動物たちの気持ち

 昨日読んだ絵本『Animals Should Definitely Not Wear Clothing』(邦訳『どうぶつにふくをきせてはいけません』)*1の続きで、シリーズ第2弾となる『Animals Should Definitely Not Act Like People』を読む。人間のような生活を送るとこんなことになっちゃうよ、と動物たち自身がユーモラスに警告する絵本である。登場するのは、パンダ、みみず、たこ、さかな、かば、はと、はえ、いぬ、きりん、かめ、ひつじ、だちょう、てんとうむしの13匹。今度は昆虫や海洋生物たちの姿がなかなかいかしている。はえ、だちょうのイラスト理解に苦しんでいると、息子がみごとに解説してくれ、ほお〜と驚いてしまった。文章は頭韻だったり、脚韻だったりで凝った工夫が施されているけれど、何を言おうとしているのか、イラストとの関連性がわかりづらいところもあるかな。最後のページはわれわれ人間(読者)が檻に入っているという演出で、明らかに人間社会への風刺。「動物でいるのが1番だよ!」とみんなが元気に声を揃えているようだった。
 シリーズ2を読んで、昨日書いた「動物に服を着せてはいけません」の邦訳タイトルに「なるほど」とつぶやいた自分の解釈が覆された。シリーズ1と2の視点を通せば、動物たち自身が「こんなことしたら大変なことになるから、しないほうがいいよ」と教えあっていることになり、1の場合、服を着せるという人間の視点は出てこないことになる。つまり「Animals should definitely NOT ---」と話しているのは、動物たち自身。だとしたら「どうぶつは ふくを きてはいけません」「どうぶつは にんげんのまねを してはいけません」(2は息子訳)となるのかな。
 でも、1だけだと話者は人間とも取れる。(「どうぶつに ふくを きせてはいけません」=「動物にせがまれても、彼らに服を着せてはいけませんよ」というニュアンス。)2の最終ページ「we(動物たち自身)」で、すべてがわかった。(asukab)

  • シリーズ2はペーパーバック書影

Animals Should Definitely Not Act Like People

Animals Should Definitely Not Act Like People

*1:動物と洋服の関係 2006年2月8日