動物と洋服の関係

 最近邦訳が出たし、3日前手帖に書き込んだ*1のでバレットの『Animals Should Definitely Not Wear Clothing』(邦訳『どうぶつにふくをきせてはいけません』)を読む。動物が洋服を着ると、こんな風になってしまいますよとユーモアたっぷりに教えてくれる絵本だ。
 登場するのは、はりねずみ、らくだ、へび、ねずみ、ひつじ、ぶた、めんどり、カンガルー、きりん、やぎ、セイウチ、ムース、オポッサム、ぞう計14匹の面々。彼らが洋服をまとうとどうなっちゃうのかは、ページを開いてのお楽しみである。
 見開き左右、片ページに洋服を着た結果のイラスト、反対ページにだから着ないほうがいい理由が大きな活字でわかりやすく説明され、うふふふと笑いがこぼれること請け合い。絵と理由の生む瞬間お笑い劇場みたいな感じかな。家族みんな、納得の笑いに包まれた。子どもに人気のあったページは、へび、めんどり、ムース、オポッサム。わたしは、きりん、ぞうの無言の姿にまいる。
 「着せてはいけない」と訳した日本語に、なるほど。原書のタイトルから最初は「動物たち自身が服を着たがった」という自我の表出かと思っていた。でも最後に小さく登場する服を着せられたわんちゃんの姿を見て、ああこれは人間が着せたがっていることに対する風刺でもあるのだと理解した。テリアのイラストがなければ、憧れの服を着た結果、ばつの悪い体験をすることになった彼らのしみじみとした心情がにじみ出ているようにも見える。(asukab)

どうぶつにふくをきせてはいけません

どうぶつにふくをきせてはいけません

  • 作者: ジュディバレット,ロンバレット,Judi Barrett,Ron Barrett,ふしみみさを
  • 出版社/メーカー: 朔北社
  • 発売日: 2005/12/01
  • メディア: 大型本
  • 購入: 2人 クリック: 5回
  • この商品を含むブログ (28件) を見る

*1:創造について 2006年2月5日