オーストラリアの光と風

 おすすめになっていたので、娘と『Lizzie Nonsense (Bccb Blue Ribbon Picture Book Awards (Awards))』を読んだ。オーストラリアの開拓一家を描く絵本。水彩が美しく、南半球に広がる大地の光と風がそのまま渡ってくるようだった。生活は厳しいけれど、そこには雄大な自然が広がっている。女の子リズィーは豊かな自然に囲まれ空想を巡らせては、父さんが町に行った留守の間を母さん、赤ちゃんと過ごすのだった。一見「大草原の小さな家」のようだけど、描かれる自然――まるで「マチルダ」の歌に出てくるような風景――と動物がオーストラリアらしさを見せる。作者の祖母、母親の体験を描いたという作品。
 箱にしまっておきたいほど、イラストがきれい。でも、同時に先住民を迫害する時代を描いてもいるのだけど。過去を振り返る絵本は、客観視できる年頃にもう1度読んで欲しいと願う。
 同じ作者の『When an Elephant Comes to School』は、まったく違う画風。小さな子どもの心をうまく捉えた作品だったので、少し写実風な絵を描けばまた違った絵本になったんじゃないかなと振り返った。(asukab)

Lizzie Nonsense (Bccb Blue Ribbon Picture Book Awards (Awards))

Lizzie Nonsense (Bccb Blue Ribbon Picture Book Awards (Awards))