々による舞踊が楽しめ、子どもたちは古楽器や衣装に見とれていた。
 息子は最近、iPodに入れるお気に入りの曲をクラシック専門局から選んでいる。タイトルを見るとモーツァルト作品が多いなあ。子どもをも魅了する神童の音楽性、普遍性に感心。(asukab)

  • 原書の表紙にはオレンジ色の枠なし。一面ブルーのほうが、冬の冷たさを伝えられるのでは? 窓から外を眺めている感じなのかな。題字はイメージにぴったりですてき。

てぶくろ―ウクライナ民話

てぶくろ―ウクライナ民話