一家に一冊、一クラスに一冊

 『Mice, Morals, & Monkey Business』は、主人の誕生日に贈ろうかなと思いをめぐらせた絵本。別の作品にもう決めたのだが、これも捨てがたかった。
 見事な木版画と美しい布装丁の絵本版イソップ物語は、一家に一冊、あるいは一クラスに一冊置いておきたい類の作品である。掲載されているお話は全21話。というか、肝心の物語は巻末に簡潔に載っているだけ。この絵本の特徴は、人生の教訓が諺(あるいは一文)で大きく見開き左ページに紹介される潔さにある。これだけ大きな活字でずばり教えを説いていただくと、すぱっと竹を割るような快さが生まれて気持ちいい。「必要は発明の母」など、知っている(と思い込んでいる)教えをイソップで読むと、また味わい深い。右ページのイラストもきれいで完成度が高い。(asukab)

Mice, Morals, & Monkey Business

Mice, Morals, & Monkey Business